キア・スティンガーGTが、デザイン軽視の日本車に毒針を突き立てる【12/28更新】
韓国の自動車メーカー・キアが、スティンガーGTと呼ばれる4ドアクーペを発表しました。
スティンガーGTの狙いはズバリ、キアのプレミアムブランド化です。
今回はスティンガーGTのスペックや画像をまとめました。
韓国車のレベルがまた一段上がったことを認めざるを得ない完成度ですので、ぜひご一読ください。
更新情報
インテリアなどの画像を大量に追加し、記事中の情報を最新のものに書き換えました。(2017/12/28)
スティンガーGTのエクステリア
スティンガーGTのデザイン
キア・モータース・ヨーロッパのチーフ・デザイナー、グレゴリー・ギヨーム氏によると、スティンガーGTは「快活な長距離ドライブのために作られた真のグランツーリスモ」だそうです。
キア・モータースのチーフ・デザイン・オフィサーであるピーター・シュライヤー氏は、「コンセプトカーのスタイリングを市販車でも守れたことに大変満足している」と語っています。
シュライヤー氏はキア版のマセラティ・ギブリを作るつもりで、スティンガーGTの開発をスタートさせたといいます。
でもスタイリングは全く似ていません。
リア周りがアウディA5スポーツバックに似ている程度で、フロント周りは非常に独創的です。
スティンガーGTのインテリア
スティンガーGTのシャシー
ヒュンダイ・ジェネシスと共通のプラットフォームを持つ、フロントエンジン・リアドライブ(FR)のシャシーです。
ボディサイズは全長4831mm、全幅1869mm、全高1400mm、ホイールベース2905mmとなっています。
スティンガーGTのサイズは、レクサスGS(全長4880mm)に近いものです。
しかしホイールベースがGS(2850mm)よりも長いので、後席の足元空間はスティンガーGTの方が広いかもしれません。
しかしスティンガーGTは実質4ドアクーペですから、頭上の広さではGSの方が上でしょう。
ニュルブルクリンクで鍛えたハンドリング
最近の高性能車のご多分に漏れず、スティンガーGTもニュル育ちです。
開発チームを率いたのは、アルベルト・ビーアマン氏。彼はBMW Mディヴィジョンの開発チーフを務めていた人物です。
スティンガーGTのサスペンションは、フロントのマクファーソンストラットは新設計、リアのマルチリンクサスも改良が加えられているなど、プラットフォームを共有するジェネシスとは別物となっています。
ダンパーは「ダイナミック・スタビリティ・ダンピング・コントロール」と名付けられた、電子制御アダプティブ・ダンパーです。
また、電動パワステは5つのドライブモードに合わせて、感度や重さが調整されます。
スティンガーGTのエンジン
パワーユニットは2.0L・直列4気筒ターボと、3.3L・V6ツインターボの2つです。
2.0Lは259ps・352Nm、3.3Lは370ps・510Nmを発生します。
3.3Lの0-60mph(0-96km/h)加速は4.4秒、1/4マイルは12.9秒です。
車重が1816kgであることを考えると、かなり健闘しているタイムといえます。
3.3Lの最高速は269km/hです。
これならアウトバーンの飛ばし屋たちからも不満は出ないでしょう。
トランスミッションは8速AT。オプションで4WDも設定されます。
スティンガーGTの価格
3.3Lモデルの米国価格は、50,100ドルです。
1ドル=113円換算だと、約566.1万円ですね。
ちなみにレクサスGSの米国価格は46,310ドル(523.3万円)、BMW・5シリーズでも52,400ドル(592.1万円)ですから、スティンガーGTはかなり強気な価格設定です。
キア・モータースの強さの秘密とは?
キアは年間300万台ほどを生産しているにすぎませんが、欧米における評価が非常に高いメーカーです。
とくにデザインは、親会社のヒュンダイよりもはるかに評価されています。
ヒュンダイは新型車を発表するたびに「アウディかと思った」「インフィニティに似てる」だのとパクリを指摘されているのに対し、キアのスタイリングはその個性を絶賛されているのです。
キアは韓国の自動車メーカーですが、デザイナーや開発者にはヨーロッパ人を起用する傾向があります。
今回の記事中でてきた人物も、全員がヨーロッパ人です。
国籍にとらわれることなく才能ある人物に開発を任せることで、キアは優れた車を次々と世に送り出しています。
日本の自動車メーカーは、日本人が作ることにこだわりすぎです。
海外の才能をもっともっと活用しないと、韓国車の後塵を拝することになります。
とくにデザイン面においては、日本車は韓国車に劣っているといっても過言ではありません。
スティンガーGTとレクサスGSを見比べたら、そう思わざるを得ないのです。
でもレクサスLCや新型CX-5のように、優れたデザインの日本車も増え始めています。
日本勢の巻き返しに期待したいところです。
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