トヨタが新スポーツカーブランド「GRシリーズ」を発表! でも漂うコレじゃない感
トヨタが新しいスポーツカーブランド「GR」をローンチしました。
以前書いた「トヨタが9月に新たなスポーツカーラインナップを発表する!」という記事では、新型スープラの発表や、MR2の復活もあり得ると予想したのですが、フタを開けてみればファミリーカーにライトチューンを施して、スポーティーな味付けにしたモデルが発表されただけでした。
将来的には「世界に通用するリアルスポーツカー」の投入もあるとのことなので、その言葉を信じて待ちたいのですが、今回の発表はちょっと期待はずれだった感じが否めません。
今回はGRシリーズの6車種について見ていきます。
GRシリーズとは?
トヨタはこれまでにも、GRMNと呼ばれる高性能なコンプリートカーを販売してきましたが、それらは全て限定生産で、しかも高額でした。
GRシリーズに施されるのは、ボディ剛性の強化や、足回りやブレーキなどのチューニングのみですが、その代わり価格は抑えられています。
また、普通の生産工程にGR専用のチューニング工程を組み込む「ファクトリー・チューニング」によって、コストを削減しているようです。
例えば「マークX GRMN」は100台限定で540万円もする車でしたが、今回追加された「GR SPORT マークX」は380〜442.8万円であり、限定モデルというわけでもありません。
絶対的な速さではなく、気持ちいい走りと刺激的なスタイリングを比較的安価に提供するブランドが、GRシリーズだと言えるでしょう。
3つのグレードで展開
最上位に位置するのはGRMNです。
こちらは変わらず限定生産のコンプリートカーのみとなります。
限定生産ではないものの、駆動系やブレーキにも手が入るなど、比較的チューニングの範囲が広いグレードが「GR」です。
そしてエアロ+α程度のライトチューンが施されたグレードが「GR SPORT」となります。
GRシリーズのモデルラインナップ
まずはGR SPORTは6車種、GRは1車種が発表されました。
GR
最初はヴィッツのみのラインナップとなります。
86GRは今年の冬に追加される予定です。
スポット溶接の追加、フロントサスペンションメンバーブレース、センターブレース、リヤブレースなどで剛性アップが図られた他、SACHS製ダンパーを組み込んだ専用チューニングサスペンション、専用のブレーキキャリパーとブレーキパッド、エアロ等が装着されています。
トランスミッションは10速CVTです。
また、専用ステアリングや専用シートなど、インテリアパーツにも抜かりはありません。
GRヴィッツのパワーは109馬力と非力ですが、ハンドリングには期待できそうですね。
車種 | 馬力(ps) | トルク(Nm) | トランスミッション | 価格(万円) |
---|---|---|---|---|
ヴィッツ | 109 | 136 | 10速CVT | 230.3 |
5速MT |
GR SPORT
ヴィッツ、プリウスPHV、ハリアー、マークX、ヴォクシー/ノアの6車種がラインナップされています。
こちらもチューニング内容はGRとほぼ変わらないのですが、SACHS製ダンパーじゃなかったり、CVTが7速だったりと、GRよりも幾分ダウングレードされているようです。
車種 | 馬力(ps) | トルク(Nm) | トランスミッション | 価格(万円) |
---|---|---|---|---|
ヴィッツハイブリッド | 74+61 | 111+169 | THS-Ⅱ | 232.9 |
ヴィッツ | 109 | 136 | 7速CVT | 208.7 |
5MT | ||||
ハリアー(ターボ) | 231 | 350 | 6速AT | 399.6(4WD) |
ハリアー(NA) | 151 | 193 | CVT | 359.3(4WD) |
プリウスPHV | 98+72 | 142+163 | THS-Ⅱ | 372.4 |
マークX 350 | 318 | 380 | 6速AT | 442.8 |
マークX 250 | 203 | 243 | 380.9 | |
ノア/ヴォクシー | 152 | 193 | 7速CVT | 325.7 |
GRシリーズ拡大の意図
モータースポーツ好きや走るのが好きという人でも、ハイパワーな車は要らないという人が多いです。
一般公道ではハイパワーを使いきれませんし、高価格や燃費の悪化など、デメリットも多いですからね。
エアロとライトチューンでスポーティーな雰囲気を体験できるモデルは、まさにそんな人たちに打ってつけです。
BMWの「M Sport」や、日産の「NISMO」は、日常的に体感できる部分にチューニングを集中させ、好評を博しています。
GRシリーズはそれらの後追いなのですが、ライトチューンの「GR SPORT」と、もう少し手を加えた「GR」というように、チューニングの段階に応じて分けることで、広い価格帯をきめ細やかにカバーする戦略のようです。
この戦略が上手くいくかどうかはわかりませんが、極めてトヨタらしいやり方だと思います。
どこに行けば買える?
GRMNを除いたGRシリーズの全モデルを、一般的なトヨタディーラーで購入可能です。
2018年春に発売される「GRMNヴィッツ」は、新たに設置されるGRガレージでの取り扱いとなります。
GRガレージは、AREA 86と置き換わる形で設置されるようです。
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