テスラがモデル2をキャンセルか。考えられる開発中止の理由
テスラがモデル2の開発を中止したという衝撃的なニュースが報じられました。モデル2は25,000ドルで販売されると言われていたモデルで、テスラの将来に担う新型車として期待されていたのですが、一体何があったのでしょうか。
今回はモデル2のキャンセルについて、その理由を考察していきます。
モデル2がキャンセルされた理由
まず、モデル2が本当に開発中止になったのかは、まだ完全に確定していません。イーロン・マスクはX(旧Twitter)に「ロイターは嘘をついている」と投稿しましたが、具体的に何が嘘なのかは指摘していません。
ただ、モデル2開発中止の可能性は十分にあると思います。その理由は2つ考えられます。
理由その1 中華EVの存在
中国のEVブランドは、低価格を武器に市場シェアを伸ばしています。例えば日本でも販売されているBYD ドルフィンは、アメリカでは31,000ドルで、日本では363万円で販売されています。しかし中国では、99,800人民元(約213万円)という低価格で販売されているのです。ちなみに25,000ドルを人民元に換算すると、およそ180,822人民元となります。たとえモデル2を発売できたとしても、価格では太刀打ちできません。
モデル2は25,000ドルで販売される予定だったので、中国市場でも多くの販売台数を期待されていました。しかしドルフィンのようなモデル2よりも安いモデルが既に普及している今となっては、テスラが中国市場でシェアを伸ばすのは厳しい状況だといえます。実際、テスラの中国における市場シェアは、2023年第1四半期には10.5%だったのに対し、2023年第4四半期には6.7%に低下しています。中国市場においては価格面でインパクトの無いモデル2を投入しても、巻き返すのは難しいでしょう。
理由その2 ハイブリッドの存在
もうひとつの理由として考えられるのが、ハイブリッド車の存在です。アメリカではこれまで中途半端な存在と見なされてきたハイブリッド車が、最近人気を博しています。
その理由は価格と利便性です。ハイブリッド車はEVよりも安く(プリウスの米国価格は27,950ドル)、EVのような充電の煩わしさがありません。リセールバリューもハイブリッド車の方が良さそうです。
低価格帯のEVはコストの制約があるので大きなバッテリーを搭載できず、したがって航続距離も短くなってしまいます。パワフルなモーターで加速性能をアピールすることも、やはりコストの問題で不可能です。そうなると低価格帯のEVは、値段が高いのに航続距離が短く、充電頻度の多い車でしかありません。これまでは補助金で価格の高さをごまかしてきましたが、最近では各国でEV向け補助金が打ち切られています。低価格帯では、EVの強みが全く無いといっても過言ではないでしょう。
以上の2点から、モデル2のキャンセルは現実味があるといえます。イーロン・マスクは「8月8日にロボタクシーを発表する」とXに投稿しました。今後はロボタクシーに注力するのでしょう。
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