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マツダが直列6気筒エンジンを新開発! 勝算はあるのか!?

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マツダ アテンザ

マツダが新たに直列6気筒エンジンを開発します。
「Largeアーキテクチャー」として、直6と縦置きアーキテクチャー、そして48VマイルドハイブリッドとPHEVを開発するという、中期経営方針を公開しました。
そしてこの直6エンジンには、SKYACTIV-X技術が用いられるそうです。

しかし世の自動車メーカーの大半は、EVやPHEVといった、パワートレインの電化に力を注いでいます。
このご時世に直6エンジンを新規開発するマツダに、果たして勝算はあるのでしょうか。
今回はその点についても考えてみます。


マツダ SKYACTIV-X ストレート6

SKYACTIV-Xとは?

SKYACTIV-Xエンジン

マツダが開発したSKYACTIV-Xは、SPCCIと呼ばれる燃焼方式を持つガソリンエンジンです。
SPCCIは、HCCIの派生形といえます。

HCCIは予混合圧縮着火のことです。
ガソリンエンジンでありながら、ディーゼルエンジンのように圧縮着火させることで、低燃費とクリーンな排気を両立します。

ただしHCCIはノッキング(勝手に着火してしまう現象のこと)が起きやすく、低温燃焼を実現できる運転領域(=NOxが発生しない領域)も狭かったため実用化には至っていませんでした。

SKYACTIV-Xはプラグによる火花着火を併用することで、HCCIの弱点を克服しました。
SKYACTIV-Xについて、詳しくは以下のリンク先をご覧ください。

マツダ次期アクセラにHCCI = SKYACTIV-X搭載で超低燃費を実現! | 車知楽

直列6気筒を導入するマツダの勝算

BMW Z4の直6エンジン

基本的に直6エンジンは、高級車向きといえます。
振動が無くスムーズですし、パワーも出しやすいからです。
ただし横置きは現実的ではないため、縦置きに搭載することになります。

マツダは以前からアテンザのFR化を計画していると言われており、直6はFRアテンザに搭載されるはずです。

なぜ今になって直6なのか?

マツダの丸本明社長は、「成果の出ていない市場の特徴のひとつとして、上級エンジンモデルの投入など、多様化するお客様への要求や、市場の変化への対応が不十分であったことがひとつの要因」であると述べています。

確かに高級車の直4搭載モデルというのは、他メーカーだとエントリーグレードに該当するのが普通です。
アテンザなどの商品力を高めるためにも、直6の搭載は不可避なのでしょう。

市場とライバルメーカーへの対応

中・小型車は日本車の十八番でも、それらのプレミアム・セグメントとなると話は別です。
特に欧州の高級車ブランドはここ10~15年ほどの間に、中・小型車のプレミアム・セグメントに数多くの新型車を導入してきました。

マツダ車はそれらと直接競合する価格帯にはありませんが、高級車ブランドと比較しても十分に魅力的であり、価格面でもお得だと消費者に感じてもらうためには、同様の選択肢を提示しなければなりません。
ベンツやBMWはFRの直6なのに、マツダはFFの直4だけというのでは、そもそも比較対象にならないのです。

SKYACTIV-Xのモジュラーエンジン化

マツダ アクセラ

もう一つ考えられる理由としては、モジュラーエンジン化が挙げられます。
モジュラーエンジンとは、気筒数の異なるエンジンの間で、基本的な部分(シリンダーピッチなど)を共通化して、コストダウンを図ったものです。
最近では、ターボや可変バルタイなどの周辺技術も共通化されています。

直6は前後長が長いためスペース効率が悪く、一時は絶滅しかけていました。
しかしメルセデス・ベンツやBMWなどは、直3・直4とのモジュラーエンジン化により、直6の存在意義を復活させたのです。

SKYACTIV-Xは現在のところ直4のみですが、これを直6に拡大すれば、大きくコストダウンすることが可能でしょう。
また、燃費の悪い中・大型車の市場でこそ、SKYACTIV-Xの燃費性能が際立つはずです。
SKYACTIV-Xの直6を、48VマイルドハイブリッドやPHEVと組み合わせれば、クラストップレベルの燃費性能を実現できると思います。

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