デイリーF1ニュース(2017年5月9日号) 2017年の分配金額はフェラーリがトップ 他
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- 2017年の分配金額はフェラーリがトップ
- ウェバー「バトンはモナコで現実に直面する」
- アビテブール「F1の新規参入には障壁がある」
- ベルガー、甥っ子のF1参戦に期待
それではご覧ください。
2017年の分配金額はフェラーリがトップ
2016年の成績に基づき、2017年の分配金額が決定しました。
しかし分配金額トップはコンストラクターズ3位のフェラーリで、やや不平等感のある配分となっています。
チーム名 | 分配金額 | (内LST) | (内CCB) |
---|---|---|---|
フェラーリ | 180 | (68) | (35) |
メルセデス | 171 | – | (39) |
レッドブル | 161 | – | (39) |
マクラーレン | 97 | – | (30) |
ウィリアムズ | 79 | – | – |
F.インディア | 72 | – | – |
トロロッソ | 59 | – | – |
ルノー | 52 | – | – |
ザウバー | 49 | – | – |
ハース | 19 | – | – |
数値の単位は100万ドル
なぜこんな配分になるのでしょう? それは分配金額を決定するコンコルド協定に、長期に渡り参戦したことに対する報酬であるロング・スタンディング・チーム(LST)という項目や、コンストラクターズ・チャンピオンシップ・ボーナス(CCB)という項目が設けられているためです。
CCBはメルセデス、フェラーリ、レッドブル、マクラーレンの4チームが対象となっていますが、LSTはフェラーリだけが対象で、その分だけフェラーリに有利な契約となっています。
このように不平等な配分になったのは、コンコルド協定が締結される度に、F1とチーム側の政治的駆け引きが繰り返された結果です。
とくにフェラーリにF1に与える巨大な影響力を利用し、交渉の度に有利な契約を勝ち取ってきました。
リバティ・メディアはこのような不平等な構造を是正しようとしていますが、上手くいくかどうかは不透明です。自動車メーカーは「F1撤退」をチラつかせて交渉するので、F1=リバティは強気に出られないでしょう。
リバティが交渉で優位に立つには、新規に自動車メーカーが参戦しやすい環境を整え、メルセデスやフェラーリへの依存度を下げる必要がありますが、数百億円というコストのかかるF1に参戦するのは、自動車メーカーにとって大きなリスクです。改革は容易ではないでしょう。
Source: Formula 1 team payments for 2017 revealed | autosport.com
ウェバー「バトンはモナコで現実に直面する」
フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)のインディ500参戦に伴い、ジェンソン・バトンがF1に復帰しますが、元F1ドライバーのマーク・ウェバー氏は、バトンが復帰戦で現実に直面すると考えているようです。
「物語にはならない」とウェバー氏。「彼はコースに出て、フリープラクティス1では燃圧問題を抱え、予選は17番手で、決勝では12周でリタイアする。誰も気にしない」
「ジェンソンはワールドチャンピオンで、彼はモナコで勝ったこともある。彼がレースに勝てれば物語にもなるが、ポイントを獲得できればラッキーといったところだろう」
ウェバー氏によると、バトンは『トライアスロンのためにアメリカに留まりたい。バーレーンでテストしたいとは思わない』と語っていたそうで、ウェバー氏はそのことに驚いたと言います。
ただ、今季のマクラーレン・ホンダの成績からすると結果など期待できませんし、1戦かぎりの代役ですから、バトンが復帰を気楽に考えているのも無理はないでしょう。
むしろこういったバトンの姿勢を咎めるべきなのは、開発を進展させなければならないマクラーレンやホンダ側です。モナコGPのフリープラクティスは貴重なテスト走行の機会であり、バトンの勘を取り戻すために浪費してよいものではないのですから。
Source: “Who cares?" – Webber calls Button’s Monaco return a 'non story’ | crash.net
アビテブール「F1の新規参入には障壁がある」
ルノーのマネージング・ディレクターであるシリル・アビテブール氏は、ストラテジー・グループの席を確保したいと考えています。
ストラテジー・グループとは、F1チームが参加する話し合いの場で、現在はザウバー、トロロッソ、ハース、そしてルノー以外のチームが出席しています。
ワークスチームのルノーが、ストラテジー・グループに参加していないのは奇妙に思えますが、その理由はストラテジー・グループが設立された際に、ルノーがF1に参戦していなかったという単純なもののようです。
F1に後から参入したチームには、さまざまな障壁があります。ストラテジー・グループへの参加権もその1つです。
「このスポーツは、一定の公平性が保たれています」とアビテブール氏。「私が言いたいのは、現在のコンコルド協定の構造が、必ずしも適切な条件でのニューカマーの受け入れを許可していないということです」
「たとえばメルセデスが今日から参加するのであれば、過去何年にもわたって成功した実績があっても、5年後の今と同様のポジションに居られるとは確信できません」
同じような努力をしても、新規参入組は障壁のせいで同様の結果とはならないと訴えるアビテブール氏。リバティ・メディアを巻き込んで、F1界の既得権との争いは今後も続くでしょう。
Source: Renault has to perform on track to earn respect – Abiteboul | motorsport.com
ベルガー、甥っ子のF1参戦に期待
ドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦中のルーカス・アウアーは、かつてフェラーリやマクラーレン・ホンダで活躍したゲルハルト・ベルガー氏の甥っ子です。
そのアウアーは、先日行われたDTM開幕戦のホッケンハイム・レース1で見事に勝利。最高の形で2017シーズンのスタートを切りました。
「新しいオーストリア人のF1スターを迎える時だ」とベルガー氏。「そう長く待たなくてもいいと思う。DTMで一貫したトップパフォーマンスでシーズンを過ごせば、彼はチャンスを得るだろう」
アウアーにとって好都合なのは、同じオーストリア人のトト・ウォルフが、メルセデスF1のボスであることです。
「走る前には、まず歩くことを学ばなければ」と、ウォルフ氏は過度な期待をたしなめていますが、「彼は次なるステップを踏むべきで、F1への飛躍を信じている」とも語り、期待をにじませています。
Source: Gerhard Berger tips nephew for F1 seat | en.f1i.com
前日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年5月8日号)| 車知楽
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デイリーF1ニュース(2017年5月10日号)| 車知楽
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