チューニングカーの祭典 SEMAショー2016まとめ
全米最大(そしておそらく世界最大)のチューニングカーショー「SEMAショー」が行われています。アメリカのショーだけあって、展示車両もBIG3の車両が主役のようですが、米国外メーカーの車両も工夫が凝らされていて面白いものがたくさんあります。そこで今回は2016年のSEMAショーで展示されたチューニングカーの中から、めぼしいものをまとめてみました。
シボレー
カマロターボ・AutoX・コンセプト
アメリカン・マッスルカーといえばV8エンジンでしたが、AutoXコンセプトは2.0L・直列4気筒ターボになっています。
しかしただのダウンサイジングコンセプトではありません。軽量な車体を活かしたハンドリングを武器とする、まったく新しいコンセプトのカマロなのです。
COPOカマロ
COPOとは「Central Office Production Order」の略です。シボレーのスペシャルオーダーシステムで、ドラッグレースで活躍するために必要な改造が施されています。
カマロはリアサスがマルチリンクですが、COPOカマロはスタート時の大トルクに耐えるべくソリッドアクスルに変更。エンジンは3種類ありますが、もっともハイパワーな「350 SuperCharged」は、588ppを発生します。ドラッグレース専用なので、ギアボックスは3速ATのみです。
フォード
今年のSEMAショーで最大勢力を誇るのがフォードです。なんでも50台も展示しているとか。その中から気になるものをピックアップしてみました。
ラウシュ P-51マスタング
ラウシュ・フェンウェイ・レーシングといえば、NASCARファンにはおなじみです。ラウシュ・パフォーマンスはそのチューニングブランドとなります。
P-51マスタングは、戦闘機P-51Dマスタングにインスパイアされたチューニングカーです。創業者のジャック・ラウシュ氏は飛行機好きで、古い戦闘機のメンテナンスなどを手がける「ラウシュ・アビエーション」という会社まで持っています。
ラウシュ製のP-51マスタングは、V8エンジンにイートン製スーパーチャージャーを組み合わせた、737psのモンスターマシンです。
ラウシュF-150ナイトメア
フォードのピックアップトラック「F-150」がベースです。5.0L・V8をイートン製のブロア式スーパーチャージャーで過給し、608psを獲得しています。ド迫力の22インチホイールはラウシュオリジナル。各パーツがブラックアウトされているからか、得も言われぬ威圧感がある車です。
Zero to 60 Design マスタングGTT
「Gran Turismo Tribute」の名を持つマスタングは、Zero to 60 Designがわずか6週間で作り上げたというのですから驚きです。
5.0L・V8は、ProCharger社のスーパーチャージャーで過給。Magnaflow製のデュアル・エキゾーストや、SCTパフォーマンスのECUなどと組み合わせることで、811psを叩き出すエンジンに仕上がっています。
サスペンションはアイバッハ、ブレーキはブレンボ、タイヤはピレリPゼロと、足回りもきっちり作り込まれているようです。
サン・カン フォード・マーヴェリック’72・エコブースト
ワイルドスピードシリーズでお馴染みのハリウッド俳優サン・カン氏は、筋金入りのエンスージアストです。彼の愛車「Fugu Z」は、以前に車知楽でも取り上げたことがあります。
そんなサン・カン氏が新たに考え出したのが、1972年製フォード・マーヴェリックに2.3Lのエコブーストを搭載するというものでした。
サン・カン氏によると、ブラジル仕様のマーヴェリックに4気筒0HCのモデルがあったらしく、4気筒のエコブーストを搭載したのはそのオマージュだそうです。こだわりが感じられますね。
エアロパーツはFugu Zにも使われていたロケットバニー。どうやらサン・カン氏のお気に入りのようです。ボンネットとトランクリッドはカーボン製で、軽量化にも余念がありません。
ダッジ
ダッジ・チャレンジャー’71・シェイクダウン・コンセプト
1971年当時のボディを、ワンオフで製作されたオリジナルシャシーに移したのがこの車です。エンジンはダッジ・バイパーの6.4L・V8 HEMIで、パワーは492ps、ギアボックスは6速MTとなっています。ブレーキはダッジ・チャレンジャー・ヘルキャットのものを流用、シートもダッジ・バイパーのものの流用品です。
ダッジ・デュランゴ・シェイカー
こちらもダッジのハイパフォーマンスカーから数々のパーツを流用したモデルです。エンジンはチャレンジャーSRTの6.4L・V8 HEMI(492ps)、シートはバイパーで、フロントバンパーのフォグランプはチャレンジャー・ヘルキャットのものが使われています。タイヤは4輪とも極太の305です。
トヨタ
ランドスピードクルーザー
ランドクルーザー200ではなく、ランドクルーザー220mph(=352km/h)とでも呼ぶべき「最高速仕様のランドクルーザー」です。
しかし背高なSUVボディは空気抵抗が大きく、生半可なパワーでは352km/hなど達成できません。そこで5.7L V8をツインターボ化し、2000ps!ものパワーを叩き出しています。
多分今年のSEMAショーで最高出力の車だと思いますが、それがSUVのランドクルーザーなのが痛快ですね。
LC500
SUPER GTマシンにインスパイアされたというこちらのLC500のV8には、排気量アップ(5.0L→5.6L)が施されています。シリンダーボアを94mmから99.5mmに拡大した効果は絶大で、478psから532psへと、実に54psものパワーアップに成功。レブリミットは9000rpmです。
22インチのHREホイール、ブレンボブレーキ、KWのサスペンション、ピレリPゼロNeroで足元もバッチリ。エアロキットも含め、使われているパーツは市販されるとのことです。
GT4586
プロドリフターのRyan Tuerck氏が制作したフェラーリ458のV8エンジン搭載の86です。エンジンヘッドが異常に高い位置にありますが、458のエンジンは背が高いのかもしれません。織戸学選手が制作したレクサスV8搭載の86は、エンジンがキレイに収まっていたので。
マツダ
スピードスター・エボリューション
ロードスターをベースに、フロントウィンドウ・スクリーンを省略し、スピードスタースタイルにした車です。
ブレンボ製軽量ブレーキや、車載バッテリーをリチウムイオン化などで軽量化を徹底し、車重は898kgにまでシェイプアップされています。軽量化とピュアなドライビングプレジャーという、ロードスターの本質を極限にまで突き詰めたモデルです。
スバル
コラゾン・WRX STI
コラゾンのワイドボディキットを装着したWRX STIです。ボディ全体に施された装飾が、圧倒的な存在感を醸し出しています。