新型GT-Rはいつ出るのか?
フルモデルチェンジの時期はとっくに過ぎてる
R35GT-Rが発売されたのは2007年12月。よってもうすぐ9年目に突入します。
ハイパフォーマンスカーのモデルサイクルが長かったのは今や昔。現在では顧客に飽きられないよう、頻繁にフルモデルチェンジするのが当たり前になっています。ポルシェ911やV8フェラーリは、およそ6〜7年毎に刷新されるのが近年の通例です。
トップ画像の出典: By Morio (photo taken by Morio) [GFDL or CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
目次
新型GT-Rは2020年まで出ない?
オーストラリア日産のマネジメントダイレクターによると、2019年になっても新型GT-Rを見ることは無いだろうと発言したとのことです。
Next Nissan GT-R could be delayed until 2020
オーストラリア日産がGT-Rの開発に携わっているわけではないと思うので、発言の信憑性には疑問符がつきます。
しかしR35の開発には3年以上の期間を要し、開発期間中にニュルブルクリンクで度々目撃されていたことを考えると、新型GT-Rが2019年までには発表されないというコメントには、一定の説得力があります。
次期GT-Rが出たとしても……
次期GT-Rはハイブリッドになるとの噂です。だとすると新型NSXみたいで、新鮮味に欠けますね。
しかしハイブリッドになったところで、販売台数が伸びることはないでしょう。ハイパフォーマンスカーを売るために最も重要なことはブランド力であって、燃費ではないからです。
R35GT-Rは「ポルシェよりも安くて速い」をアピールし、一定の地位を築いたかに見えました。しかし販売面では苦戦が続いています。
石ころをご神体に変える力=ブランド力
実用性の無い車を売るためには、数値ではなく感情に訴えなければなりません。家電製品を売るようなやり方ではなく、宝石や絵画を売るやり方でアピールしなければならないのです。
ブランド力は、実用性の無いものに意義を持たせるための「魔法の力」といえます。フェラーリやポルシェはモータースポーツにおいていくつもの伝説を生み出したことで、使い勝手の悪いスポーツカーに特別な意義を付与することに成功しました。
ブランド力を得るための投資の効果は数字に現れにくいため、一見するとムダなように思われがちです。日本でも景気が悪くなると「リストラするならまずレースを止めろ!」としたり顔で説教する人々が現れます。しかしフェラーリやポルシェと同じ舞台で戦うことにはブランド戦略上大きな意義があり、おいそれと止めるわけにはいかないのです。
GT-Rは「最速の家電製品」でしかなく、よってブランド力が無い。
日産GT-Rには、残念ながらブランド力がありません。第1回日本GPでプリンス・スカイラインGTがポルシェ904の前を走ったことや、ハコスカGT-Rの50連勝などは、日本のレース史においては燦然と輝く記憶・記録ですが、国際的な訴求力はないでしょう。
つまりGT-Rのブランドは、ガラパゴスなものなのです。それを国際的に拡大するには、海外のレースで勝つとか、世界を驚かせるような記録を作るとか、デザインやパフォーマンスの面で飛び抜けた独自性を発揮するなどの努力を、長期間に渡って継続しなければなりません。ムダ金を使い続ける必要があるのです。
しかしFFのレーシングカーに「GT-R」の名前を付け、ル・マンに挑み惨敗するなどという失態を晒しているようでは、今後もGT-Rの販売が上向くことはないでしょう。筆者個人としては、次期GT-Rは出ない可能性が高いと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の記事もぜひご覧ください。