ポルシェ356のボディに964のシャシーを合体させた「356 RSR」
アメリカ・カリフォルニア州のEmory Motorsportsという初期のポルシェカスタムを専門にしている会社が、356 RSRというモデルを公開しました。
この車はポルシェ 935のスタイリングを、356のボディを用いてオマージュするだけでなく、964 カレラ2のシャシーと組み合わせるという、大掛かりなカスタムが施されています。
エンジンも独自に開発したものを搭載するなど、徹底した造り込みです。
今回はEmory Motorsportsが作り上げた、356 RSRの概要をご覧ください。
Emory Motorsports 356 RSRの概要
エクステリア
ボディワークはアルミ製で、全て手作りです。
ボディカラーはメテオライト・マット・メタリックと呼ばれるカスタムブレンドで塗装されています。
インテリア
インテリアはMOMO社製のパーツでコーディネートされています。
ステアリングはMOMOディストレスト(ユーズド加工)プロトティーポで、クイックリリースハブ付きです。
ペダルもMOMOのビレットパッドですし、シートも911 RSRをモデルにしたもので、MOMOのロゴがカスタム刺繍された難燃性素材が表皮に使われています。
そしてシートベルトもMOMOの6点式です。
シャシー
356と964 カレラ2では、ホイールベースが172mmも異なる(964の方が長い)ので、約半分となる85mm分だけ、356のホイールベースを延長してあります。
しかしサスペンションのピックアップポイントは、964のものが維持されているそうです。
ちなみにエンジンのフレームセクションは、356に合わせた長さになっています。
サスペンションはKW製のコイルオーバーダンパーで、約38mmのオンデマンド・リフト機能付きです。
キャンバー調整可能なピロボールアッパーマウント、スタビライザーなども装着されています。
ラック・アンド・ピニオン式のステアリングラック(パワステ無し)とブレーキは、964の流用品です。
とはいえ車重が884kgしかないので、ブレーキ容量が不足することは無いでしょう。
パワートレイン
「Outlaw-4」と名付けられたエンジンは、Emory MotorsportsとRothsportが共同開発したオリジナルのフラット4です。
964の3.6リッター・フラット6・ドライサンプのエンジンアーキテクチャに基づきながら、シリンダーブロックを砂型鋳造したそうです。
2気筒分減ったわけですから、カムシャフトハウジングも再設計されています。
こちらは6061ビレットアルミニウムから機械加工したそうです。
カムシャフトとクランクシャフトに関しては、ポルシェのOEMパーツを使用しています。
スタンダードな356エンジンだと多くのパワーを出せないため独自開発に踏み切ったそうですが、ここまでやるとは驚きです。
Outlaw-4にはいくつか仕様があるようですが、356 RSRには、2.4リッター・ツインターボが搭載されています。
ターボチャージャーはギャレット製のGT28Rボールベアリングターボで、ブースト圧は1.2barです。
エンジンはMotecで管理されています。
最高出力は375~400psだそうです。
トランスミッションは5速マニュアルで、リミテッド・スリップ・デフも装着されています。
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