不正・不祥事 批評

VW排ガス不正の最新動向 完全な修理は難しい模様

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2016/09/02

VW_暗雲

刑事事件の捜査と賠償請求も拡大の動き

カリフォルニア州の議会公聴会で、VWと規制当局の交渉の現状が明らかになりました。

ロイターによると、VWが不正なディーゼルエンジンの完全な修理を行うのは難しい状況のようです。

ここ最近の欧州での捜査や訴訟の動き、VWとドイツ側の対応もまとめてみました。

トップ画像の素材: car-brand-names.com, NORIO NAKAYAMA via flickr

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目次
  1. 不正ディーゼルの修正は不可能?
  2. 税法違反の疑いも浮上
  3. 欧州で高まる検察と賠償請求の圧力
  4. VW側の言い分と、ドイツ政府のアシスト

不正ディーゼルの修正は不可能?

カリフォルニア州の大気資源委員会(CARB)はVW側とこれまで交渉を続けてきましたが、CARBの執行部門のボスであるトッド・サックス氏は、不正ディーゼルの完全な修正は難しいとの見通しを明らかにしました。

「部分修理」案でも実現は困難

「我々の目標は、迅速に不正車両を公認された状態に戻すことにあった」立法公聴会でサックス氏は語りました。「けれどそれは無理かもしれない」

サックス氏によると、現在のところVWと規制当局に歩み寄りはないそうです。双方がディーゼル排出ガス規制に近づけるべく「部分修理」で合意したとしても、VWは事の重大さに直面します。部分修理だと、同社はこれまで販売した不正車両からの継続的な汚染のために、お金を払い続ける必要が出てくるからです。

VWと規制当局が合意に達しなかった場合には、CARBは訴訟を起こし、判断を裁判所に委ねるとしています。

刻々と迫る期限

VWに2.0L TDIの十分な修正を行わせるべく地方裁判所判事のチャールズ・ブライヤー氏が設定した期限は、3月24日です。

しかしVWのブランドチェアマンであるヘルベルト・ディース氏は「修正は多分遅れるだろう。VWが何かを提示するとしても、それは数カ月後かもしれない」とほのめかしています。ブライヤー氏は、VWが期限を守れなかった場合の対応を明らかにしていません。

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税法違反の疑いも浮上

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米司法省はVWに対し、金融機関改革救済執行法に基づく召喚状を送付したとのことです。

この法律は民間金融機関の不正行為を想定したもので、リーマン・ショック当時にオバマ政権が大手銀行から数十億ドルの和解金を支払わせる根拠となりました。

金融機関以外への適用事例は今のところありませんが、米司法省はVWの税法違反を視野に入れているようです。VWが新たな罰金を課せられる可能性が出てきました

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欧州で高まる検察と賠償請求の圧力

仏独検察の動き

日本経済新聞は、フランスの検察当局がVWを詐欺容疑で捜査すると報じています。VWが意図的に消費者をだました疑いが強まったためだそうです。

また、VWを捜査中のドイツ検察当局は、捜査対象のVW従業員が6人から17人に拡大したことを明らかにしています。ただし捜査対象者にVWの幹部は含まれていないとのことです。

保険会社も賠償請求を検討

ドイツの保険大手アリアンツの運用子会社が、保有するVW株の急落で損失を被ったとして、賠償請求を検討しているようです。

個人投資家はすでに賠償請求の動きを見せていましたが、大手保険会社までもが訴訟を起こすとなると、火の手が一気に拡大する可能性もあります。

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VW側の言い分と、ドイツ政府のアシスト

前CEOの疑惑

VWのウィンターコルンCEO(当時)が、2014年の段階で不正の存在を知らされていたことについては、既に報じられています。VW側は株主訴訟に対応する声明の中で、事の詳細を明らかにしました。

既報では2014年5月のメール(米国の研究者からのレポート)で知らされたのみで、大量のメールにまぎれて前CEOに届いたかは不明だとされてきました。

しかし実際には2014年11月にも、ディーゼル車の修理コストに関するメモを受け取っていたというのです。そしてこのメモにあったディーゼル車は、排ガス不正が指摘されている車種でした。

しかも2015年7月には、前CEOはディーゼル車の排ガス問題が話し合われた会合にも参加していたといいます。

ただし前CEOが、不正を認識していたかどうかは不明のままです。最初のメールは見逃された可能性があります。修理コストの原因が不正によるものだと、メモには書かれていなかったかもしれません。会合でも、不正に関する報告があったかどうかはわかりません。

なぜ公表が遅れたのか?

VWは2015年の9月3日に、米当局に対し排ガス不正を認めました。しかし公表されたのは9月18日です。「空白の15日」は、なぜ生じたのでしょう?

ロイターが入手した資料によると、「問題に絡むコストを抑制しようと、米当局との合意を模索した」ために「発表が遅れた」というのが、VW担当弁護士の主張だそうです。よって「法令違反を隠ぺいする意図はなかった」としています。

ドイツ政府のアシスト

ドイツ政府が電気自動車に補助金を出すと報じられています。

補助金の総額は10年間で13億ユーロで、1台あたり5千ユーロが支払われるそうです。総額には充電スタンドの設置費用や、バッテリー研究開発の補助金も含まれているとのこと。

排ガス不正の発覚以降、VWは電気自動車開発に力を入れています。ドイツ政府による電気自動車への補助金は、形を変えたVW支援に他なりません

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最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の記事もぜひご覧ください。

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