タカタのエアバッグで新たな犠牲者が発覚

不正・不祥事,批評

いまだ終わらぬタカタ・エアバッグ問題

雷

また新たな犠牲者が出てしまいました。しかも被害者は10代の男子学生だそうです。

Exploding Takata airbag claims a teen victim – Autoblog

記事によると、エアバッグの破裂事故が起こったのは今年の7月で、当局がこれを知ったのはつい先週のことだそうです。

男子学生の乗る2001年型ホンダ・アコードにはリコール届けが出されていましたが、まだ修理されていませんでした。しかしこの男子学生に非があったわけではありません。リコールを知らせる電子メールが届いたのは、破裂事故の前日だったのですから。

今回の発覚で、一連のエアバッグ破裂事故による犠牲者の総数は9人となりました。本来はドライバーの生命を守る装置であるエアバッグによって命を奪われたことは悲劇ですが、それ以上に気になるのは、タカタエアバッグ問題が政治問題化しつつあることです。


タカタのエアバッグリコールは「歴史的」か?

上記のリンクから引用します。

They will play a significant role in helping oversee Takata’s compliance with its obligations under NHTSA enforcement orders, and in implementing the coordinated remedy program to accelerate and prioritize the largest, most complex consumer safety effort in U.S. history.

筆者訳: 彼ら(司法省が任命した内部調査とコンプライアンスの専門家)は、米国の歴史上最も複雑な消費者安全運動において、統合救済プログラムを実施する際に最優先かつ迅速に行うため、NHTSA(米運輸省高速道路交通安全局)の施行令の下、タカタのコンプライアンスと義務を監督するのを助ける重要な役割を果たすでしょう。

翻訳が間違っていたらご教示いただけると幸いです。

注目すべきは赤字の部分です。確かにタカタエアバッグ問題の規模は大きい(世界で3600万台とも)ですが、米国の歴史上最も複雑な消費者安全運動とはとても思えません。なぜなら対策のためのリコールもすでに行われていて、タカタ側も自社の責任を認めているからです。

破裂原因について不明な部分があるのは事実です。しかしそれは科学の問題であって、消費者問題とは普通言わないでしょう。原因が判明するまで硝酸アンモニウムのインフレーターを用いなければよいだけなのですから。

引用の部分はNHTSAの官僚のコメントなのですが、彼の仰々しい表現は、政治問題化したがっているようにしか見えません。

政治的リスク

筆者は以前、「タカタは経営破綻しない」と書きました。今もそう思ってます。実際タカタは売上を伸ばしており、営業利益も昨年を上回る見込みです。

しかし政治問題化するとなると、話は変わってきます。上手く事態を沈静化させるために、日本政府側でも何らかの対応をした方が良いかもしれません。

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