タカタは経営破綻しない ホンダもタカタを見限らない

不正・不祥事,批評

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栄光の日々は、もう戻って来ないのか。

土俵際に追い詰められたタカタ

タカタにとって最大の取引先であるホンダが、今後は新型車にタカタのインフレーター(エアバッグの膨張装置)を採用しないと表明しました。

タカタ離れ加速、エアバッグ部品でホンダ表明-三菱自、マツダも検討 – Bloomberg

リンクにもあるように、他車も追随する構えを見せています。トヨタやスバルもタカタ製インフレータの不採用を検討しており、日産はタカタに対する不信感を露わにしています。アメリカでのリコールから1年が経過し、タカタにとっては四面楚歌ともいえる状況になってきました。

ただそれでも、タカタが経営破綻する可能性は低いと思われます。

トップ画像の出典: honda.co.jp


目次

  1. タカタが破産・倒産しない理由
  2. ホンダが描くシナリオ

タカタが破産・倒産しない理由

世界のエアバッグ市場の企業別シェアを円グラフにしてみました。

エアバッグ世界シェア

エアバッグ市場は、大手メーカー3社で世界シェアの75%を占めている寡占市場です。タカタのシェアは20%で、TRWと並んで業界第2位です。

膨大な数のエアバッグを納入しているタカタ

2014年に世界で生産された自動車の台数は、乗用車だけでもおよそ6752万台です。そのうちの8割の車の運転席と助手席にエアバッグが搭載されていると仮定しても、タカタは年間2160万個ものエアバッグを生産していることになります。

最近はサイドエアバッグやカーテンエアバッグ、ニーエアバッグなどが装備されていますから、実際のタカタの生産個数はさらに多いものと思われます。

大きすぎて潰せない

タカタの持つシェアが大きすぎるため、仮にタカタが経営破綻したとしても、残りの大手2社がタカタの代わりを務めるのは容易ではありません。製品の信頼性を考えると、急激な生産能力の拡張はタカタの二の舞いになりかねませんから、大手エアバッグメーカーは二の足を踏むでしょう。

自動車メーカーはタカタと一蓮托生

自動車メーカーは新車を発表するたびに、衝突安全試験を受けなければなりません。そして衝突安全試験で高得点をマークするには、エアバッグの装備は必須です。にも関わらず、タカタの穴を埋められるだけの生産能力を持つライバル企業が存在しません。つまり需要は減らず、供給能力だけが逼迫しているのです。

したがってタカタが経営破綻することはありません。業績が悪化しても、ある段階で必ず自動車メーカーから救済の手が差し伸べられるでしょう。タカタに経営破綻されて困るのは、他ならぬ自動車メーカー自身なのです。

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ホンダが描くシナリオ

ホンダは、今後新型車にタカタ製のインフレーターを用いないと宣言しました。ホンダがタカタを見限ったように思えますし、マスコミもそう報じています。

とはいえ最も多くのタカタ製エアバッグを採用してきたホンダのこの宣言は、自らの首を締めるものでもあります。いくら顧客のためとはいえ、自動車メーカーが車を作れなくなる事態を自ら招くとは思えません。

ホンダはタカタを見限らない

ホンダのコメントは、タカタを見限らないという宣言です。ホンダはタカタ製のインフレーターを使用しないとは言いましたが、タカタ製のエアバッグを使用しないとは言っていません。

つまりホンダはタカタ製のインフレーターを使わないことで自らのブランドイメージを守りつつも、タカタのエアバッグ生産能力は今後も活用していくのでしょう。現実的な落とし所だと思います。

タカタの業績悪化は不可避

それでも5000万台に及ぶリコールの費用として4500億円弱の特別損失が発生する上、集団訴訟に対し和解金を支払いが生じます。タカタの業績悪化は避けられないでしょう。

タカタが債務超過に陥った場合、外部からの資本注入が必要になります。その際は三代に渡って続いてきたタカタの同族経営が崩壊する可能性が高いです。しかしタカタにとってはその方が良いのかもしれません。

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