自動車メーカーがこぞって ” GT4 ” に集結中!【8/6更新】

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BMWがGT4マシン「M4 GT4」を発表しました。
若手ドライバーを育成するジュニアチームを、GT4クラスで走らせるそうです。
2017年のニュルブルクリンク24時間レースでデビューし、後半からカスタマーへのデリバリーが開始されます。

するとメルセデス・ベンツもBMWの後を追うように、「AMG GT4」を発表しました。
アウディも「R8 LMS GT4」を発表し、ドイツ御三家がGT4に揃い踏みです。

フォードも、2016年11月のSEMAショーで突如としてGT4レーサー「マスタング GT4」を公開すると、今度はフォードの永遠のライバルであるシボレーも「カマロGT4.R」を発表するなど、自動車メーカー各社がGT4に殺到しています

FIA-GT3マシンは、SUPER GTのGT300クラスで大活躍していますが、GT4となると、日本ではあまり馴染みがありません。
JAF公認レースには参戦可能なクラスが無いため、GT4マシンは走れないのです。

理由は後述しますが、今後はGT4が主流になっていくでしょう。
BMWやフォードもそう睨んでいるからこそ、参入を急いでいるのだと思います。

日本のレースでもGT4クラスがいずれ作られるはずです。
予習の意味もこめて、現在活躍中のFIA-GT4マシンについてまとめてみました。

2017年4月14日追記

日本でもスーパー耐久に、GT4マシンが参戦可能な「ST-Z」クラスが新設されました。
今後は日本でもGT4マシンを見ることが増えるでしょう。

更新情報

アバルト 124 GT4の情報と画像・動画を追加しました。(2018/08/06)

KTM X-BOW GT4 2018年モデルの情報と画像を追加しました。(2017/12/28)

「AMG GT4」「BMW M4 GT4」の項目に、画像を追加しました。(2017/07/26)

「アウディR8 LMS GT4」の項目を追加しました。(2017/04/14)

「シボレー・カマロGT4.R」の項目を追加しました。(2017/02/09)

「AMG GT4」の項目を追加しました。(2016/12/08)

画像の出典: gt4series.com


今後FIA-GT4が主流になる理由

FIA-GT3のコスト高騰がその理由です。かつては3000〜4000万円程度だったGT3マシンが、今や5000万円が相場となり、フェラーリに至っては7000万円オーバーと、すさまじいインフレを起こしています。

レースシリーズの盛者必衰

モータースポーツ界では各レースシリーズにおいて、

  1. プライベーターが主流のクラスに、自動車メーカーが参戦する。
  2. 参戦する自動車メーカーの数が増え、人気が高まる。
  3. 勝てない自動車メーカーが、必勝を期して巨額の開発予算を組む
  4. 車両価格が高騰し、プライベーターの撤退が相次ぐ。
  5. 勝てない自動車メーカーが撤退し、やがて自動車メーカーがいなくなる。
  6. シリーズが維持できなくなり、コスト削減のレギュレーションが導入される。
  7. プライベーターの参戦が少しづつ増えてきて、1に戻る。

というサイクルを繰り返しています。SUPER GTではこのサイクルを防ぐために、3の「勝てない自動車メーカー」を作らない仕組みになっているのですが……最近はホンダがなかなか勝てず、あまり良くない状況です。

FIA-GT3でも「バランス・オブ・パフォーマンス(BoP)」を導入することで、やはり「勝てない自動車メーカー」を作らない仕組みになっていましたが、参戦メーカーの数が増えすぎて機能していません。車重やエンジンパワーを調整するだけでは、すべてのメーカーを順繰りに勝たせるのは難しいのです。

レースで勝てないメーカーが取る手段は、撤退するか、さらに金をつぎ込むかの二つに一つなのですが、「勝てないけどあきらめないメーカー」が出てくると、開発費が高騰し、車両価格が跳ね上がってしまいます。

現在のFIA-GT3はすでに4の段階にあり、自動車メーカーの手厚いサポートを受けている有力チームでなければまず勝てません。

となるとコスト削減する必要があるのですが、自動車メーカー各社が政治的な駆け引きをするので、レギュレーションの改正は至難の業です。

そこで「元々あった下位カテゴリー」にプライベーターが移っていき、自動車メーカーもそれを追う形で移動するという現象が起こります。GTレースの主流がGT2からGT3に移ったときのように、GT3もGT4へと移り変わっていくでしょう。

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現在活躍中のGT4マシン

GT4マシンが主に走っているのは主にヨーロッパとアメリカです。ヨーロッパではGT4ヨーロピアンシリーズブリティッシュGTなどが、アメリカではピレリワールドチャレンジIMSA・コンチネンタルタイヤ・スポーツカーチャレンジなどが主戦場となっています。

日本で販売されていない車両の価格は、$1=¥105、€1=¥115、£1=¥135換算で計算したものです

アウディ・R8 LMS GT4

アウディ・R8のGT4バージョンです。AUDI SPORTが2017年4月のニューヨーク・オートショーで発表した最新のGT4マシンとなります。

れっきとしたレーシングカーですが、市販車と共通のパーツが60%も使われています。市販R8のポテンシャルの高さを裏付ける1台です。

デビュー戦は2017年のニュルブルクリンク24時間レースを予定しています。

項目 データ
排気量(L) 5.2
パワー(ps) 495
車重(kg) 不明
価格(万円) 2989

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アストンマーチン・ヴァンテージGT4

FIA-GT4_ASTON MARTIN VANTAGE
GT3よりも外観はおとなしい

画像の出典: britishgt.com

GT4マシンとしてはかなり古い部類に入るアストンマーチン・ヴァンテージGT4ですが、戦闘力はいまだ一級品です。

項目 データ
排気量(L) 4.7
パワー(ps) 400
車重(kg) 1350
価格(万円) 1837.5

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ポルシェ・ケイマン PRO4 GT4

PROSPORT Cayman PRO4 GT4

画像の出典: autobild.de

PROSPORTチームが独自に仕立てたGT4ケイマンには、911GT3カップカー(タイプ997)のフロントアクスルや顔が、まるごと移植されています。幅の広いアクスルや空力的に優れたフロント周りを利用することで、戦闘力を高めているのです。

項目 データ
排気量(L) 3.4
パワー(ps) 390
車重(kg) 1250
価格(万円) 1902.2

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ポルシェ・ケイマンGT4クラブスポーツMR

porsche-cayman-gt4-clubsport-mr-front
バンパーの4灯ライトは、24時間レース用のオプション装備。
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画像の出典: autoweek.com

“MR"とはマンタイ・レーシングの略です。オラフ・マンタイ氏率いるマンタイ・レーシング(ポルシェの子会社)は、WEC(世界耐久選手権)のGTE Proクラスでポルシェのワークスチームを運営しており、ニュルブルクリンク24時間レースの強豪チームでもあります。耐久レースのスペシャリストですね。

そんなマンタイ・レーシングが手がけたのが、「ケイマンGT4クラブスポーツMR」です。GT4レース用に開発されたこのマシンは、カーボンフロントボンネット、カーボンドア、ポリカーボネートウィンドウ、軽量なリチウムイオンバッテリーなどを用いることで、ストリート・リーガルなケイマンGT4から40kg軽量化されています。トランスミッションもPDKに変更されており、最速のシフトチェンジを可能にしているそうです。

項目 データ
排気量(L) 3.8
パワー(ps) 390
車重(kg) 1300
価格(万円) 不明

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シボレー・カマロGT4

FIA-GT4_シボレー・カマロGT4
うーん、でかい

画像の出典: motorsportcars.es

アメリカの有力コンストラクターであるライリー・テクノロジーズが製作したカマロGT4も、ヴァンテージGT4と並ぶ古株です。2015年GT4ヨーロピアンシリーズPROクラスのチャンピオンマシンでもあります。

かつてはフォード・マスタングのGT4も走っていたのですが、ヨーロッパではもう走っていないようです。

(2016/11/03追記)新しいカマロGT4が発表されました! 詳細はすぐ下の項目をご覧ください。

項目 データ
排気量(L) 6.2
パワー(ps) 432
車重(kg) 不明
価格(万円) 2362.5

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シボレー・カマロGT4.R

新たにプラット&ミラー・エンジニアリングをテクニカルパートナーに迎え開発された「カマロGT4.R」は、市販車のカマロZL1をベースに製作されています。

エンジンはシボレー・レーシングが手を入れた、ドライサンプ化されたZL1用6.2L・V8(いわゆるスモールブロック)です。
トランスミッションはXtrac製の6速シーケンシャルで、ニューマチック・パドルシフト付き。
リミテッド・スリップ・デフもXtrac製のものが採用されています。
足回りは伸び側・縮み側を独立して調整できるオーリンズ・レーシングダンパーです。

ブレーキはブレンボのアルミモノブロック6ピストンキャリパーで万全の備え。
GT4マシンですから、ABSおよびトラクションコントロールも装着されています。

項目 データ
排気量(L) 6.2
パワー(ps) 不明
車重(kg) 不明
価格(万円) 不明

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フォード・パフォーマンス・マスタングGT4

ford-performance-mustang-gt4-left-front
ああ〜^かっこええんじゃ〜^
ford-performance-mustang-gt4-left-rear

画像の出典: motorauthority.com

7代目マスタングがベースのGT4マシンです。2016年11月のSEMAショー(全米最大のチューニングカーショー)で発表された、最新のGT4マシンです。

エンジンはシェルビー・GT350用の5.2L V8を搭載。ギアボックスはホリンジャーの6速シーケンシャルです。足回りには、アメリカのコンストラクターであるマルチマチック社製のダンパーやリアコントロールアーム、スタビライザーなどを装着しています。

項目 データ
排気量(L) 5.2
パワー(ps) 不明
車重(kg) 不明
価格(万円) 2100

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ジネッタ・G55 GT4

FIA-GT4_ジネッタ G55

画像の出典: dailysportscar.com

イギリスのバックヤードビルダーとして名高いジネッタ。彼らの作り上げたG55 GT4にはフォード製のV6が搭載され、軽量・ハイパワー・ロープライスと、三拍子そろった車に仕上がっています。ブリティッシュGTでは優勝の常連です。

項目 データ
排気量(L) 3.7
パワー(ps) 360
車重(kg) 1085
価格(万円) 1053

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ロータス・エヴォーラGT4

FIA-GT4_ロータス・エヴォーラGT4

画像の出典: carmagazine.co.uk

SUPER GTではマザーシャシーで参戦中のエヴォーラですが、こちらは市販車ベースのGT4バージョンとなります。

項目 データ
排気量(L) 3.5
パワー(ps) 360
車重(kg) 1200
価格(万円) 1684.8

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KTM X-BOW GT4

FIA-GT4_KTM X-BOW GT4

画像の出典: digitaltrends.com

READY FOR RACEの精神は、4輪でも健在です。ライター・エンジニアリングが作り上げたX-BOW GT4は、市販車の軽量な車体や、ハイパワーなアウディ製2.0Lエンジンを、そのまま活かしたレーシングカーとなっています。クローズドコクピットなので安全性もバッチリです。

項目 データ
排気量(L) 2.0
パワー(ps) 340
車重(kg) 1000
価格(万円) 1598.5

X-BOW GT4(2018年モデル)

ライター・エンジニアリングは、2018年シーズンに向けて大幅なアップデートを行いました。
コストをさらに削減するためです。

まず、トランスミッションがホリンジャー製のものに変更されました。
700Nmのトルクに対応し、10,000kmの走行に耐えられるものとなっています。

また、サスペンションのウィッシュボーンや、センターロック仕様のホイールハブ等のシャシー・コンポーネントは、20,000kmもの走行に耐えられるそうです。

これらの変更により、新型X-BOW GT4のランニングコストは1kmあたり3.9ユーロ(約526円)に抑えられています。

ECUはMotec M142に変更され、コクピットのコントロールパネルもユーザーフレンドリーなものに新調されています。
FIA-GT3譲りのトラクション・コントロール・システム(TCS)と、LMP仕様のヘッドレストも付属しているそうです。

2018年型KTM X-BOW GT4の価格は、152,360ユーロ(約2054万円)となっています。
2018年2月までに15台を生産する予定だそうですが、すでに完売しているそうです。

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マセラティ・グラントゥーリズモ MC GT4

FIA-GT4_マセラティ・グラントゥーリズモ MC GT4

画像の出典: topspeed.com

ワンメイクレース用の"トロフェオ"をベースにしたグラントゥーリズモ MC GT4は、1410kgと重量級のボディながらも、かなりの戦闘力を誇っています。かっこよさでも図抜けていますね。

項目 データ
排気量(L) 4.7
パワー(ps) 436
車重(kg) 1410
価格(万円) 不明

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Ekris M4 GT4

FIA-GT4_Ekris M4 GT4

画像の出典: ekrismotorsport.nl

こちらはEkris Motorsport社(Racing Team Hollandの母体)が独自開発したM4 GT4となります。BMW本体がM4 GT4の開発に乗り出した以上、今後は置き換えられていくことでしょう。

項目 データ
排気量(L) 3.0
パワー(ps) 436
車重(kg) 1380
価格(万円) 不明

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BMW M4 GT4

こちらはBMWワークスが製作したM4 GT4です。
カーボンボンネットやカーボンドアなど、ふんだんにカーボンパーツが使われており、かなり贅沢な作りとなっています。
ニュルブルクリンク24時間レースでも無事に完走を果たしており、今後の熟成が楽しみな1台です。

項目 データ
排気量(L) 3.0
パワー(ps) 425
車重(kg) 不明
価格(万円) 2254

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マクラーレン・570S GT4

FIA-GT4_マクラーレン570S GT4

画像の出典: motortrend.com

デビューしたばかりであるにも関わらず、ブリティッシュGTのスパ・フランコルシャン戦でポールポジションを獲得するなど、実力の片鱗を早くも見せています。

項目 データ
排気量(L) 3.8
パワー(ps) 不明
車重(kg) 不明
価格(万円) 2158.6

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AMG GT4

メルセデス・ベンツが2016年末に突如として発表したGT4レースカーが、AMG GT4です。
6.2L・V8NAを搭載するAMG GT3とは異なり、AMG GT4には4.0L・V8ツインターボが搭載されています。

項目 データ
排気量(L) 4.0
パワー(ps) 510
車重(kg) 不明
価格(万円) 2286.7

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アバルト 124 GT4



マツダ・ロードスターとシャシーを共有するアバルト・124スパイダーのGT4バージョンです。
まだ開発段階ですが、アグレッシブなエアロは他社製のGT4マシンと一線を画しています。

エンジンは市販車が積む1.4リッターターボではなく、アルファロメオ・4C1.75リッター・直列4気筒ガソリンターボに載せ替えられています。
排気量はやや小さめですが、2.0リッターのKTM XBOW GT4が成功しているので、軽量な車体を活かせば活躍できると思います。

項目 データ
排気量(L) 1.75
パワー(ps) 380
車重(kg) 不明
価格(万円) 不明
鋭いコーナリングを見せるアバルト 124 GT4。完成が楽しみだ。

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