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WRC 2017 第10戦 ラリードイチェランド(ドイツ) 雨とぬかるみのターマックラリーでトヨタに勝機はあるのか!?【8/21更新】

更新日:

2017年のWRC(世界ラリー選手権)第10戦はラリー・ドイチェランドです。

ドイツといっても、フランスのアルザス=ロレーヌ地方に近い、モーゼル川周辺の地域で開催されます。
モーゼルワインの元となるぶどう畑の間を走り抜けるコースは、直線と極端なタイトターンの繰り返しが特徴です。

また、軍事演習場内に設定されたステージでは、戦車走行用の「パンツァープラッテ」を走ります。
特殊舗装を施されたパンツァープラッテは非常に滑りやすい上、コースサイドには戦車止めのために巨石が置かれているため、ぶつかるとマシンだけでなく、搭乗するクルーもダメージを負う可能性が高い、リスキーなステージです。

このページではラリー・ドイチェランドの模様を、ダイジェストでお送りします。

更新情報

3日目のダイジェストを追加しました。(2017/08/20)

4日目のダイジェストを追加しました。(2017/08/21)

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初日

SS1 SSS Saarbrücken , 2.05 km

木曜日のスーパー・スペシャル・ステージ(SSS)です。本格的な競技は翌日からとなります。

シトロエンクリス・ミークは、この最初のステージでクラッシュ! デイリタイアとなってしまいました。

トップタイムはシュコダ・ファビアR5を駆るヤン・コペツキーが記録しました。
R5マシン(WRカーのひとつ下のクラス)でステージベストを取れたのは、SSSだからでしょう。

ヤン・コペツキーのシュコダ・ファビアR5。
第35回ラリー・ドイチェランド 総合順位(初日終了時点)
順位 ドライバー/No./メーカー 総合タイム/トップとの差
1 ヤン・コペツキー 2:05.9
#34 シュコダ(WRC2) ──
2 オットー・タナク 2:06.2
#2 フォード +0.3
3 クレイグ・ブリーン 2:07.2
#8 シトロエン +1.3
4 セバスチャン・オジェ 2:07.8
#1 フォード +1.9
4 アンドレアス・ミケルセン 2:07.8
#9 シトロエン +1.9
6 ヤリ-マティ・ラトバラ 2:08.1
#10 トヨタ +2.2
7 エルフィン・エバンス 2:08.3
#3 フォード +2.4
8 ダニ・ソルド 2:08.4
#6 ヒュンダイ +2.5
9 ティエリー・ヌービル 2:08.6
#5 ヒュンダイ +2.7
10 ヘイデン・パッドン 2:08.7
#4 ヒュンダイ +2.8
12 ユホ・ハンニネン 2:11.2
#11 トヨタ +5.3
12 エサペッカ・ラッピ 2:11.2
#12 トヨタ +5.3

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2日目

SS2 SSS Wadern-Weiskirchen I , 9.27 km

道幅が狭く、交差点が点在しているステージ。
にも関わらず平均速度が非常に速い上、交差点付近は雨だと泥々になります。
スーパー・スペシャル・ステージ(SSS)なので同じ場所を2周する設定です。

ここでのトップタイムはダニ・ソルド(ヒュンダイ)でした。
「結構良い。車のバランスは良かった。ベストを尽くそうと頑張ったよ。天候不順なので、今日は難しそうだ」

SS3 Mittelmosel I , 22.00 km

モーゼル川沿いのブドウ畑の間を走り抜けるステージ。
アップダウンが激しく、ブドウ畑の間には厄介な交差点がいくつも存在します。
ブドウ畑を抜けた後の、Rivebich村沿いの主要道路は、1.3kmの全開セクションです。

ここでステージベストを記録したのはオットー・タナク(フォード)でした。
グラベルで強いイメージのタナクですが、ターマックでの速さも身につけつつあるようです。
「私たちはウェットだと予想していたが、実際にはほとんど乾いていたので、とてもトリッキーでした。難しい」

優勝候補に挙げられていたティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)は、このステージで痛恨のコースアウト。
8番手タイムに終わり、10.9秒の遅れを喫してしまいました。

ヌービルのi20クーペWRCは、フロント周りにダメージを負った。

「スタートから1kmのところでコースアウトしてしまいました。路面は乾いていたのですが、ブレーキングの途中からウェット路面になってしまったのです。私はブドウ畑に突っ込んで、フロントスプリッターを失ってしまいました。そのせいで非常にトリッキーな挙動になっています」

総合順位は、首位がタナク、2位はアンドレアス・ミケルセン(シトロエン)(+4.2秒)、3位に昨年のラリー・ドイチェランド覇者であるセバスチャン・オジェ(フォード)(+5.2)が続いています。

SS4 Grafschaft I , 18.35 km

ブドウ畑の間を抜けるステージですが、コースの片側には高い石壁があります。
また、ブドウ畑に遮られて、先の見えない交差点が多い場所です。
3km地点までは見晴らしが良いものの、そのために交差点をインカットする車が多く、周辺の路面は汚れています。

ここでステージウィンを獲得したのはミケルセン! VWが撤退して以降、WRC浪人生活が続き、シトロエンに加入してからも今いちパッとしなかった彼ですが、得意のターマックで完全復活です。

ミークが不調なだけに、ミケルセンにかかる期待は大きい。

「完璧なドライブでは無かったんだけど」とミケルセン。「2つ小さなミステイクがあったから、僕は自分の走りに本当に満足していない。このステージでは今まで上手く走れなかったけど、前にオンボード映像で学んで、そしてついにマスターした! 車は本当に素晴らしいよ」

途中加入のミケルセンに活躍されたら、クリス・ミークは立場がありませんね。
C3 WRCの戦闘力も、やはりターマックでは一級品のようです。

2番手タイムは、前戦フィンランドで優勝したエサペッカ・ラッピでした。
彼の才能は、グラベルだけではないようです。
「このステージではタイヤチョイスが良かった。このタイムには本当に満足だよ」

総合首位にはミケルセンが浮上。
2位はタナク(+4.8秒)、3位はオジェ(+8.8秒)となっています。

SS5 SSS Wadern-Weiskirchen Ⅱ , 9.27 km

SS2のリピートステージで、またしてもスーパー・スペシャル・ステージです。
観客からお金を取るためなんでしょうが、ちょっとSSSが多すぎますね。

ここでのトップタイムはヌービル。
しかしステージが短いために、2番手タイムのオジェとは0.3秒しか差がありませんでした。

総合首位はミケルセン、2位タナク(+4.1秒)、3位オジェ(+5.6秒)と、総合トップ3の顔ぶれは変わっていません。

2日目午前のループはこれで終了し、SS6からは午後のループに突入します。
リピートステージが主体となるのでスピードは上がるものの、午前の走行でコースが汚れているために、さらにリスキーな展開となるでしょう。

SS6 Mittelmosel Ⅱ , 22.00 km

SS3のリピートステージ。
ここでステージベストを奪ったのはタナク! 総合首位のミケルセンに対し、プレッシャーをかけていきます。
「実際にはあまり良くありません」とタナク。「タイトなヘアピンがあり、私はハンドブレーキを引いたのですが、曲がりきれずにブドウ畑へと一直線に進んでしまいました。戻ってこれたのは幸運です。チームが勧めてくれたフルウェットタイヤを使わなかったことを、私はまだ申し訳なく思っています」

落ちかけて戻ってきたタナク。危機一髪でリタイアを回避した。

ミケルセンはこのステージで2番手タイムでしたが、総合首位を守り抜くことに成功しました。
総合2位はタナク(+0.9秒)、3位はオジェ(+7.5秒)となっています。

SS7 SS7 Grafschaft Ⅱ , 18.35 km

SS4のリピートステージ。
ここでタナクが2連続のステージウィンを勝ち取り、総合首位の座を奪還しました。
「とてもトリッキーです。タイヤは今までにそれほど使ったことの無いものでしたが、良い感じです。もっとプッシュすべきなのでしょうが、前のステージのこと(コースアウトした)もあるので、クリーンな走りを心がけました」

観客の間近を駆け抜けていくタナクのフィエスタ。この距離の近さこそがWRCの魅力だ。

SS6まで総合6位・トヨタ勢最上位につけていたラッピは、このステージでサスペンションが壊れてしまい、総合26位に後退してしまいました。

ターマックでも好タイムをマークしていたラッピを、トラブルで失ったのは痛い。

総合首位はタナク、2位はミケルセン(+4.5秒)、3位はオジェ(+9.9秒)というオーダーとなっています。

SS8 SSS Wadern-Weiskirchen Ⅲ , 9.27 km

SS2とSS5のリピートで、またしてもSSSです。
ここでのトップタイムはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ)でした。
「丁寧に走って、大きなミスを避けようとした」とラトバラ。「それでもある左コーナーでは、かなり芝生の上を走ったけどね。今日もっともトリッキーなステージだった」

残るトヨタ勢はグラベルが得意なドライバーばかりですから、ターマックラリーのドイツではちょっと厳しいですね。
少しでもポイントを取れれば御の字だと思います。

総合3位につけていたオジェは、このSSSでまさかのスピン!
21.5秒遅れの14番手タイムに終わり、総合順位でも4位に後退してしまいました。
「スピンして20秒ロスした。残念だけど、それが何を意味しているかだ。おそらく(明日以降は)厳しい戦いになるだろう。僕は今日苦労することを知っていたんだ。望んだセットアップを見つけられていないからね。まあ、明日は明日の風が吹くだろう」

総合首位はタナク、2位はミケルセン(+5.7秒)ですが、3位にはヌービル(+28.2秒)が浮上してきました。

ヌービルにとってドイツはWRC初優勝の地。タナクとミケルセンにとっては最も怖い相手だろう。
第35回ラリー・ドイチェランド 総合順位(2日目終了時点)
順位 ドライバー/No./メーカー 総合タイム/トップとの差
1 オットー・タナク 1:07:23.0
#2 フォード ──
2 アンドレアス・ミケルセン 1:07:28.7
#9 シトロエン +5.7
3 ティエリー・ヌービル 1:07:51.2
#5 ヒュンダイ +28.2
4 セバスチャン・オジェ 1:07:53.6
#1 フォード +30.6
5 エルフィン・エバンス 1:08:15.1
#3 フォード +52.1
6 ユホ・ハンニネン 1:08:37.7
#11 トヨタ +1:14.7
7 クレイグ・ブリーン 1:08:47.5
#8 シトロエン +1:24.5
8 ヤリ-マティ・ラトバラ 1:09:17.7
#10 トヨタ +1:54.7
9 ヘイデン・パッドン 1:09:52.5
#4 ヒュンダイ +2:29.5
10 ヤン・コペツキー 1:10:59.2
#34 シュコダ(WRC2) +3:36.2
40 エサペッカ・ラッピ 1:21:53.1
#12 トヨタ +14:30.1

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3日目

SS9 SSS Arena Panzerplatte Ⅰ , 2.87 km

3日目もSSSからスタート。
距離が短いので大した差はつかないかと思いきや、なんとヌービルがクラッシュ!
彼のi20クーペWRCは、左リアホイールハブがサスペンションアームからもげてしまいました。

タイトルを争うヌービルにとって、このクラッシュは大きな痛手だ。

「スローな交差点でした」とヌービル。「左コーナーをインカットしたのですが、何が起こったのかはわかりません。そのとき私たちは、小さな衝撃をリア車軸に感じました。多分何かに当たったんでしょう、正確なところはわかりませんが。見たところ、サスペンションの何かが壊れたようです。私にはわかりません。早急に分析する必要がありますね、そうすればもっとわかるはずです」

これでヌービルは大きく順位を落としてしまいます。
ヌービルとチャンピオンを争うオジェ、そしてヒュンダイとマニュファクチャラータイトルを争うフォードにとっては、俄然有利な展開となってきました。

SS10 Panzerplatte Ⅰ , 41.97 km

40kmオーバーのロングステージは、戦車訓練用の特殊なコースです。
93ものジャンクションがあり、路面は砂っぽくて滑りやすく、コースサイドには戦車の脱輪を防止するためにコンクリート製の巨大な縁石が置かれています。

ここでのトップタイムはユホ・ハンニネン(トヨタ)! 今回のラリーにおいて、SSS以外でトヨタがステージウィンを獲得するのは初めてのことです。
「悪くない。昨日よりは簡単だ。グリップは変化するけど、本当に楽しい」

総合首位はタナクのまま。
2位はミケルセン(+15.3秒)、3位はオジェ(+30.6秒)となっています。

SS11 Freisen Ⅰ , 14.78 km

速度域の高い国道がコースとなるステージ。
スピードを保つためには、シケインをインカットして直線的に抜ける必要がありますが、それを防ぐためのロールベール(乾草を円筒状にまとめたもの)も各所に置かれています。

ステージベストはタナク、2番手タイムはオジェでしたが、ミケルセンは痛恨のスピンを喫し、9番手タイムに終わってしまいました

「交差点でスピンして、エンジンがストールしてしまった」とミケルセン。「ちょっと残念だよ。でも、僕たちは戦い続けなければならない」

総合首位はタナクですが、2位ミケルセン(+25.7秒)との差は拡大しています。
3位オジェ(+31.0秒)と4位エルフィン・エバンス(フォード)(+1分14.9秒)の差は大きく、トップ3のメンツは変わりそうにありません。

SS12 Römerstraße Ⅰ , 12.28 km

国道を使ったステージですが、大半は道幅が狭くなっています。
速いストレートが沢山あり、いくつかの場所は木々に囲まれているためリスキーです。
平均時速を落とさせるためのシケインも、いくつか設置されています。

ここでのトップタイムはミケルセン!
一方、タナクは6番手タイムでしたが、ステージが短いためか、両者の差は2.7秒しか縮まりませんでした。

トヨタのラトバラは、このステージでハンドブレーキが効かなくなるというトラブルが発生。
昨日もエンジンにミスファイアが起こるなど、細かなトラブルが相次いでいます。
前戦フィンランドでもトラブルでリタイアしていますし、トヨタは信頼性の向上を急がなければなりません。

SS13 SSS Arena Panzerplatte Ⅱ , 2.87km

午後のループに入って最初のステージもSSSです。
今回はSSSが多くてうんざりしますね。

トップタイムはヒュンダイのソルドが記録しましたが、2.87kmのSSSでは差などつきません。
総合タイム差もほぼ変わらずです。

ところがエバンスはアンダーステアに悩まされ、このステージは11番手タイムがやっと。
これによりハンニネンが、総合4位に浮上しています。

SS14 SSS Arena Panzerplatte Ⅲ , 2.87km

ステージベストは2連続でソルドでしたが、FIAはSSSの回数を規制すべきでしょう。
貴重な時間をSSSで浪費するなら、ロングステージをもう1回多く走らせた方がドラマが生まれます。

しかし40km超のロングステージもあるので、主催者側がSS総距離を伸ばそうと思えば伸ばせたはずです。
それをSSSにすり替えてお茶を濁しているのは、WRCというコンテンツ自体の魅力を損なう悪手だと思います。

SS15 Panzerplatte Ⅱ , 41.97 km

SS10のリピートステージ。
トップタイムは3連続でソルド! 本来ターマックを得意とする彼ですから、この程度の走りはできて当然なのでしょう。
しかし総合順位が39位では、焼け石に水です。
SS4でコースアウトしてデイリタイアしてしまったのが痛恨でした。

ダニ・ソルドの駆るヒュンダイ・i20クーペWRC。

「イイね! 今はかなり楽しめてる」とソルド。「初日のミスには失望したが、今はディファレンシャルのようなことに取り組んでいて、車はうまく機能している」

総合タイム差にはほとんど変化がありませんでした。
首位タナク、2位ミケルセン(+25.2秒)、3位オジェ(+32.9秒)というオーダーのままです。

SS16 Freisen Ⅱ , 14.78 km

SS11のリピートステージ。
トップタイムはオジェ! 彼にとっては、久しぶりのステージウィンです。

ようやくステージウィンを達成したオジェ。

「3点余計に取るためにリスクは負えないけど」とオジェ。「プレッシャーをかけ続けて、何が起こるか見てみようと思う。このステージではグリップが良かった」
あわよくば2位になって3点多くポイントを取るというのが、現在のオジェの戦略のようです。

総合4位のハンニネンは、このステージでエバンスに逆転されてしまいました。
前のステージでダンパーが壊れてしまったためです。
「このステージでダンパーの1つが欠けていたのは痛かった。この状態で今日最後のステージも走らなければならない」
今回のトヨタ勢はトラブルが多すぎて、まともに戦えていませんね。

総合トップ3の順位とタイム差は、ほとんど変化がありませんでした。

SS17 Römerstraße Ⅱ , 12.28 km

SS12のリピートステージ。
ステージベストはラトバラが記録しましたが、彼はフロントホイールアーチにダメージを負った状態でフィニッシュしました。
「左コーナーの茂みに近づけすぎた(のでフロントが壊れた)。ここは狭いコースだから、良いタイムを出そうと思ったら、道幅をめいっぱい使う必要があるんだ」

総合2位のミケルセンは、このステージで2番手タイムを記録。
一方、総合首位のタナクは6番手タイムだったものの、両者のタイム差はまだ20秒もあります。
最終日となる4日目のSSは4つ、距離は50kmほどしかありません。
タナクのWRC2勝目が、かなり現実味を帯びてきました。

2勝目は意外にもターマックラリーになりそうなタナク。

最終日の見どころは、エバンスとハンニネンの4位争いですね。
ハンニネンにとっては自身のWRC最高順位を更新すべく、ぜひともエバンスを捉えたいところです。
2人の差はわずか4秒ほどですから、ハンニネンが逆転するチャンスは十分にあります。
パワーステージまでもつれ込むことに期待しましょう。

トヨタ勢の中で一人気を吐くハンニネン。
第35回ラリー・ドイチェランド 総合順位(3日目終了時点)
順位 ドライバー/No./メーカー 総合タイム/トップとの差
1 オットー・タナク 2:31:32.2
#2 フォード ──
2 アンドレアス・ミケルセン 2:31:53.6
#9 シトロエン +21.4
3 セバスチャン・オジェ 2:32:01.8
#1 フォード +29.6
4 エルフィン・エバンス 2:33:20.5
#3 フォード +1:48.3
5 ユホ・ハンニネン 2:33:24.7
#11 トヨタ +1:52.5
6 クレイグ・ブリーン 2:33:38.9
#8 シトロエン +2:06.7
7 ヤリ-マティ・ラトバラ 2:35:37.1
#10 トヨタ +4:04.9
8 ヘイデン・パッドン 2:36:03.5
#4 ヒュンダイ +4:31.3
9 エリック・カミリ 2:40:14.1
#33 フォード(WRC2) +8:41.9
22 エサペッカ・ラッピ 2:49:15.5
#12 トヨタ +17:43.3
36 ダニ・ソルド 3:06:45.1
#6 ヒュンダイ +35:12.9
50 ティエリー・ヌービル 3:27:56.4
#5 ヒュンダイ +56:24.2

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4日目(最終日)

最終日のSSは4つのみ。
約50kmという短い距離ですが、秒差の争いを展開するドライバーたちにとっては、気の抜けない1日となります。

SS18 Losheim am See Ⅰ , 13.02 km

ハイスピードな直線と無数の交差点という、典型的なラリー・ドイチェランドのステージです。
道幅の狭いセクションを、幹線道路が結ぶ構成となっています。

ここでステージベストを奪ったのはトヨタのハンニネン!
エバンスから4位の座を奪い返す、会心のベストタイムとなりました。
「フィーリングは本当に最高だ!」とハンニネン。「少しでも速く走れるように、でもやりすぎないようにと心がけた」

ハンニネンもWRカーのスピードに慣れてきたのか、ミスが明らかに減った。

一方、エバンスはステージ途中で痛恨のエンジンストール。
ポジションを失っただけでなく、ハンニネンに7.2秒もの差を付けられてしまいました。
残りのSSが3つしかないことを考えると、再々逆転はかなり厳しい状況です。

総合順位は、タナク-ミケルセン-オジェの順のまま変わっていません。

SS19 St. Wendeler Land Ⅰ , 12.95 km

ザールラントにほど近い高速セクションで構成されたステージ。
道幅は車1台分しかなく、路面はスムーズで、インカットを防ぐために乾草のロールベールも設置されています。

ステージウィンはトヨタのラッピ。
トラブルでデイリタイアしていなければ、上位に食い込んでいただろうと感じさせるスピードを披露してくれました。
「良かったよ。僕たちは昨晩かなりの分析を行って、僕のやり方が間違っていたことを発見したんだ。スロットルを少なく……あ、それは秘密ね。いい方向に向かっているよ」

ターマックでの才能も開花しつつあるラッピ。

2番手タイムもトヨタ、ドライバーはラトバラでした。
復帰初年度でデータの少ないトヨタが、データの揃った最終日になって調子を上げてくるのは、これまで何度も見られた光景です。

総合トップ3に変化はありません。
ミケルセンがわずかずつタナクとのタイム差を縮めているものの、これはタナクがコントロールしているからに他なりません。
4位を争うハンニネンとエバンスの差も、13.1秒に拡がっています。

SS20 Losheim am See Ⅱ , 13.02 km

SS18のリピートステージ。
トップタイムを記録したのは、シトロエンのクレイグ・ブリーンでした。
「プッシュしてます! 私は5位をあきらめたくありません」

一方、5位のエバンスは、タイムが良くなかったことに首を傾げています。
「本当に良かった。クリーンに走れた。なのにタイムはあまり良くない。できることはやった。パワーステージでどうなるのかはわからない」

トップ4の順位はこのまま変わりそうにありませんが、5-6位のタイム差はわずか1.7秒しかありません。
パワーステージは12.95km、ブリーンが逆転するには十分な距離です。

SS21 St. Wendeler Land Ⅱ , 12.95 km

ステージタイムのトップ5にポイントが与えられるパワーステージは、SS19のリピートです。

ステージウィンはヒュンダイのソルドが獲得!
2位ラッピ、3位ラトバラと、トヨタが2-3でした。

注目の総合5位争いは、9番手タイムだったエバンスを、ブリーンが5番手タイムで逆転し勝負あり。
エバンスは最終日だけで2つも順位を落としてしまいました。

任務完了! 見事5位の座を射止めたブリーン。

優勝はオットー・タナク
自身のWRC2勝目が、まさかターマックラリーになるとは夢にも思わなかったでしょう。
「素晴らしい気分です。ラリーのスタートは完璧でした。その後、私たちのリードをコントロールすることになりました。ターマックイベントで初勝利した気分はクールですね。この25ポイントによって、チャンピオンシップで戦えない理由はなくなりました。私たちは戦い続けます。チャンピオンシップで勝つためには、勝ち続ける必要があります」

コ・ドライバーのマルティン・ヤルベオヤ(左) オットー・タナク(右)
第35回ラリー・ドイチェランド 総合順位(最終結果)
順位 ドライバー/No./メーカー 総合タイム/トップとの差
1 オットー・タナク 2:57:31.7
#2 フォード ──
2 アンドレアス・ミケルセン 2:57:48.1
#9 シトロエン +16.4
3 セバスチャン・オジェ 2:58:02.1
#1 フォード +30.4
4 ユホ・ハンニネン 2:59:20.9
#11 トヨタ +1:49.2
5 クレイグ・ブリーン 2:59:33.2
#8 シトロエン +2:01.5
6 エルフィン・エバンス 2:59:35.1
#3 フォード +2:03.4
7 ヤリ-マティ・ラトバラ 3:01:29.9
#10 トヨタ +3:58.2
8 ヘイデン・パッドン 3:02:04.1
#4 ヒュンダイ +4:32.4
9 アルミン・クレマー 3:07:51.1
#14 フォード +10:19.4
10 エリック・カミリ 3:08:16.0
#33 フォード(WRC2) +10:44.3
21 エサペッカ・ラッピ 3:15:36.9
#12 トヨタ +18:05.2
34 ダニ・ソルド 3:32:50.7
#6 ヒュンダイ +35:19.0
44 ティエリー・ヌービル 3:53:57.3
#5 ヒュンダイ +56:25.6

ポイントスタンディング

タナクは今回の勝利で、ドライバーズポイントを144点まで伸ばしました。
オジェは3位表彰台を獲得しランキング首位(177点)に返り咲き、ヌービルは得意のターマックラリーをまさかのノーポイントで終え、ランキング2位(160点)に後退しています。

チームズランキングでは、Mスポーツフォードがドイツで40ポイントもの荒稼ぎを見せ首位(325点)をキープ、一方ヒュンダイは10点しか獲得できず、大きく引き離されての2位(261点)となってしまいました。
残り3戦でヒュンダイが逆転するのは難しそうです。

ランキング首位に返り咲いたオジェ。チームとともにダブルタイトルといきたいところだ。

次戦はスペイン・カタルーニャ

第11戦となる次戦は、スペイン・カタルーニャ州で開催される「ラリー・カタルーニャ・コスタ・ドラダ」です。
スムーズな路面は、サーキットのそれに近いと言われています。
2010年からはミックスサーフェス(グラベルとターマックの混合)のイベントとなりました。

ラリー・カタルーニャで優勝経験のある現役選手は、オジェ(3勝)とミケルセン(1勝)だけです。
ミケルセンはドイツでも好調でしたから、次も期待できそうですね。

トヨタ勢は、ラッピがターマックでの走りに慣れてくれば上位入賞できるかもしれませんが、基本的には厳しい戦いになると思います。

苦手なターマックラリーが続くが、ラトバラにもがんばってもらいたい。

ラリー・カタルーニャ・コスタ・ドラダは、2017年10月5日スタートです。

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