ラーク・マクラーレンP1 GTR 最強JGTCマシンのカラーリングを再現!
マクラーレン・P1は、ハイブリッドのハイパーカーです。
P1 GTRは、P1をサーキット走行専用に変更したモデルですが、そのP1 GTRを公道走行可能な状態(つまりロードリーガル)に改造したマシンが、この度売りに出されました。
このロードリーガルなP1 GTRには、かつての全日本GT選手権(現・SUPER GT)で猛威をふるった「LARKマクラーレン・F1 GTR」のカラーリングが施されています。
今回はP1 GTRとF1 GTRという、2台のLARKマクラーレンについてまとめてみました。
LARKマクラーレン F1 GTRとは?
1996年の全日本GT選手権(JGTC)にチーム郷がエントリーさせたマシンです。
JGTC参戦は、当時マクラーレンの代表だったロン・デニスとの共同プロジェクトでした。
排気量6064ccのBMW製V型12気筒自然吸気エンジン「S70/2」は、本来ならば627psを誇りますが、JGTC・GT500クラスでは他車と揃えるために、32.1φ*2のリストリクター(吸気制限装置)によって約450psに抑えられていました。
さらにはカーボンブレーキの禁止や150kgのウェイトハンデなどが課せられましたが、フタを開けてみれば6戦4勝の圧倒的な戦績でシーズンを席巻。
見事チャンピオンに輝いたのです。
当時のJGTCは、「チューニングカー選手権」と呼ばれた初期から本格的なレースシリーズに脱皮を図っている最中でしたから、市販車の段階からカーボンモノコックで、しかもレーシングカーとしてワークスが開発したマクラーレンF1 GTRに対抗するのは難しかったのでしょう。
一発のスピードではスープラが、F1 GTRに度々肉薄していたんですけどね。
車重やパワーなどを見ると、当時のスープラとF1 GTRに大差は無いのですが、ツーリングカー然としたスープラに対し、F1 GTRはプロトタイプのような外観ですから、空力性能にかなりの差があったのだと思います。
そのF1 GTRが、ル・マンではさらにプロトタイプ然としたポルシェ・911GT1などに駆逐されていったのは、歴史の皮肉というより他ありません。
余談ですが、97年から童夢がJGTCに投入したNSX(96年のNSXはル・マンのGT2仕様だった)は、マクラーレン F1 GTRみたいな設計思想のマシンですよね。
カーボンを多用し、空力性能を重視したボディを纏ったミッドシップマシンというのは、GTカーがフォーミュラカーのような車に変貌していく先駆けだったと思います。
LARKマクラーレン P1 GTRとは?
JGTCを戦ったLARKマクラーレン F1 GTRは海を渡り、現在はイギリスの有名なコレクターが所有しているようです。
このP1 GTRは、そのJGTCマシンを模倣して作られました。
P1 GTRはサーキット専用車両ですが、ハイブリッドシステムは活かされています。
3.8リッター・V8ツインターボとモーターの出力を合わせた合計は1000psという驚異的なものです。
LARKマクラーレンP1 GTRはLanzante Motorsportの手によって、公道走行可能な仕様に変更されています。
しかしこの個体は、わずか1371kmしか走っていません。
ほぼ新車といってもよいコンディションです。
P1 GTRは新車でも3億4000万円もしたので、LARKカラーに彩られたこの個体には、途方も無い値段がつくことでしょう。
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