イソ・リヴォルタ GTZ ザガートが伝説のブランドを蘇らせる

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Zagato IsoRivolta GTZ

イタリアのコーチビルダーであるザガートが、イソ・リヴォルタ GTZを発表しました。
かつてイタリアに存在していた自動車ブランド「イソ・リヴォルタ」を祝福するモデルです。

今回はイソ・リヴォルタというブランドの簡単な解説と、GTZの概要をご覧ください。


イソ・リヴォルタとは?

元々はイソサーモスという会社で、冷蔵庫などを製造していましたが、1939年に材木商のレンツォ・リヴォルタが買収し、戦後になるとオートバイの製造を始めました。
このころに社名からサーモスが消えたようです。

モータリゼーションが進展しオートバイよりも車が求められるようになると、イソ社は自動車産業への参入を画策。
1953年にミニカーの「イセッタ」を発表しますが、レンツォ・リヴォルタは高性能なGTカーを欲し、イセッタはライセンスや技術を他社に供与して生産するようになります。
ライセンスを受けた企業で最も成功したのはBMW・イセッタで、161,728台も生産されたそうです。

Iso Isetta 1953
イソ イセッタ。フロント部分がドアになっている。
画像の出典: Thesupermat / CC BY-SA

1962年には待望のGTカー「イソ・リヴォルタ GT」を発表。
4シータークーペに搭載されたシボレー製5.4リッター・V8は、最上級グレードのIR300/4で400ps。
ジウジアーロがデザインした美しい車体と相まって、当時はフェラーリの対抗馬とみなされていました。

IsoRivolta GT 1966
イソ・リヴォルタ GT
画像の出典: Rex Gray from Southern California / CC BY

そして1965年には2シーターGTの「イソ・リヴォルタ・グリフォ」を発表。
当初エンジンはシボレー製の5.4リッター・V8でしたが、後に435psの7リッターモデルが追加されています。
この7リッターモデルは、最高速300km/hを謳う高性能車でした。

IsoRivolta GT Grifo
イソ・リヴォルタ グリフォ
画像の出典: Sottotono / CC BY-SA

グリフォにはA3/Cというレース仕様のコンセプトモデルもありました。
A3/Cは1964年のル・マン24時間レースに出場して総合14位(5リッター以上プロトタイプクラス優勝)、翌65年は総合9位(同クラス優勝)という結果を残しています。

Iso Grifo A3/C 1965
イソ グリフォ A3/C
画像の出典: Thesupermat / CC BY-SA

他にも4ドアセダンの「イソ・リヴォルタ・フィデア」や、イソ・リヴォルタのボディを刷新した「イソ・リヴォルタ・レーレ」などがありましたが、1974年12月に会社が倒産してしまい、その命脈が断たれてしまいました。
1973年にはF1への進出も果たしていたものの、オイルショックに端を発するスポーツカー冬の時代を乗り切ることはできなかったのです。

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イソ・リヴォルタ GTZの概要

Zagato IsoRivolta GTZ
ザガート イソリヴォルタ GTZ

Zagato IsoRivolta GTZ top rear
デザインはかつてのA3/Cに影響を受けているという。

Zagato IsoRivolta GTZ rear
中央の4連エキゾーストがユニークだ。

GTZもかつてのイソ・リヴォルタと同様に、シボレー製のV8を搭載するそうです。
エンジンはコルベットZ06の改良バージョンで、排気量は6.8リッターとなります。
最高出力や最大トルクは現時点では不明なものの、純正の6.2リッター仕様よりはパワフルになるはずです。

ザガートによると、GTZはフルカーボンボディなのだとか。
生産台数はたったの19台であるうえに、そのうちの9台は既に売れてしまったそうなので、かなりの希少車となることは間違いありません。

イソ・リヴォルタ GTZは、2020年10月に発表されるそうです。
価格についてもその際に明らかになるでしょう。

Zagato IsoRivolta GTZ

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