【悲報】新型スープラはオートマのみ!?
流出した新型スープラに関する内部文書には、オートマチック・トランスミッション(AT)のバリエーションしか書かれておらず、マニュアル・トランスミッション(MT)のグレードは記載されていませんでした。
そのため海外メディアは、「新型スープラがオートマのみになるのではないか?」と騒いでいます。
スープラは海外にもファンが多い車ですし、今の中高年世代が若かりし頃に憧れた車でもありますから、MTが無いかもという情報はショックだったのでしょう。
しかし筆者は、新型スープラにもMTが用意されると考えています。
今回は、筆者がそう思う理由について書いてみました。
画像の出典: carscoops.com
新型スープラにMTがあると思う理由
理由その1 兄弟車の新型Z4にはMTがある
新型スープラの内部文書には、新型Z4のエンジン-トランスミッションの組み合わせについても記述されています。
それによると「Z4 sDrive 30i」と「Z4 M40i」に、それぞれMTのバリエーションが存在するのです。
新型スープラのエンジンは、新型Z4と同じ2.0リッター・直4ターボ(248ps)と、3.0リッター・直6ターボ(335ps)の2つなので、Z4と同じマニュアル・ギアボックスならば装着できるでしょう。
スープラにもZ4と同じMTを搭載すれば、量産効果でコストダウンにつながります。
あえて載せないという選択は、企業利益の観点からしてありえないと思うのです。
理由その2 スポーツカーに対するトヨタの意識変化
豊田章男社長に代替わりしてからというもの、トヨタは「走る楽しさ」を重視する会社に生まれ変わったように見えます。
モータースポーツにも積極的に取り組むようになりましたし、86/BRZやレクサスLCやRCなど、スポーツカーのラインナップも大分増えました。
GRMNというブランドを通じ、本格的なチューニングを施したコンプリートカーの販売も始めています。
GRMNでは、MTの設定が無いマークXをあえてMTに改造するなど、徹底的にこだわっているのです。
それなのにリアル・スポーツカーの新型スープラに、MTを用意しないなんてありえるでしょうか? 筆者はありえないと思います。
理由その3 スポーツカーに対する市場ニーズの変化
スポーツカーへのニーズとしては、大きく分けて2つの潮流があります。
1つはマツダ・ロードスターのような、速さよりも楽しさを重視する考え方です。
86/BRZも、どちらかと言うとこちらに属する車でしょう。
もう1つは、レーシングカー由来の技術を用いることで、徹底的に速さを追求するというものです。
ポルシェ911や日産GT-Rがその典型例ですね。
速さを追求しようとすると、MTは無用の長物となってしまいます。
デュアル・クラッチ・トランスミッションの方が、圧倒的に変速スピードが速いからです。
しかし最近は、速さを追求してきたスポーツカーであっても、操る楽しさを重視するようになってきました。
十分なパワーを発生するエンジンと、ドライバーの思い通りに操れるインターフェースという組み合わせは、スポーツカーの魅力をダイレクトに感じ取るにはうってつけだからです。
その代表例は、ポルシェ911Rでしょう。
911Rは、4.0リッター・フラット6の自然吸気エンジンに、6速MTを搭載し、991台限定で販売されました。
高性能車の代名詞であるポルシェ911に、あえてMTを搭載し、運転する楽しさを前面に押し出しています。
ジャガーFタイプやBMW M2も、MTモデルをわざわざ日本市場に導入しています。
高性能なスポーツカーに、遅くなるのを覚悟であえてMTを搭載するというやり方が、ちょっとしたトレンドになっているのです。
そんなタイミングで、わざわざATのみのスポーツカーを発売するでしょうか? 筆者にはどうしてもそう思えないのです。
日本でもスポーツカーへのMT需要は高い
「でも日本はAT大国だし、スープラにMTを載せたって売れないだろう」と思う方もいるかもしれません。
しかし日本国内で販売された86の7割近くがMT仕様なのです。
日本全体のMT比率がわずか1.6%であることを考えると、スポーツカーという商品の特殊性がわかりますね。
AT大国の日本市場であっても、スポーツカーならMTの需要はかなり多いのです。
そもそものMT比率が高い海外では、さらに多くの人がMTのスポーツカーを選ぶことでしょう。
新型スープラも、購入者の大半がMTを希望するはずです。
それでもトヨタがATのみで発売するなら、新型スープラは確実に失敗するでしょうね。
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