フォードがヨーロッパでの大規模な人員削減を発表
フォードが、ドイツとイギリスで人員削減を計画しています。
ドイツでは5,000人もの雇用が失われることになりそうです。
今回はフォードのリストラ計画についてお伝えします。
フォードのリストラ計画
リストラの目的
フォードがヨーロッパで人員削減を行うのは、コストカットのためです。
同社は今後3~5年で、税引前利益を1,100万ドル増やそうとしています。
その最大の障害と言えるのが、ヨーロッパでの事業です。
フォードはヨーロッパ事業で大きな赤字を抱えています。
2018年の第3四半期には、ヨーロッパ事業で2億4500万ユーロもの損失が発生していました。
利益率を改善するには、収益性の低いラインナップを整理しなければなりません。
具体的にはMPV(マルチパーパスビークル。ミニバンなどが該当)を商品ラインナップから削除し、SUVにシフトするようです。
ドイツで製造しているMPVのC-MAXおよびGrand C-Maxは生産終了となり、フランス・ボルドーのギアボックス工場も閉鎖されます。
イギリスでも人員が削減されるようです。
これらの施策により、フォードはヨーロッパで6%の利益率を達成しようとしています。
自動車メーカーは6%の利益率が無いと持続不可能と言われているためです。
リストラの影響
ドイツでは派遣社員も含めて5,000人が解雇されることになりそうです。
イギリスでは1,150人が職を失うことになるでしょう。
フランスでも800人が解雇されます。
フォードのヨーロッパ全体の従業員数は、約53,000人です。
そのうちのおよそ24,000人は、ドイツ国内で雇用されています。
つまりドイツでは20%強の人員が解雇されるわけです。
また、フォードがイギリス国内で雇用しているのは約13,000人で、その9%弱が解雇される計算ですから、こちらもかなり大規模なリストラといえます。
人員を増やす工場も
フォードは昨年12月に、ルーマニア工場の人員を大幅に増やすことを明らかにしました。
これまで1,500人だったルーマニアでの従業員数を、6,000人に増強するのだそうです。
しかしフォードのルーマニア工場では、月収300ユーロ(約3.8万円)で働かされている労働者が何人もいるのだとか。
一方、フォードのCEOであるジム・ハケット氏は、2018年に1,770万ドル(約19.7億円)もの報酬を手にしています。
その報酬が発表された翌日に今回のリストラ計画が発表されたのですから、何ともやるせない気持ちになります。
出典・参考サイト
Ford announces thousands of job losses in Britain and Europe – autoexpress.co.uk
Ford to slash over 5,000 jobs in Germany – thelocal.de
Germany: Ford announces massive job cuts at its Saarlouis plant – wsws.org
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