フェアレディZの後継スポーツカーを日産が約束

ニッサンの新車情報

フェアレディZこそが日産のスポーツカー

9月のフランクフルトモーターショーでの「Gripz」発表後、次期フェアレディZがSUVになってしまうのではないかとやきもきしていたファンも多いのではないでしょうか。けれど日産がスポーツカーとしてのフェアレディZの後継モデルも発売されると約束したので、もう心配無用です。

Nissan Committed To 370Z Successor – carscoops

日産・Gripzコンセプト_外観

昨日のエントリにも登場した日産の田村宏志氏のコメントによって、フェアレディZの後継スポーツカーが現在開発中だと確認されました。

田村氏はチーフ・プロダクト・スペシャリストとして開発責任者を務めている方ですから、無責任に「発売される」と希望的観測では言わないでしょうし、言えない立場でしょう。スポーツカー・フェアレディZ発売の可能性は、かなり高まったといえると思います。

兎にも角にも、「日産の」スポーツカーの系譜は継承されそうなので安心しました。スカイラインおよびGT-Rは、日産というよりプリンス自動車の系譜に連なるスポーツカーだからです。


国際派のフェアレディZ

初代S30フェアレディZは、当時人気があった「ジャガーEタイプ」をモデルに開発されました。企画した片山豊氏(当時の北米日産社長)が「ジャガーEタイプみたいなの作ってくれと頼んだ」と後に語っているくらいです。

フェアレディZは発売されるや否や「プアマンズジャガー」として、アメリカの若者たちに大ヒットしました。ジャガーのように端正なスタイリングを実現したことが、大ヒットの要因でした。

ちなみにジャガーも「プアマンズ・ベントレー」と呼ばれていました。歴史は繰り返すのです。

前身となったSR310型ダットサン・フェアレディも、ブリティッシュライトウェイトスポーツを範としたオープンカーでした。フェアレディの名前自体も、ブロードウェイミュージカルの「マイ・フェア・レディ」から取ったものです。

フェアレディZは先祖代々からの国際派として、世界において日産の看板娘を務めてきたといえます。

日産代表としてZがファミリー化?

新しいフェアレディZはGripzとコンポーネントを共有する、同じプラットフォームの車となるそうです。よってGripzはスポーツカーとSUVのクロスオーバーとなります。

スカイラインおよびGT-Rが長らく国内専門のブランドだったのに対し、フェアレディZは先述のように海外で大ヒットした車です。

よって国際的にアピールするならフェアレディZの方が有利なのですが、S30およびS130が北米で大ヒットしたのは70年代の話です。名前だけでは、とても今の若者に訴求できません。

SUVのGripzが企画されたのは、フェアレディZのレガシーを活用しながら、若年層にフェアレディZのブランドを浸透させるためでしょう。今後もしかしたら、ターゲット層に合わせたフェアレディZがファミリー化するかもしれません。