ブラバム・BT62 F1で活躍した「ブラバム」の名を有するスーパーカー
かつてF1で活躍したブラバムの名前が、スーパーカーブランドとして復活しました。
ブラバム・BT62は形こそフォーミュラカーではありませんが、れっきとしたサーキット専用の車です。
ライバルはマクラーレン・セナだと言われています。
今回はブラバム・BT62のスペックや画像などについてまとめてみました。
F1チームとしてのブラバムの歴史にも簡単に触れています。
更新情報
グッドウッドに登場したBT62を撮影した動画と画像を追加しました。(2018/07/13)
ブラバムとは?
オーストラリア人として初めてF1ワールドチャンピオンになった「ジャック・ブラバム」が、ロン・トーラナックとともに興したコンストラクターです。
F1には1962年から参戦を開始し、1966年にはブラバム自身のドライビングによって、ドライバーズとコンストラクターズの2冠を獲得、翌年も両部門で連覇(ドライバーズ・タイトルはデニス・ハルムが獲得)しました。
ブラバムが運営から手を引いた後は、あのバーニー・エクレストンがチームを買収。
アルファロメオエンジン時代には苦戦したものの、迷車BT46B “ファン・カー"で、ニキ・ラウダ(現在はメルセデスAMG F1の非常勤取締役)が勝利を挙げています。
その後ブラバムはフォード・コスワースDFVやBMWターボを搭載し、ネルソン・ピケとともに2度のワールドタイトルを獲得しますが、その活躍を最後にチームは低迷し始めます。
日本にF1ブームが起こった頃には、ブラバムは既に下位チームとして定着していました。
1990年には日本人実業家に買収され、91年にはヤマハエンジンを搭載しましたが、低迷を脱するには至らず、日本のバブル崩壊とともに、ブラバムもまたその歴史に幕を下ろしたのでした。
ブラバムがF1で最後に走らせたマシンは、92年のBT60Bです。
後にワールドチャンピオンとなるデイモン・ヒルが、F1デビューを果たしたマシンでもあります。
デーモンつながりで、ヘビィメタルバンドの聖飢魔II(ボーカルはデーモン小暮閣下)がスポンサードしたことでも有名です。
また、F1では走らなかったものの、BT61の開発も進められていました。
ブラバム・BT62は、F1マシンの命名規則を引き継いでいるのです。
ブラバム・BT62の概要
BT62は、ミッドシップのGTカーらしい保守的なデザインです。
ボディワークはカーボンファイバー製ですが、内部はチューブラーフレームとなっています。
エクステリアはCFDを用いてデザインされており、空力にも配慮されています。
ダウンフォースは最大1200kgも発生するそうです。
サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン式。
プッシュロッドということなので、ダンパーとスプリングはオンボードでしょう。
オーリンズ・ダンパーは4wayの調整が可能で、やはり調整式のスタビライザーと組み合わされています。
ブレーキはブレンボ製のカーボンディスクブレーキです。
BT62の最大の強みは、その軽さにあります。
何しろ乾燥重量は972kgしかありません。
やはり軽量がウリであるマクラーレン・セナの乾燥重量が1198kgであることを考えると、BT62の軽さは驚異的です。
エンジンは5.4リッター・V型8気筒ガソリン自然吸気です。
最高出力710ps、最大トルク667Nmとなっています。
ギアボックスは6速シーケンシャルで、ステアリングのパドルでシフト操作が可能です。
インテリアはカーボンとアルカンターラで構成されています。
レーシングカーのようなステアリングの奥にあるのは、12インチのデジタル・インストゥルメント・クラスターです。
BT62は70台限定で生産されます。
ブラバムがF1で35勝したことを記念し、最初の35台はグリーン&ゴールドのカラーリングでデリバリーされるそうです。
これは1966年のフランスGPでジャック・ブラバムが優勝した際に乗っていた、BT19のカラーリングにちなんだものなのだとか。
残りの35台に関しては、購入者が選んだカラーリングとなります。
価格は100万ポンドだそうです。
1ポンド=150円換算だと、なんと1.5億円!
価格にはサーキットでの訓練プログラムも含まれているというものの、サーキット専用でFIA-GT3よりも高価なマシンが、はたして70台も売れるのかは疑問です。
グッドウッドに登場
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、ブラバム・BT62がお披露目されました。
かつて物議を醸したF1マシン「BT46B"ファンカー"」と同じカラーリングで登場したBT62は、グッドウッドでお馴染みのヒルクライムを走行。
タイムアタックしたわけではないものの、ストレートの加速からは、その実力の片鱗を垣間見ることができます。
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