オデッセイアブソルート(RC1)の評価・口コミ ドライバーが主役のミニバン
ついにホンダがミニバンを極めた!? オデッセイアブソルートの口コミまとめ
ネット上では乗り心地が酷評されているオデッセイアブソルートですが、所有者の満足度は高く、試乗しただけの人とは対照的な高評価が多いです。
その原因はサスペンションの硬さです。試乗してサスの硬さを「スポーティーだ」と感じたのか、それとも「乗り心地が悪い」と感じたのかで、大きく評価が二分されてしまっているようなのです。
ミニバンらしからぬハンドリングの良さは、それなりの場所で試乗しないとわかりませんから、街中をただ流しただけでは、「足が硬いだけの車」との烙印を押されても仕方がないですね。でもそれだけで購入対象から外してしまうには惜しい車だと思います。詳しくは以下の記事をご覧ください。
トップ画像の出典: honda.co.jp
目次
インテリア
シート
フロントシートは出来が良く、疲れにくいです。表皮はプライムスムースですが、感触も悪くないとのこと。
7人乗りの2列目「クレードルシート」は評判が良いです。オットマンに中折れ機構付きと至れり尽くせりで、リラックスできる姿勢をとることができます。
室内の広さと使い勝手
全席ウォークスルーでしかも両側スライドドアですから、座席へのアクセスは抜群です。
2列目を一番後ろまで下げると、リムジンのように広大な空間が広がります。ちなみに2列目シートは相互にそこそこ寄せられます。
3列目もそこそこの広さが確保されています。けれど分割格納できないので、5名乗車で荷物が多いときなどはちょっと不便です。
インテリアの質感
アルファード/ヴェルファイアのように「これ見よがしの高級感」はありません。ソフトパッドや木目調パネルを組み合わせプラスチック感を抑えた、シンプルで上質なインテリアです。
けれどドアのパワーウインドウスイッチ周りがプラスチックなので、細部の詰めが甘いと厳しい評価を下す人もいます。
ですが派手なエクステリアとは対照的に、インパネ周りのデザインがあまりにもシンプルなため、違和感を訴える声も数多く見受けられました。
小物収納・ラゲッジスペース
最近の車の例に漏れず、オデッセイも小物収納が少ないです。けれど多人数乗車時には、小物収納の少なさが大きな問題になります。
対策としてコンソールボックスを設置する手もあるのですが、その場合はウォークスルーができなくなるので一長一短です。
もうひとつの問題は7人乗り・2列目のドリンクホルダーです。スライドドアの前端・足元近くという取りづらい位置にあります。8人乗りはセンターアームレストにあるのですが……。
また、センターコンソールのリフトアップトレーは「全然使えない」という声が大半でした。ドリンクホルダーもこのトレーに内蔵されています。
荷室は深さがあるので、3列目使用時でも十分な容量が確保されています。トーションビームサスの恩恵ですね。
ナビ・電装系
インフォテイメント
純正インターナビの性能は最悪です。「ルート選択が明らかにおかしい」「使い方がわかりづらい」と散々な評価をされています。
ナビゲーション能力だけでなくエンタメ機能も不足しており、ブルーレイディスクは見れませんし、CD録音もできません。素直に市販の社外品を買いましょう。
マルチビューカメラは死角が少なく、壁際ギリギリまで寄せられます。でも暗くなると映像が見づらくなるので注意が必要です。
ディーラーオプションの後席用モニタ(MOPのリアエンターテイメントシステムではないやつ)は、メインモニタと連動する仕組みなので、基本的に単独では動作しません。ちょっと不便ですね。
空調関連
タッチパネルのエアコンは操作しにくいとの声が多いです。
間違ってちょっと触れただけでも反応してしまう上、運転しながらの手探り操作もできません。他車種でも評判が悪いのになぜ使い続けるのか……ちょっと理解に苦しみます。
EXグレードに標準装備されるトリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンは、1列目左右と後席をそれぞれ別々に温度調節可能です。
その他電装系
スピードメーターの中央がマルチインフォメーションディスプレイになっているのですが、ゴチャゴチャしていて見づらいです。
水温計がついてないので、OBDⅡコネクタを使ってレーダー探知機などの画面に表示させるしかありません。
LEDのルームランプは、全て点灯させると部屋に居るような明るさになります。しかし1列目のルームランプをOFFにすると、2列目・3列目の左右独立ルームランプが操作できなくなります。
エクステリア
フロント周りのメッキは、評価がハッキリと分かれています。好みは人それぞれですが、純正アクセサリーの「エクステリアパッケージ」は、少しくどい印象がありますね。
LEDヘッドライトは明るく、夜間のドライブを快適にしてくれます。EXパッケージには、曲がる方向を照らしだす「アクティブコーナリングライト」が標準装備されます。
両側スライドドアが装備され、使い勝手がさらに良くなりました。
エンジン・燃費
実燃費
実燃費は街乗り8~12km/L、郊外・高速道路10~15km/L程度です。レギュラーガソリン仕様なのもうれしいですね。
ただしガソリンタンク容量が55Lと小さめなので、遠出するときは航続距離に注意した方が良いです。
パワー・トルク
2.4L直噴エンジンは、高回転で伸びるエンジンです。
加速レスポンスも良く、スムーズに加速できます。アルファード/ヴェルファイアと比べても、加速性能に優れています。さすがに坂道では多少パワー不足を感じるようですが……。
トランスミッション
エンジンとCVTの相性は良好です。パドルシフト付きなので、エンジンブレーキが必要なときに重宝します。
パドルシフト自体のレスポンスは良いのですが、エンジンブレーキの反応が若干遅いのが気になる方もいるようです。
アイドリングストップのフィーリング
アイドリングストップからの復帰は、先代と比べてスムーズに復帰→加速ができるようになったのですが、振動は相変わらずです。
ハンドリング・取り回し
走行性能
ミニバンらしからぬコーナリング性能を有しています。アルファード/ヴェルファイアよりコーナリングの安定性が高いです。
ワンボックスのような横揺れ感はありません。低床・低重心ミニバンの面目躍如ですね。
高速安定性にも優れており、静かで滑らかな走りが可能です。
ブレーキの効きも良好です。走行性能関連では、オデッセイに隙はありません。
取り回し・視界
大柄な車体にもかかわらず、最小回転半径は5.4mと意外と小回りが利きます。ちなみにアルファード/ヴェルファイアの最小回転半径は5.6〜5.8mです。
フロントにしっかりと接地感があることも、オデッセイアブソルートの運転しやすさにつながっています。タイヤの位置が感覚的に掴みやすいからです。
けれどドライビングポジションはミニバンらしくなく、むしろセダンっぽいので、アイポイントの高さを求めるユーザーからは不評を買っています。
乗り心地・静粛性
突き上げ感・ボディのガタピシ感
乗り心地が悪いと酷評されていましたが、2014年末ごろから改善され、ちょうどいい硬さとの評価が増えました。スポーティな車を好むユーザーからは、概ね好評なようです。
ただし改善後の足でも、3列目は相変わらず突き上げ感が強いとのこと。まあ、3列目の乗り心地の悪さはオデッセイだけの話ではなく、ミニバンの宿命みたいなものですが。
2列目の乗り心地に関しては、特に7人乗りのクレードルシートの場合は、シートの出来が良いこともあり、サスの硬さが気にならないようです。
無限のスポーツサスキットを装着すると乗り心地が改善されるようです。路面の凹凸を乗り越えたときのショック自体はあるのですが、収束が早いので不快さが減ります。
HKSのハイパーマックスSスタイルCは、乗り心地がいいのもさることながら、コストパフォーマンスにも優れています。まあ、減衰力調整機構が省かれているので、その分安いだけですけどね。ネットだと10万円を切る価格で販売されています。2年または4万kmの保証つきです。
静粛性
直噴エンジンからはカラカラ音がします。洗練度合いに欠けるエンジンです。
純正タイヤのトーヨータイヤ・トランパスは、ロードノイズが大きいと酷評されています。同じく純正タイヤでも、ヨコハマのBlueEarthならロードノイズもひどくはないようですが。
ミシュラン・パイロットプライマシー3などのコンフォートタイヤに交換すると、かなり改善されるみたいですよ。
安全性
◯=標準装備 △=メーカーオプション −=設定なし
名称 | 装備 |
---|---|
横滑り防止装置 | ◯ |
プリクラッシュブレーキ | ◯※1 |
クルーズコントロール | ◯※2 |
ACC | ◯※1 |
車線逸脱警報 | ◯※1 |
レーンキープアシスト | ◯※1 |
アダプティブヘッドライト | − |
ブラインドスポットアシスト | ◯※3 |
ヒルスタートアシスト | ◯ |
前席エアバッグ | ◯ |
サイド&カーテンエアバッグ | ◯※1 |
※1 素のアブソルート・8人乗りには設定がない
※2 Honda SENSING装着車はACC(アダプティブクルーズコントロール)になる
※3 EXパッケージのみ
値引き・中古車動向
平均値引き額
値引き対象 | 平均値引き額(万円) |
---|---|
車両本体 | 35.0万円 |
オプション | 7.4万円 |
中古市場でのRB1オデッセイ(2016年3月時点)
2014年冬ごろのモデルから乗り心地が改善されたので、購入するなら改善後のモデルをおすすめしますが、あえて初期型(2013年10月〜)を買うという手もあります。
乗り心地が悪いと悪評が立ったので、初期型はかなり安いのです。すぐに手放した人も多かったのか、走行距離1万km以下の個体もざらにあります。
初期型は車両本体価格270万円前後からあるので、購入後に車高調を入れても、総額300万円くらいで収まると思います。
ホンダによって足回りが変更された2014年冬以降のモデルでも、車高調より硬いです。中古で初期型を買って車高調を入れれば、低コストで良好な乗り心地を実現できます。新車を試乗してみて「硬い」と感じたら、初期型+車高調の組み合わせも検討してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。ミニバンに興味のある方は、以下の記事もぜひご覧ください。