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EV・PHEVのシェア増加! でも新車が排出するCO2の量も増えている!?

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2017年の第3四半期(Q3)は、バッテリー電気自動車(BEV, 一般的な電気自動車のこと)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の世界販売台数が、大幅な伸びを記録しました。
前年同期比で、なんと63%も販売台数が増加したのです。

販売増の主な要因は、中国での記録的なセールスでした。
Q3のBEVおよびPHEVの世界販売は287,000台だったのですが、中国だけで91,000台も売り上げているのです。

第2四半期と比較しても世界販売は23%も伸びており、その勢いはますます加速しつつあるように見えます。
Bloombergなどは、BEVおよびPHEVの年間世界販売台数が、歴史上初めて100万台を超えるのではないかと予想しているほどです。
もちろんシェアも右肩上がりに伸びています。

イギリスにおけるBEV・PHEVが新車登録台数に占めるシェア。右肩上がりだ。

ゼロ・エミッション・ビークルがそれだけ売れているのだから、CO2も大幅に減っているのだろうと思いきや、なんとイギリスでは新車の排出するCO2の量が増えているというのです。
一体何が起こっているのでしょうか?


英国で新車のCO2排出量が増加した理由

2017年1〜10月に英国で販売された新車の平均CO2排出量は、121.1g/kmだったそうです。
ちなみに昨年は120.3g/kmでした。
新車のCO2排出量が増加するのは実に14年ぶりのことだそうです。

2003年以来、新車のCO2排出量は年平均4.02g/kmずつ減少してきました。
それがここに来て増加に転じた理由は、ディーゼル車の販売台数が減少したためです。
ディーゼル車の販売台数は、前年比で16%も減少しました。

もしCO2の排出量を削減したいならば、ガソリン車よりも20%ほどCO2排出量が少ない最新のディーゼル車を導入することは避けられませんが、フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル排ガス不正事件以降、ディーゼル車への風当たりは強くなるばかりです。

イギリスでも、ディーゼルが排出する窒素酸化物(NOx)浮遊粒子状物質(SPM)対策のために、ディーゼル税とディーゼル車の都市通行料が引き上げられました。
また、ユーロ6のような厳しい排ガス基準は、自動車メーカーの開発費用を高騰させ、ディーゼル車の価格を高くする原因になっています。

でも最大の問題は、消費者のディーゼルに対する不信感かもしれません。
もちろんVWのような不正は論外ですが、ちゃんとしたクリーンディーゼルはCO2を削減するための心強い味方です。

とくに長距離を走るドライバーにとっては、軽油のランニングコストの安さは魅力的でしょう。
テスラ・セミのようなEVのトラックが実用化され普及するまでにはまだ時間がかかりますから、運送業界にとってもディーゼルはまだまだ重要です。

テスラ・セミ。「セミ」とは「セミトレーラー」のこと。

そのディーゼルに対する規制を厳しくしすぎると、いずれは輸送コストに転嫁され、回り回って消費者が負担することになります。
ディーゼル規制は排ガス浄化技術や、EV等のディーゼル代替技術の進歩と足並みを揃えて進めないと、コストをかけてCO2を増やしただけということになりかねません

CO2には各国が合意した削減目標(気候変動枠組条約。締約国は197ヶ国に上る)があるわけですから、ディーゼルを活かす方向で調整してもらいたいですね。

出典・参考サイト

4,000 Plug-In EVs Sold In November In UK – Record Market Share of 2.44% | insideevs.com

Global electric car sales jump 63% as China demand surges | straitstimes.com

Average new car CO2 emissions increase for first time in 14 years | autoexpress.co.uk

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