デイリーF1ニュース(2017年12月22日) F1の観客増は水増しされていた!?

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最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース
本日のヘッドラインは以下のとおりです。

  • F1の観客増は水増しされていた!?
  • マグヌッセン「より格差が小さい方が良い」
  • アッセンがオランダGP開催地に名乗り

それではご覧ください。


F1の観客増は水増しされていた!?

以前デイリーF1ニュースでも、2017年のF1の観客動員数が前年比で8%増加したという情報をお伝えしたのですが、訂正しなければならなくなりました。
F1が発表した数字に、誤りがあったことが発覚したからです。

F1が引用した観客動員数は、計算ミスがあっただけでなく、多くのレース主催者の発表と矛盾していました。
F1はアメリカのナスダック証券取引所に上場しているため、F1の商業面を統括するショーン・ブラッチス名義で発表されたリリースに書かれた数字が間違っていたのは問題です。

たとえばアゼルバイジャンGPの観客動員数は、F1側の発表によると30,000人(2016年)から71,450人(2017年)となり、58.01%も増えたことになっています。
しかし主催者側の発表では、55,032人(2016年)から71,541人(2017年)に増えたことになっており、増加率は30%に過ぎません。

アブダビGPでは、主催者が今年の観客動員数を145,000人と発表しているにもかかわらず、F1は195,000人と主張しています。
ブラジルGPも主催者が発表した観客動員数は112,730人でしたが、F1は141,218人だと言い張っているのです。

このような数字の乖離が生じる理由は不明ですが、主催者側はチケットの販売枚数のみで観客動員数を算出しているのに対し、F1側はスポンサーのゲストやチャリティーで来場した人も含まれているからだという推測もあります。
でもゲストやチャリティーで数万人も来るとはとても思えません。

結局、どちらの数字が正しいのかは不明のままです。
しかしビジネスジャーナリストのクリスチャン・シルトは、今年の増加率は前年比+4.4%だったと推測しています。
F1の発表した8%という増加率からはかけ離れていますね。

ちなみに2015年から2016年にかけては、観客動員数が6.3%も増加しています。
今年は新規定のマシンが導入され、チャンピオン争いも盛り上がるなど、話題の多い1年だったにもかかわらず、観客動員数が前年比で+4.4%しか伸びなかったとすれば、リバティ・メディアの経営初年度は失敗に終わったということになるのではないでしょうか。

Source: F1 revises attendance data following “systematic error" | pitpass.com

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マグヌッセン「より格差が小さい方が良い」

ハースケビン・マグヌッセンは、上位チームとそれ以外との格差に不満があるようです。

「とてもイライラしている」とマグヌッセン。「F1が変わるのを見たいね」

「もちろんベストなチームや大きなチームもあるだろう。彼らの内のひとつは頻繁に優勝し、チャンピオンシップを獲得すると思う」

「しかし(上位チームとの差が)中堅チームや小さなチームのようにもう少し近ければ、そちらの方が良いだろう。グランプリではもう少し近づくことができるようにする必要がある」

「今日、素晴らしいレースをすることができて、トラック上でも最高、自分としても最高のパフォーマンスを発揮しても、どのみち8番手だ。たとえチームが出来得る限りの最高の仕事をしたとしてもね」

「勝つことができる車を持っていないにしろ、もう少し(トップから)近いところで走りたい」

各マシンの性能をレギュレーションで制限して近づけすぎると、技術競争が失われてしまいますし、逆ならスポーツではなくなってしまいます。
なので技術競争とスポーツの両方を成立させるには、勝てるマシンをどのチームでも買えるようにするしかありません。
F1の黎明期にはマシンを自由に売買できたのに、今はなぜかFIAが反対するんですよね。

もちろんレースオペレーションでチームごとの実力差が出ますから、勝てるマシンを販売したところで、格差を完全には無くせません。
それでもインディカーのように、ジャイアントキリングがたまに発生するくらいの差まで縮まると思います。

Source: Kevin Magnussen: F1 needs to be more competitive with more teams fighting at front | thenational.ae

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アッセンがオランダGP開催地に名乗り

マックス・フェルスタッペンの大活躍でF1ブームが巻き起こっているオランダでは、GP復活の機運が高まっています。

リバティ・メディアの思惑もあり、当初はアムステルダムやロッテルダムでのストリートレースが検討されていたのですが、環境団体などの反対もあり、実現するのはちょっと難しそうです。

そこでパーマネントコースでの開催が検討されています。
かつてF1を開催していたザントフォールトが第1の候補地ですが、2輪ロードレースでおなじみのアッセンも名乗りを上げています。

「F1を開催する準備は、100%整っています」と語るのは、アッセンサーキットの代表であるArjan Bosです。

「もちろん私は、ザントフォールトの成功を願っていますよ。でもザントフォールトのオーナーが、どれほどのリスクを取っているかは想像できますから」

「しかしアッセンは、ザントフォールトを遥かに上回っています」

ドイツツーリングカー選手権(DTM)ではザントフォールトが使われていますが、オーバーテイクがほとんど起こらないんですよね。
オーバーテイクポイントが1コーナーのブレーキングだけなので、DRSを作動させてもブロックされて終わりという光景が繰り返されてしまうのです。
コースレイアウト的にはアッセンの方がまだオーバーテイクの可能性があるかな、と思います。

Source: Assen circuit in contention for Dutch GP return | en.f1i.com

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