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NASCARはドナルド・トランプ支持?

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ドナルド・トランプ

トランプ支持に隠された狙い

NASCARのチェアマンであるブライアン・フランス氏が、ドナルド・トランプへの支持を表明したことが、ちょっとした騒動になっています。

フランス氏は「個人的に支持を表明しただけ」だと弁解していますが、トランプ候補の演説会にビル・エリオットやライアン・ニューマン、デイビッド・レーガンらを引き連れて行ったわけですから、「個人的」と主張するのは無理があります。

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目次
  1. NASCARは共和党を支持してきた
  2. なぜトランプ支持は問題なのか?
  3. ブライアン・フランスが背負ったリスク
  4. ブライアン・フランスの狙いは?

NASCARは共和党を支持してきた

NASCAR中継をよくご覧になられる方なら、サーキットを訪れた共和党の大統領候補の姿を見たことがあるかもしれません。なんでもロナルド・レーガン氏の頃からの通例だとか。

ストックカー・レースは南部の文化なので、共和党が強い地域と重なっているのでしょう。チームオーナーやドライバーたちから支持を取り付ければ、当然NASCARファンからの好感度もアップしますし、ひいては得票につながるわけです。

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なぜトランプ支持は問題なのか

ドナルド・トランプ氏は現在共和党の候補者指名争いで大幅なリードを築いており、このままいけば共和党の大統領候補になるのは確実です。

トランプの主張

トランプ氏は既存の政治家をこき下ろし、「政治にビジネスのやり方を持ち込むべきだ」と主張、ビジネスで成功した自分だからこそそれができるとアピールしています。

彼の政策としては「不法移民を追い返す」「メキシコ国境に万里の長城みたいなフェンスを作る」「メキシコや日本、韓国、中国に奪われた雇用を取り戻す」「日本や韓国には駐留軍費用をもっと支払わせる」などが主なところです。アメリカの国益を絶対に譲らない姿勢が、支持者の目には強いリーダーの姿として映っているのでしょう。

トランプの問題点

イラク戦争後のアメリカは、「人権尊重」「国際協調」「自由貿易」の取り組みを推進してきました。イスラム過激派の脅威や、中国の経済的・軍事的な台頭、新興国の経済成長といった国際的な変化に対応し、国際秩序を安定化させるための取り組みでした

トランプ氏の主張は、これらの取り組みを全てご破算にするものです。アメリカが自国の国益のみを追求し、倫理的・軍事的・経済的な国際連携をやめてしまえば、イスラム過激派は勢力を拡大するでしょうし、中国も野心をむき出しにするでしょう。そして新興国は最大の買い手であるアメリカとの貿易が不調になって、経済成長の機会を失うのです。

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ブライアン・フランスが背負ったリスク

フランス氏が誰を支持しようと、それはフランス氏の自由です。しかしNASCARとしては困ったことになります。スポンサーにとって、トランプ候補は都合の悪い人物だからです。

企業からすると、移民反対はありえない。

NASCARのチーム運営に、スポンサーマネーは欠かせません。チームが1台の車を1年間走らせるのに必要なコストは2000万ドルといわれており、レースの賞金だけではとても賄いきれないのです。

スポンサー企業の中には、移民の労働力が無ければ立ち行かない会社も多いはず。なのに移民反対派のトランプ候補をNASCARの代表に支持されたのでは、スポンサー企業がそれに賛同しているかのように見られてしまいます。

グローバル企業は自由貿易推進派

NASCARのスポンサーには、グローバル企業も数多く存在します。参戦しているGM、フォード、トヨタの3社は、その典型例です。

自由貿易を反対されて最も困るのは、グローバル企業です。トランプ候補はTPPに反対して「アメリカに雇用を取り戻す」といいますが、代わりにアメリカのグローバル企業は利益を失うだけです。

グローバル企業からすると、トランプ候補を支持するなんてとんでもないことでしょう。

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ブライアン・フランスの狙いは?

NASCARのスポンサー戦略上は、フランス氏がトランプ支持に回る理由はなさそうです。ですがNASCARのファン層がトランプ支持で、それに媚びたという可能性もあります。

NASCARファンの白人比率

NASCARファンの5人に1人はマイノリティです。つまりファンの8割は白人ということになります。

2010年のアメリカの国勢調査によると、全人口における白人の比率は72.4%とのことですから、NASCARファンの白人比率は全米の人種構成と比較しても高いのです。

NASCARファンの年収

かつてNASCARには、貧乏白人の娯楽というイメージがありました。しかし現在のデータを見ると、NASCARファンの54%が、年収$50,000以上の層に属しています。

2014年の調査によると、アメリカ男性の所得の中央値は$53,000でした。つまりNASCARファンは、アメリカ人としては比較的裕福な人たちが多数派を占めているのです。

低所得層がトランプ候補を支持していると思われがちですが、ギャラップ社の調査によると、トランプ支持者がもっとも多いのは年収$60,000〜$90,000の層だといいます。NASCARファンの多数派と一致してますね。

NASCARファンの年齢

NASCARファンを年齢層別に見ると、35歳〜65歳までの層で、全体の58%を占めています。こちらもトランプの支持者とほぼ同じ重なります。

NASCAR人気が高い地域

NASCARは南部で圧倒的な人気を誇っています。もともと南部の文化ですから、当たり前といえば当たり前ですが。

一方、トランプ候補の支持は中西部と西部で弱いです。スーパー・チューズデーで勝利した州も、ほとんどが東部と南部の州でした。

大博打

NASCARのファン層は、あらゆる点でトランプ候補の支持層とほぼ重なっています逆に言うとNASCARから支持されたとしても、トランプ候補が新たに得るものは多くありません。すでに支持層なのですから。

しかしNASCAR側は違います。NASCARがトランプ支持を打ち出せば、トランプ候補を支持する白人層に強くアピールできます。しかも他のスポーツ団体はトランプ批判はしても支持などしませんから、NASCARだけが利益を得られるのです。

近年、NASCAR人気は低落傾向にあり、視聴率も下がり続けています。ブライアン・フランスの狙いはトランプ旋風に便乗することで、NASCARから離れていった白人ファンを取り戻すことにあるのかもしれません。

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