デイリーF1ニュース（2017年8月24日号）ホンダ、イルモアと提携で開発加速か

最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。

それではご覧ください。

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ホンダ、イルモアと提携で開発加速か

「スペック3」から急速に信頼性とパフォーマンスを上げてきた感のあるホンダですが、その要因の1つとして、レーシングエンジン専門のマニュファクチャラーであるイルモアとの提携が挙げられています。

イルモアは、マリオ・イリエンとポール・モーガンという2人のエンジニアが設立した会社です。
90年代半ばからはメルセデスのF1用エンジンを開発し、イルモア製メルセデスエンジンを搭載したマクラーレンは、第2期ホンダ時代以来のタイトルを獲得しました。

その後イルモアはF1用エンジン部門とそれ以外とに分社化され、前者はメルセデス-AMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズとして、現在もメルセデスF1エンジンの開発を行っています。
一方、後者はアメリカのレーシングチームであるペンスキーに売却されました。

現在「イルモア」という社名を名乗っているのは後者の方なので、メルセデスがホンダエンジンの開発に協力しているわけではありません（当たり前ですね）。

しかし現在のイルモア・エンジニアリングは、「シボレー」のインディカー用エンジンを開発しており、アメリカではホンダとライバル関係にあります。
ホンダがイルモアとの提携関係をぼかしているのは、その辺りに事情があるのかもしれません。

Source: McLaren faces engine dilemma as Honda gets Ilmor boost | motorsport.com

メルセデスやフェラーリはともかく、ホンダとルノーの差はかなり縮まったように筆者は感じるのですが、ホンダのF1プロジェクト総責任者である長谷川裕介氏の見解は異なるようです。

「伝えるのは難しいのですが、メルセデス、フェラーリ、ルノー、そしてホンダの間には、同様の性能差があるかもしれません」

とはいえシャシーの特性もあるので、サーキットによってその差が変化することを、長谷川氏も認めています。

「おそらくハンガリーでは、ルノーと比べても非常に強いと言えます。強くなくても、近いとは言えるでしょう。ではスパやモンツァのようなパワーサーキットではどうかと言うと、まだ厳しいかもしれません」

長谷川氏によると、新スペックの準備ができれば、ベルギーGPの週末にペナルティ覚悟で導入するとのことです。
高速サーキット2連戦で新スペックを導入し、低速サーキットのシンガポールで大量ポイント獲得といきたいところですね。

Source: Honda sees similar gaps between power unit manufacturers | racer.com

2021年からの新レギュレーションでは、ハイブリッドシステムをシンプルになると言われています。
エンジンのコストを引き下げるためです。

しかしメルセデスのトト・ウォルフ氏は、エンジンの価格はすでに安く、カスタマーチームの予算に占める割合は小さいと言います。

「（カスタマーエンジン代金の予算に占める割合は）大きなチームならコスト全体の5％であり、小さなチームなら8〜10％の間だ」とウォルフ氏。

「あるチームの一方的な議論で、エンジンの価格をさらに引き下げる。もう一方ではシャシー開発に2億ポンド（280億円）以上費やす。これは正しくない」

ウォルフ氏がこのように主張するのは、FIAとの間でエンジン価格を引き下げるという合意をしたためです。
価格引き下げの余地はもうほとんど無いと言いたいのでしょう。
実際ウォルフ氏は「すべてのサプライヤーのエンジン部門は損害を被っている」と語っています。

「差別化要因としての技術は重要だ」と語るウォルフ氏。
しかしコストを下げることも同じくらい重要です。
新レギュレーションは技術開発とコスト削減を、両立させることができるのでしょうか？筆者は難しいと思うのですが。

Source: Mercedes says customer F1 engine supply deals getting cheaper | autosport.com

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