第50回スーパーボウルで、もっとも評価された車のCMは?
- 1. 試合はブロンコスが勝利! CMの勝者は?
- 1.1. USA TODAY紙の「Ad Meter」とは?
- 1.2. 総合47位 ACURA「What He Said」平均得点4.37
- 1.3. 総合34位 MINI「Defy Labels」平均得点4.87
- 1.4. 総合30位 Buick「Wedding」平均得点5.04
- 1.5. 総合24位 Jeep「4×4ever」平均得点5.21
- 1.6. 総合15位 KIA「Walken Closet」平均得点5.61
- 1.7. 総合13位 Jeep「Portraits」平均得点5.70
- 1.8. 総合10位 TOYOTA「The Longest Chase」平均得点5.97
- 1.9. 総合8位 AUDI「Commander」平均得点6.04
- 1.10. 総合7位 HONDA「A New Truck to Love」平均得点6.13
- 1.11. 総合6位 HYUNDAI「Chase」平均得点6.19
- 1.12. 総合5位 HYUNDAI「Ryanville」平均得点6.27
- 1.13. 総合1位 HYUNDAI「First Date」平均得点6.90
試合はブロンコスが勝利! CMの勝者は?
記念すべき第50回大会は、事前予想ではキャム・ニュートンとペイトン・マニングという新旧のクォーターバック(以下、QB)が勝敗のカギを握ると思われていましたが、フタを開けてみればディフェンス対決で、パンサーズとブロンコスの両QBは何もさせてもらえませんでした。
筆者個人としては、ブロンコスのラインバッカー陣によるQBサックショーが見れてとても楽しかったのですが、普段アメフトを見ない人には地味で退屈な試合に感じられたようです。
スーパーボウルでは派手なハーフタイムショーや、30秒で6億円ともいわれる試合中のCMも注目の的となります。車好きとしては、各自動車メーカーのCMに対する評価が気になるところですよね。
目次
- USA TODAY紙の「Ad Meter」とは?
- 自動車メーカー最下位(総合47位)
- 自動車メーカー11位(総合34位)
- 自動車メーカー10位(総合30位)
- 自動車メーカー9位(総合24位)
- 自動車メーカー8位(総合15位)
- 自動車メーカー7位(総合13位)
- 自動車メーカー6位(総合10位)
- 自動車メーカー5位(総合8位)
- 自動車メーカー4位(総合7位)
- 自動車メーカー3位(総合6位)
- 自動車メーカー2位(総合5位)
- 自動車メーカー1位(総合1位)
- 総評
- おまけ「かわいいわんこ」
USA TODAY紙の「Ad Meter」とは?
Ad Meterは、スーパーボウル中継で放映されたCMに関する世論調査の結果をまとめたものです。調査は試合中継の間に行われ、回答者は0点から10点の間でCMに点数を付けます。Ad Meterのサイトに行けば、そのCMを高く評価した年齢層・年収レベル・居住地域などもわかります。
2016 Results | Super Bowl 50 Ad Meter
第50回スーパーボウルでCMを流した自動車メーカーは7ブランドありました。いくつかのブランドは複数のCMを制作したため、放映されたCMは全部で12種類あります。では自動車メーカー中最低と評価されたCMから見ていきましょう。
総合47位 ACURA「What He Said」平均得点4.37
新型NSXがフィーチャーされたCMは、ヴァン・ヘイレンのシャウトに合わせてCMが展開していくイメージ映像ですが、メッセージが不明瞭で、何を伝えたいのかイマイチわかりません。
起用したのがヴァン・ヘイレンということもあってか、65歳以上の年齢層からは支持されたようです。年収別では、$75,000〜$100,000の層からの支持が集まったみたいですが、ACURAがターゲットとする顧客層はもう少し高給取りのはず。CMは失敗だったというより他ありません。
総合34位 MINI「Defy Labels」平均得点4.87
セリーナ・ウィリアムズ、ランディ・ジョンソン、トニー・ホーク、ハーヴェイ・カイテルら豪華キャストで臨んだMINIでしたが、自動車メーカーCMワースト2位という不名誉な結果に終わりました。
動画を見ればわかるように、このCMは普通すぎます。もし普段のCMとして放映されたなら、これほど低い評価を下されることはなかったでしょう。けれどスーパーボウルのCMとしては地味で物足りない感じがします。
総合30位 Buick「Wedding」平均得点5.04
結婚式で投げられたブーケを、女性がワイドレシーバーの如くワンハンドキャッチするという内容です。このCMは、2014-15シーズンのNFLでオデル・ベッカムJr.(NYジャイアンツ)が見せたスーパープレイのオマージュになっています。
ですがスーパーボウルは普段NFLを観戦しない人も見るビッグイベントです。ファンにとってはニヤリとする内容でも、ライト層の目には何だかよくわからないCMに映ったのではないでしょうか。
総合24位 Jeep「4×4ever」平均得点5.21
郷愁漂うイメージビデオで、とてもカッコいいCMだと思います。しかしスーパーボウル中継の合間に流すものとしてふさわしいとは思えません。
このCMはハワイ州からの支持が突出して多いです。アメリカ本土の雄大さを感じられるCMなので、ハワイの人々の心に強く訴えるものがあったのでしょう。
総合15位 KIA「Walken Closet」平均得点5.61
ベージュの靴下を探してウォークイン・クローゼットに入ると、クリストファー・ウォーケンが「ウォーケン・クローゼット」として登場し、新型KIAオプティマに乗ることを勧めます。ベージュの靴下は退屈の象徴で、KIAオプティマは刺激的な「靴下」というわけです。
KIAはNBAのスポンサーを務めるなど、若者向けというイメージがあったのですが、今回のCMは明らかに中高年向けの作りです。年齢層別に見ても、50〜64歳の視聴者が高得点をつけています。KIAのブランド戦略が変わったのかもしれません。
総合13位 Jeep「Portraits」平均得点5.70
JeepのもうひとつのCM「Portraits」が上位にランクインしました。しかし先述のCMと同じく、このCMもお祭りであるスーパーボウルにふさわしいとは思えません。素晴らしいCMではあるのですが……。
総合10位 TOYOTA「The Longest Chase」平均得点5.97
銀行強盗が新型プリウスで逃亡し、警察とカーチェイスを繰り広げるストーリーです。
映像的には迫力があり楽しめるのですが、なぜ銀行強盗が市民から応援されているのかがわかりません。「プリウスの走りがカッコいい」から応援されているという設定だとしたら、ちょっと無理があると思います。
総合8位 AUDI「Commander」平均得点6.04
引退した宇宙飛行士が息子に促されアウディR8に乗り、若かりし頃の自分を思い出すという内容です。R8は宇宙に行くくらい刺激的、ということでしょうか。
CM内容に準じ、支持者の年齢層も50歳以上と高めですが、年収別では$150,000以上の層からの支持が突出しています。
総合7位 HONDA「A New Truck to Love」平均得点6.13
ホンダのピックアップトラック「リッジライン」に載せられ牧場に運ばれてきた羊たちが、Queenの「Somebody to Love」を合唱するというCMです。
歌詞である「誰か 誰か 誰か俺に 愛すべき誰かを見つけてくれるかい?」の、「愛すべき誰か」が「リッジライン」だということなのでしょう。
動物ものは安定して強いですね。ピックアップトラックのCMであるにも関わらず、女性からの支持が圧倒的に多いのも、かわいい動物たちのおかげでしょう。
総合6位 HYUNDAI「Chase」平均得点6.19
クマに襲われたカップルが、スマートウォッチでヒュンダイ・エラントラのエンジンをかけ、間一髪のところで逃げ切るというストーリー。あと一歩のところで獲物を逃したクマたちの反省会がかわいらしい。
総合5位 HYUNDAI「Ryanville」平均得点6.27
こちらもヒュンダイ・エラントラのCMです。2人の女性がエラントラで通りかかった街は、住む人全員がライアン・レイノルズという「Ryanville」でした。
ピープル誌に「もっともセクシーな男性」として選ばれたこともあるレイノルズですから、見とれた女性がよそ見してしまうのも仕方がありません。でも自動ブレーキがあるから大丈夫だよと、エラントラの性能をアピールしています。
支持層のデータを見るとほぼ男女半々で、若者からの支持が多かったみたいです。
総合1位 HYUNDAI「First Date」平均得点6.90
初デートに誘われた娘の彼氏に、気前よくヒュンダイ・ジェネシスを貸し出す父親。しかしそれは「Car Finder」で車の位置を特定するために父親が仕組んだ罠だったというストーリー。行く先々で彼氏を妨害する父親役を、ケヴィン・ハートがコミカルに演じています。
年齢層別に見ると、20歳以下から圧倒的な支持を集めています。題材が「初デート」なのが、若者層にウケた要因でしょうね。
総評
ヒュンダイが上位を独占しましたが、本数だけ見てもわかるように、彼らはCM製作にもかなりの金額を投じています。
気になったのは、若者から支持を集めた車のCMがヒュンダイの「First Date」と「Ryanville」の2つだけだったことです。米国でも若者のクルマ離れが進みつつあるのかもしれません。
最後のもう1点。今回のスーパーボウルのCMは、全体的に低評価でした。ヒュンダイの「First Date」は、1989年の「Ad Meter」開始以来、各年トップを獲得したCMとしては歴代最低点です。テレビCM自体が訴求力を失いつつあるのでしょう。
おまけ「かわいいわんこ」
かわいい(小並感)
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