VWに証拠隠滅疑惑
相次ぐ疑惑で販売台数も減少
ミシガン州にあるVWアメリカでIT担当として働いていたダニエル・ドノヴァン氏は、「不当解雇された」として同社に対し訴訟を起こしました。VWの証拠隠滅に協力しなかったために自分は解雇されたのだと、ドノヴァン氏は主張しています。
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VWは米当局の命令を無視?
昨年の9月18日にVWのディーゼル排ガス不正が明るみに出たため、米国環境保護庁(EPA)はVWに対し、事件に関連するデータの保全を命令しました。
しかしドノヴァン氏によると、VWは9月21日になってもデータの削除を続けていたといいます。そして上司からのデータ削除命令を拒絶したドノヴァン氏は、その後解雇されたのです。
VWアメリカはautoblog.comの取材に対し、「ドノヴァン氏の解雇は、ディーゼル排ガス不正とは無関係なものだ。不当解雇だという彼の主張にはまったく根拠がない。」と答えています。
相次ぐ訴訟と増大する金銭負担
米司法省や投資家、消費者などから既に訴訟を起こされているVWですが、味方であるはずのVWディーラーも、訴訟の準備に入っているとのことです。
アメリカのVWディーラーは、販売台数の増加を狙い10億ドル($1=¥115換算で1150億円)の投資をしていましたが、排ガス不正のせいで売上は伸びるどころか減り続けています。VWディーラーはその損失の補償を求めているのです。
また、米司法省とEPAは、VWに対し詐欺容疑で罰金を科す構えです。金額はこちらも10億ドルとされています。米司法省は「大気浄化法」違反で最大480億ドル($1=¥115換算で5兆5200億円)の制裁金を科す民事訴訟も起こしており、VW側の金銭負担は雪だるま式に増え続けています。
減少が続く販売台数
VWブランドの2月販売台数は、前年比−4.7%でした。特にアメリカは前年比−13.2%と大幅な減少に見舞われており、販売の立て直しが急務です。
近年VWが金城湯池としている中国でも、前年比−3.0%と冴えません。ヨーロッパが前年比+3.7%と唯一増加しているのが救いでしょうか。
VWグループ全体の2月販売台数は、前年比−1.2%と微減でした。
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