ポルシェ981ベルクスパイダー ボクスターで伝説のヒルクライムマシンをリバイバル
ポルシェが、981ベルクスパイダーを公開しました。
伝説のヒルクライムマシン「909(通称ベルクスパイダー)」のコンセプトに基づき、981ボクスターをベースに製作したプロトタイプです。
今回は981ベルクスパイダーの概要をご覧ください。
ポルシェ 981ベルクスパイダーの概要
ポルシェ 909とは?
ポルシェ 909は、プロトタイプ・レーシングカーの910を、ヒルクライム用に改造したレーシングカーです。
909は279psの2.0リッター・水平対向8気筒エンジンを搭載していたにも関わらず、車重はわずか384kgに抑えられていたため、優れたパワーウエイトレシオを実現していました。
ポルシェは1958年からヨーロッパ・ヒルクライム選手権・スポーツカークラスで連覇を続けていましたが、1968年にフェラーリがヒルクライムマシンとして「212E モンターニャ」を発表します。
212Eは68年の実戦投入こそ叶わなかったものの、軽量・ハイパワーな212E(車重500kg, 2.0L・水平対向12気筒は320psを発生)が、翌年以降ポルシェの脅威となるのは確実でした。
そこで212Eに対抗すべく、フェルディナント・ピエヒは909に徹底的な軽量化を施したのです。
909は1968年シーズンに投入されたものの、ポルシェのドライバーたちは910ベルクスパイダーを好み、タイトルを防衛したのも910の方でした。
そして69年のヨーロッパ・ヒルクライム選手権では、フェラーリにタイトルを奪われてしまいます。
しかし909はテクニカルコース用のレーシングカー「908/03」に姿を変え、サーキットで成功を収めたのです。
981ベルクスパイダーの概要
981ベルクスパイダーも909と同じく、徹底的な軽量化を施されています。
何しろ車重は1,099kgしかありません。
ベースの981ボクスター(MT仕様)が車重1,377kgであることを考えると、驚異的な軽さです。
そしてエンジンは、ケイマンGT4の3.8リッター・水平対向6気筒が搭載されています。
このエンジンの最高出力は393psです。
よってパワーウエイトレシオは2.796となります。
0-100km/hを約4秒でこなし、ニュルブルクリンクを7分30秒前後で周回するパフォーマンスを想定しているそうです。
981ベルクスパイダーは、シングルシーターに改造されています。
そのためダッシュボードも新設計されました。
シートはイミテーションレザー製で、防水仕様です。
助手席部分はラゲッジスペースとなっていて、ヘルメットなどを置くことができます。
981ベルクスパイダーは2年間に渡ってヴァイザッハの開発センターに展示されていましたが、最近ポルシェ博物館に移管されたそうです。
2019年のガイスベルク・ヒルクライムレースにて、実車が初公開されます。
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