コンシューマー・レポートがテスラを批判
非営利組織で広告を掲載せず、独自の試験や調査に基づき製品やサービスへの建設的な提言を行っているコンシューマー・レポートが、テスラは自動運転機能を使用禁止にすべきだと主張しています。
トップ画像の出典: netcarshow.com
目次
- 1.コンシューマー・レポートの主張
- 1-1.自動運転を使用禁止に
- 1-2.「オートパイロット」という名称は変えるべき
- 2.テスラ側の反論
- 2-1.自動運転中の事故に関する見解
- 2-2.自動運転の安全性
コンシューマー・レポート紙の主張
コンシューマー・レポート(以下、CR)の主張は以下の通りです。
- テスラの自動運転に安全面の改良が施されるまでは、自動運転を使用禁止にすべきだ。
- テスラの自動運転は「オートパイロット」という名称だが、誤解を招くので名称変更すべきだ。
自動運転を使用禁止に
テスラ車が自動運転中に起こした事故の発生状況を分析したCRは、「自動運転の作動は、ドライバーがステアリングに手を置いているときに限定すべきだ」と主張しています。
現在のテスラ車に搭載されている自動運転システムは、「NHTSA・レベル2」に分類されるものなので、いわゆる半自動運転にすぎません。なのでドライバーは自動運転中であっても、いつでも運転を替われるよう、常に準備しておく必要があります。
実際にテスラ車のオートパイロット(テスラの自動運転機能の名称)をONにすると、「ステアリングには常に手を置いてください」「ドライバーは車両の状態に責任を持ち、コントロールできる状況を維持してください」と警告されます。
しかしCRは警告だけでは不足だと考えているようで、「ステアリングに手を置かないと作動できないように、自動運転プログラムを変更すべき」「変更がなされるまでは、自動運転機能を使用禁止に」と呼びかけているのです。
「オートパイロット」という名称を変えるべき
警告があるにもかかわらず、ドライバーがステアリングから手を離してしまう原因は何か? CRは「オートパイロット」という名称に、その原因があると考えています。半自動運転なのに、完全な自動運転と勘違いするような名前だからです。
たしかに"オートパイロット“という響きには、「ONにしたら後はすべて車まかせ、ドライバーは何もしなくてよい」というニュアンスが感じられます。
“オートパイロット“をONにした後に、「ステアリングには常に手を置いてください」という警告を受けても、さほど切迫感が感じられません。それどころか「念のために──」「一応は──」という意味合いに聞こえてしまいます。CRもそのことを指摘しているのです。
テスラ側の反論
一方、テスラの創業者であるイーロン・マスク氏は、「オートパイロットを使用禁止にするつもりはない」「オートパイロットの名称も変えない」と、CRに対し反論しています。
自動運転中の事故に関する見解
これまで自動運転中に3回の事故が起きていますが、死亡事故となった1回は「特殊な状況だった」ためであり、残り2回は「(ドライバーの主張とは食い違うものの)そもそもオートパイロットは使われていなかった」というのがテスラ側の見解です。
自動運転の安全性
テスラ車のオートパイロットは──
- レーダー
- 超音波センサー
- コンビネーションカメラ
──などで周囲の交通状況をモニタリングし、車線維持や速度調節を自動で行うものです。自動駐車システムも備わっています。
統計学的に見ると人間の運転よりもオートパイロットの方が安全というのが、テスラ側の主張です。しかしドライバー自身の不注意やミスで事故に遭うのと、テスラ車のシステムのせいで事故に遭うのとでは、責任の所在が異なるのは明らかです。
よって人間のドライビングよりも安全だからといって、テスラ社が免責されるということはありえません。今後も事故が続いた場合は、CRの主張するような対策を取らざるを得なくなるでしょう。
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