メルセデス・ベンツ 190E 2.5-16 エボリューションⅡがデビュー30周年
2020年のジュネーブモーターショーは中止になってしまいましたが、ちょうど30年前(1990年)の同ショーでは、メルセデス・ベンツが190E 2.5-16 エボリューションⅡが発表しました。
巨大なリアスポイラーが強烈なインパクトを放つ、ツーリングカーレースで勝つために開発されたホモロゲーションモデルです。
今回は30歳の誕生日を迎えたメルセデスのエボⅡについて振り返ってみます。
190E 2.5-16 エボリューションⅡの概要
エクステリア
DTM(ドイツツーリングカー選手権)用レースカーのロードリーガルバージョンとして開発されたモデルだけあって、過激なエアロを身にまとっています。
装着された大型の前後スポイラーにより、大きなダウンフォース(フロント:21.2kg, リア:57.1kg)を得ていました。
ちなみに前後のスポイラー共に調整可能です。
なお、ボディカラーはメタリック・ブルー-ブラックのみとなっています。
インテリア
ホモロゲーションモデルなのに木目パネルが使われているのが面白いですね。
シャシー
エボⅡはボディ・スティフナーが追加され、剛性が向上しています。
ホイールはDTMレーシングカーをイメージさせる17インチホイールです。
パワートレイン
エンジンは2.5リッター・直列4気筒ガソリン自然吸気です。
最高出力は235psで、レブリミットは7,700rpmとなっています。
エンジンの高回転化は、ショートストローク化(ストローク長82.8mm)とビッグボア化(ボア径97.3mm)、コンロッドの軽量化、カウンターウェイト数の変更(8つから4つに)、カムシャフトドライブの変更などにより達成されました。
ちなみにDTM用のエンジンは373psを発生しています。
生産台数・レースでの活躍
エボⅡは502台が生産されました。
これはレースのホモロゲーションを獲得するために、500台以上の市販車を生産する必要があったためです。
価格はスタンダードな190E 1.8の3倍以上もしたといいます。
DTMでは1990年6月16日に開催されたホッケンハイムのレースでデビューし、同年8月5日に行われたディープホルツのレースで初優勝。
1991年にはクラウス・ルドヴィクがドライバーズランキング2位を獲得し、メルセデス・ベンツはマニュファクチャラー・チャンピオンとなっています。
1992年にはシリーズを席巻し、ルドヴィクがドライバーズチャンピオン、カート・ティムがランキング2位、ベルント・シュナイダーがランキング3位と上位を独占。
エボⅡはこの年24戦中16勝をあげ、メルセデス・ベンツがマニュファクチャラータイトルを連覇しました。
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