スズキのインド版エスクードが売れまくっている!
マルチスズキのヴィターラ・ブレッツアが、インド市場で売れに売れています。なにせ100,000台もの予約が入っているのですから。
トップ画像の出典: motoroctane.com
目次
ヴィターラ・ブレッツアとは?
インドで開発された一回りコンパクトなエスクードです。企画からデザインまでをすべてインド側で手がけた初めての車となります。ちなみにヴィターラはエスクードの海外名で、ヨーロッパなどでは古くから使用されてきました。
日本のエスクードと主要諸元を比較してみました。
項目 | V・ブレッツア | エスクード |
---|---|---|
全長(mm) | 3995 | 4175 |
全幅(mm) | 1790 | 1775 |
全高(mm) | 1640 | 1610 |
ホイールベース(mm) | 2500 | 2500 |
最小回転半径(m) | 5.2 | 5.2 |
車重(kg)※1 | 1170 | 1140 |
ラゲッジ容量(L) | 328 | 375 |
エンジン | 1.3L ディーゼル | 1.6L ガソリン |
馬力(ps) | 90 | 117 |
トルク(kgf・m) | 20.4 | 15.4 |
トランスミッション | 5MT | 6AT |
燃費(km/L)※2 | 24.3 | 18.2 |
※1 車重は2WDの数値。
※2 インドと日本では測定方式が異なるので、あくまで参考程度に。
ヴィターラ・ブレッツアは全長こそエスクードよりも短いものの、全幅と全高はともにエスクードを上回り、幅広で背が高くなっています。ホイールベースが同じなので、プラットフォームは共通かもしれません。(ヴィターラ・ブレッツアはグローバルCプラットフォームを使用)
ヴィターラ・ブレッツアの価格はINR719,000〜988,000となっています。INR1=¥1.51で計算すると、約108〜149万円です。エスクード・2WDが約213万円であることを考えると、かなりのお値打ち価格と言えるでしょう。
ヴィターラ・ブレッツアのインフォテイメントや安全装備はさすがに貧弱(Apple CarPlayに対応しているのは最上級グレードだけ)ですが、安い軽自動車と同等の装備はそろっているようです。決して安かろう悪かろうという車ではありません。
余談ですが、もっとも売れているのは最上級グレードの「ZDi+」で、販売台数の半分近くを占めているそうです。バレーノの"1.0L Booster Jet“が搭載されるとの噂もあります。日本導入もぜひ検討してもらいたいですね。
どれほど売れているのか?
ヴィターラ・ブレッツアがインドで発売されたのは、今年の3月25日でした。発売開始前の段階ですでに37,000台の予約が入っており、納車まで4〜5か月かかる状況だったのです。
あまりの人気ぶりにマルチスズキは、発売開始から10日と経たないうちに増産を決定します。当初は80,000台/年だった生産計画を100,000台/年に引き上げ、市場の需要に応えようとしたのです。
しかしヴィターラ・ブレッツアの人気はとどまるところを知らず、発売翌月の4月には、マルチスズキのSUV販売が前年同期比+260.4%と驚異的な伸びを記録します。
この勢いにはライバルたちもお手上げで、4月のSUV月間販売台数でフォード・エコスポートを抜き2位に、そして5月にはヒュンダイ・クレタを追い抜き、インドSUV市場の玉座を早々に奪取してしまいました。
このころにはバックオーダー70,000台・納車待ち9ヶ月というとんでもない状況になっており、マルチスズキはさらなる増産を決断。今度は120,000/年が目標です。
ところが6月末には90,000台、7月末には100,000台と、増産に増産を重ねても、一向にバックオーダーが減る気配がありません。対応策の一貫なのかマルチスズキは値上げを発表しましたが、はたしてどうなるでしょうか。
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