ポルシェ新型パナメーラ プラグインハイブリッドで燃費40km/L!
新型パナメーラのプラグインハイブリッド(PHEV)である、「パナメーラ4 E-Hybrid」の予約受注が始まりました。ハイパフォーマンスと燃費とを両立した、ポルシェならではのPHEVに仕上がっています。
パナメーラ4 E-Hybridの詳細
まずは基本的なスペックから。右列の()内は日本仕様の数値となります。
主要諸元 | |
---|---|
全長(mm) | 5,049 |
全幅(mm) | 1,937 |
全高(mm) | 1,423 |
ホイールベース(mm) | 2,950 |
エンジン出力(ps) | 334(330) |
エンジントルク(kgf・m) | 45.8 |
モーター出力(ps) | 138 |
モータートルク(kgf・m) | 40.8 |
システム出力(ps) | 468(462) |
システムトルク(kgf・m) | 71.3 |
最高速(km/h) | 275(278) |
0-100km/h(秒) | 4.6 |
NEDC燃費(km/L) | 40.0 |
パナメーラ4 E-Hybridの動力性能
最高速は278km/hですが、モーターだけでも140km/hまで加速できます。大抵の在来線よりも速いということになります。
0-100km/h加速の数値は、スポーツクロノパッケージ(標準装備)のものです。先代のパナメーラPHEVの0-100km/h加速は5.5秒でしたから、大幅な進歩です。トランスミッションが先代の8速ATから8速DCT(PDK)に変更されたのが効いているのでしょう。
ガソリン仕様の「パナメーラ4S(スポーツクロノ)」よりも0.4秒遅いのは、バッテリーによる重量増加があるからでしょう。「パナメーラ4 E-Hybrid」は、ラゲッジスペースの床下に14.1kWhの液冷式リチウムイオンバッテリーを搭載しています。そのために車重は2トン前後(先代は2130kg)になるはずです。
パナメーラ4 E-Hybridの燃費
とはいえ燃費は圧倒的です。NEDC(ニュー・エコノミック・ドライビング・サイクル)燃費は、JC08と同様に実燃費との乖離が大きいモード燃費です。しかしEV走行距離が50kmに伸びたため、ちょい乗りならばガソリンを使わずに済みますから、遠出しないかぎりは実燃費を上回ることの方が多くなるでしょう。
もちろんそれらは、充電さえされていれば、の話です。パナメーラ4 E-Hybridは、230V・10A接続なら5.8時間、オプションの7.2kWの車載チャージャー+230V・32A接続ならば、わずか3.6時間でフル充電されます。
パナメーラ4 E-Hybridのインテリア
インテリアは基本的にガソリンエンジンの第2世代パナメーラと同じです。違うのはハイブリッド専用のパワーメータがあることで、使用中の電力やエネルギー回生の状況について確認できます。
第2世代パナメーラのインテリアを特徴づける「ポルシェアドバンスドコクピット」には、アナログタコメーターの両側にある2つの7インチディスプレイと、センターコンソールの12.3インチタッチスクリーンが備わっています。これらで車両の状態をモニタリングできるだけでなく、12.3インチのタッチスクリーンでは、「ポルシェ・コミュニケーション・マネジメント(PCM)」を操作可能です。
PCMで操作できる各種モード
- スポーツ
- スポーツプラス
- Eパワー(標準的なモード)
- ハイブリッドオート(燃費効率重視)
- Eホールド(モーターのみでEV走行)
- Eチャージ(エンジンで充電)
スポーツおよびスポーツプラスモードでは、モーターは加速ブーストのために用いられます。
面白いのはEチャージモードですね。ハイパワーな2.9LのV6ツインターボエンジンをレンジエクステンダーとして使うことで、(走行に必要なパワー+充電に必要なパワー)を生み出し、エンジンで走行しながらの充電を可能にしているようです。
新型パナメーラの気になるお値段
V6ツインターボのパナメーラ4Sは1591万円、V8ツインターボのパナメーラターボは2327万円となっています。
2016年9月に追加されたパナメーラ4 E-hybridは、1407万円です。燃費を考えるとかなりお買い得に見えますね。
パナメーラの新旧デザイン比較
全体的にはキープコンセプトですが、リア周りのデザインが変化したおかげで、見違えるほどかっこ良くなった新型パナメーラ。旧型の野暮ったさはどこへいったんでしょうね。でも実際のデザインの変更点は、ほんの僅かしかありません。それを確認するために、まずはサイドビューを比較してみましょう。
正統派のクーペスタイル
一目瞭然ですね。新型はルーフからリアエンドへ向かうラインがスムーズで、流麗なファストバックとなっています。それに比べると旧型は、シューティングブレーク的な形状で、スポーツカーらしくありません。Aピラーからルーフへのつながりも、新型の方がスムーズです。
新型パナメーラはホイールベースが30mm延長され、乗員が車体中央に位置するようになりました。そのためヘッドクリアランスを確保するための不自然なルーフ形状・ピラー形状が不要となり、後席部分のルーフを20mm低くできたのです。
新型は全高が5mm(ターボは9mm)高くなりました。でもスムーズになったルーフラインのおかげか、新型の方が低く見えるのが不思議です。全幅は6mmワイドになっています。
顔つきはよりポルシェらしく
カイエンや911などと同系統のフロントマスクに変更されました。旧型だとターボSがこの系統の顔つきでしたね。ヘッドライトはLEDとなっています。
ワイド感のあるリア周り
ボディサイドに回りこむような形のテールランプに加え、左右をつなぐ水平方向のラインが複数走っていることで、ボディのワイド感が強調されています。
そのうえCピラーが寝ていて、後方に行くに従い絞りこまれているので、リアウィンドウの大きさが気になりません。新旧を見比べると、旧型のリアは腰高な感じです。
新型パナメーラのインテリア
シンプルで清潔感のあるインテリアです。ポルシェによるとパナメーラは「スポーツカー兼ラグジュアリー・サルーン」らしいのですが、内装はスポーツカーのそれですね。
中央に鎮座するタッチスクリーンは12.3インチ。Apple CarPlayにも対応しています。しかしAndroid Autoへの対応状況は不明です。
メーターは中央のみアナログ、左右はハイレゾスクリーンとなっています。
リアシートは40:20:40の分割可倒式。ラゲッジスペースは495〜1304Lの大容量です。リアシートを倒したときのラゲッジ容量は、先代比+41Lとなっています。
ラグジュアリーな装備も充実
デザインはスポーツカーライクなパナメーラのインテリアですが、パノラミック・チルト・ルーフやマッサージシート、アンビエントライト、イオン発生器、そしてBrumesterの3Dハイエンドサウンドシステムなどがオプションで用意されています。
中でもBrumester(ブルメスター)のオーディオは、総出力1455W、21個のスピーカーという贅沢なものです。
新型パナメーラの走行性能
新型パナメーラのエンジン
エンジンラインナップは以下の通りです。
エンジン | 排気量(L) | 馬力(ps) | トルク(Nm) |
---|---|---|---|
V6ツインターボ | 2.9 | 440 | 550 |
V8ツインターボ | 4.0 | 550 | 770 |
V8ディーゼル | N/A | 422 | 850 |
以下はパフォーマンスの一覧表となります。
エンジン | 最高速(km/h) | 0-100km/h(秒)※1 | 燃費(km/L) |
---|---|---|---|
V6ツインターボ | 289 | 4.4 | 12.1 |
V8ツインターボ | 304 | 3.8 | 10.6 |
V8ディーゼル | 285 | 4.5 | 14.7 |
※1 スポーツクロノ装着車は0-100km/hのタイムが−0.2秒となる。
ディーゼルの最高速としては世界最速の新型パナメーラ・V8ディーゼルですが、残念ながら日本導入の予定は今のところ無さそうです。
新型パナメーラのハンドリング
3室制御のアダプティブ・エアサスペンションが採用されました。また、リアアクスルステアリング(4WS)も初採用です。ロングホイールベースのデメリットを打ち消すために、リアタイヤ操舵を取り入れたのでしょう。
電子制御関係では、ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント(PASM)や、ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール・スポート(PDCC Sport)、ポルシェ・トルク・ベクタリング・プラス(PTV Plus)などが装備されています。
これらによって新型パナメーラターボは、ニュルブルクリンクで7分38秒を記録したとのことです。タイヤの進歩があるとは言え、ポルシェ911GT3RS(タイプ997)と同等のタイムを、4人乗りのサルーンが叩きだしたのには驚きです。
また、アダプティブクルーズコントロールを強化したという、ポルシェ InnoDriveも装着されています。予測に基づき速度を最適化するものらしいのですが、単なる全車速追従型クルーズコントロールなのか、それともテスラのようなレベル2自動運転なのか、詳細は不明です。
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