テクノロジー・業界分析 批評

フォードが日本撤退……まだまだあるぞ撤退予備軍!

日本人が輸入車に求めているものとは

フォード_フォーカスRS_リア外観

フォードが日本からの撤退を発表しました。全ての事業分野から撤退し、ディーラーも閉鎖されるそうです。

米フォード、日本とインドネシア事業から今年撤退へ=内部文書 | ロイター

トップ画像の出典: netcarshow.com

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  1. フォードの日本市場における問題点
  2. フォードの年間販売台数@日本
  3. フォードに続く? 日本撤退予備軍はどのメーカー?
    1. アルファロメオ
    2. シトロエン
    3. アバルト
    4. スマート
    5. シボレー
  4. 日本人は輸入車に、日本車にはないものを求めている

フォードの日本市場における問題点

ヨーロッパ・フォードが開発したフィエスタやフォーカスは非常に評価の高い車ですが、日本だと「アメ車=燃費悪い」というイメージがあって、車の良さが伝わっていなかった感があります。

また、フォードの看板車種「マスタング」に左ハンドル仕様しか用意されないなど、やる気のないラインナップだったことも事実です。(フォードの日本公式ページでは右ハンドル仕様が"comming soon"となってますが、撤退が発表されたので導入はないでしょう。)

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フォードの年間販売台数@日本

2015年にフォードが日本で販売した台数は4968台。メルセデス・ベンツやBMWはその10倍前後の台数を日本で捌いていますから、はっきり言って少ないです。

フォードの年間販売台数@日本_推移
リーマン・ショック前のレベルに戻った矢先の撤退決定となった。

しかもフォードはメルセデスやBMWに比べて車両価格が安いですから、1台あたりの利益も当然少なくなります。

よってフォードの方が台数で上回っていなければおかしいのですが、コストパフォーマンスに優れたセグメントは日本車の独壇場ですから、低価格帯ではシェアを伸ばせません。一方、高価格帯はドイツ御三家の庭みたいなものですから、やはりシェアを奪えない。フォードの日本撤退は、上も下も他社に押さえられた結果なのです。

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フォードに続く? 日本撤退予備軍はどのメーカー?

日本市場において、フォードのような状況に追い込まれている外国メーカーはたくさんあります。昨年の日本における年間販売台数が5000台以下で、かつ高級車メーカーでないものをまとめてみました。データは2015年のものです。

アルファロメオ 年間販売台数2321台

アルファロメオ_MITO_フロント外観
アルファロメオ MITO

画像の出典: netcarshow.com

アルファロメオは本来高級車ブランドですが、現在の主力車種であるMiToやジュリエッタの価格帯はそれほど高くないため、表に入れました。

MiToやジュリエッタはVWやプジョーのGTIモデル、ルノーのルノースポールモデルとほぼ同じ価格帯&セグメントなので、日本車よりも他の輸入車と競合していると思われます。

アルファロメオは世界的にブランドの再構築をしている最中ですから、今後に期待したいところです。

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シトロエン 年間販売台数1979台

シトロエン_C4ピカソ_フロント外観
シトロエン C4ピカソ

画像の出典: netcarshow.com

筆者はシトロエンが日本で売れない理由を「デザインが奇抜だから」だと思い込んでいたのですが、トヨタのプリウスやシエンタはあの前衛的なデザインで売れているので、どうも思い違いだったようです。

昔からのシトロエンのファンは、「ハイドロニューマチックサスペンション」に代表されるような、シトロエンの技術面での個性を支持しています。

ところが最近のシトロエンは「ちょっとオシャレなだけの普通の車」を販売しているに過ぎません。C4ピカソやカクタスで導入された新しいデザインアーキテクチャは、(売れるかどうかは別として)シトロエンらしいと思いますが。

あらたに導入されたシトロエンの高級車ブランド「DS」シリーズも、見た目だけの車という印象です。高級車なのにリアサスがトーションビームというのは……。

DSブランド単体では14年比+1075.5%と大幅に伸びましたが、14年は86台しか売れてなかったので、あくまで参考記録でしょう。

シトロエンとDSの合計台数だと14年比で+20%ほどなので、C4ピカソやDS5の新車導入効果を考えれば、それほど大きな成長とはいえません。シトロエンとDSの間でカニバリゼーションが起きている可能性が高いです。

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アバルト 年間販売台数1472台

アバルト_695_フロント外観
アバルト 695ビポスト

画像の出典: netcarshow.com

台数が少ないので表に入っていますが、アバルトは前年比+413.5%と成長しているので撤退予備軍ではありません。ニッチなマーケットで確実にシェアを稼いでいます。

昨年フィアットが日本で販売した台数が6032台ですから、アバルトがいかに売れているかがわかります。フィアット500ベースのチューニングモデルのみで、年間1472台は立派です。利益率も高いでしょうし、しばらくは安泰なのではないでしょうか。

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スマート 年間販売台数1012台

スマート_forfour_サイド外観
スマート forfour

画像の出典: netcarshow.com

新型スマートは日本のコンパクトカーとガチンコの価格帯&コンセプトなので、販売台数では厳しいでしょうね。MINIやアバルトみたくニッチを狙った方が上手くいくと思うのですが……。

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シボレー 年間販売台数825台

シボレー_カマロ_フロント外観
シボレー カマロ

画像の出典: netcarshow.com

シボレーは撤退の可能性が高いと思います。シボレーの下はフェラーリやランボルギーニなどの超高級車ブランドしかなく、シボレーは低・中価格帯のブランドで最下位だからです。

ただ、GMは高級車ブランドのキャデラックがあり、昨年は837台売れていますから、完全撤退とはならないでしょう。撤退するならシボレーだけですね。

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日本人は輸入車に、日本車にはないものを求めている

日本市場で売れる輸入車は、日本車にない特徴を備えた車です

ルノーを例に取ると、日本における販売台数の半分が「カングー」で、あとは「ルノースポール」などのハイパフォーマンスモデルが占めており、ルーテシアやメガーヌのリーズナブルなグレードは大して売れていないそうです。

日本市場での販売がかなり偏っているのは事実だ。ルーテシアや「キャプチャー」の登場で少し流れが変わったとはいえ、今では多くの車種に設定されている「ルノー・スポール」や、本国では“働くクルマ”である「カングー」が一般ユーザーに売れている。一方で、本来はボリュームゾーンであるはずのメガーヌの量販グレードがあまり売れていない。

モデル末期ながら「ゼン」を追加したのは? | Car Watch

ルノー_カングー_サイド外観
ルノー カングー

画像の出典: netcarshow.com

日本市場で好調なドイツ御三家、MINI、ボルボなども、競合する日本車が少なく、個性の際立ったブランドばかりです。

外国メーカーは、日本市場において日本メーカーの売れ筋モデルに競合車をぶつけるよりも、日本車のカバーし切れていないニッチな市場でシェアを奪うべきです。

市場が成熟し消費者の嗜好が多様化するほど、ニッチな市場は増えていきます。なのでニッチな市場を狙った方が、最終的には日本市場における輸入車比率を引き上げることができるでしょう。

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