日産のカルロス・ゴーン会長逮捕 事件の一連の流れまとめ

不正・不祥事,批評

日産カルロス・ゴーン会長が、東京地検特捜部に逮捕されました。
容疑は金融商品取引法違反ですが、横領もあったのではないかという情報も流れています。

今回はゴーン会長逮捕にまつわる、一連の流れをまとめてみました。


カルロス・ゴーン日産会長の逮捕について

容疑の内容

カルロス・ゴーン氏は、虚偽の報酬額を有価証券取引書に記載していたということで、金融商品取引法違反の容疑で逮捕されました。
ゴーン氏は2011年3月~2015年3月までの役員報酬額を、計49億8700万円と記載していましたが、実際には99億8000万円でした。
50億円も過少申告していたのです。

別の疑惑も……

また、日経新聞は、ゴーン氏がベンチャー投資を装って海外子会社を作り、日産の資金で高級住宅を購入させていたと報じています。

子会社は2010年頃に、オランダに設立されました。
この会社の資本金約60億円は、日産が全額出資したそうです。
ベンチャー投資が目的と社内には説明されていたものの、実際にはブラジル・リオデジャネイロの高級マンションや、レバノン・ベイルートの高級住宅が購入され、ゴーン氏に無償で提供されていました。
維持費や改装費も日産が負担していたそうで、それらの総額は20億円を超えるそうです。

ゴーン氏と共に逮捕された日産の代表取締役であるグレッグ・ケリー容疑者が、一連の取引を主導したと見られています。
現代ビジネスによると、ケリー氏は代表取締役であるにもかかわらず勤務実態が無く、海外で牧場経営に勤しんでいたようです。
ケリー氏は元弁護士であるため、法律に関する知識を悪用して、ゴーン氏に不正に関するアドバイスを行っていたのでしょう。

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逮捕に至るまでの経緯

会見を行った日産の西川廣人CEOによると、内部通報をきっかけに社内調査が始まったそうです。
社内調査には、検察当局も協力していました。

東京地検特捜部は、国内で2例目となる司法取引制度を適用し、関係者から情報を得ていたようです。
日産社内の協力者は、捜査協力の見返りとして、刑事処分を軽減する合意をしていると言われています。

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なぜ不正が起こったのか?

会見で西川CEOは、「43%の株を持っているルノーのトップが日産のトップをも兼任していることは、あまりにもガバナンス上、1人に権力が集中しすぎる」と述べています。
本来、経営陣は株主の監視を受けますが、大株主であるルノーのトップがそのまま日産のトップでもあるわけですから、誰からも監視されていない、やりたい放題の状態だったと考えられます。

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ゴーン氏逮捕の影響

欧州株式市場では、カルロス・ゴーン日産会長逮捕の一報を受け、ルノー株は一時15%も下落しました。

また、フランスのマクロン大統領は「政府はルノーの株主でもあるので、日産とルノーの提携関係の安定にどのような影響が出るか注視したい」と語っています。

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ゴーン氏の今後

日産の西川廣人CEOは、11月22日の取締役会において、逮捕されたカルロス・ゴーン会長の解任を提案する考えであることを明らかにしました。
日産の取締役会は現在9名で構成されていますが、ゴーン派5名、西川派4名という構成だったようなので、ゴーン派の2名が逮捕された今となっては、西川COOの提案が否決される可能性はほぼありません。
ゴーン氏はこのまま会長の任を解かれるでしょう。

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