CO2に縛られるスポーツカーメーカー
環境規制による締め付けは増すばかり、スポーツカー・メーカーの春はいつやってくるのでしょうか?
フェラーリとアストンマーチンは2015年のCO2排出削減目標を達成できず、両社合わせて50万ユーロの罰金を支払わなければいけなくなりました。
CO2削減=燃費の向上
ガソリンには、リッターあたり2322gのCO2が含まれています。
EUは2015年に販売される新車のCO2排出量の平均を、119.5g/kmに設定していました。
燃費に換算すると19.41km/Lとなります。
ちなみに2020〜2021年には、この目標が95g/km=24.42km/Lにまで引き上げられる予定です。
ヨーロッパの自動車メーカーが、なぜパワートレインの電動化に心血を注いでいるかといえば、このCO2排出量の目標値を達成するために他ならないのです。
各自動車メーカーのCO2削減の進捗状況
フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)、オペル、フォード、BMWなどは、EUのCO2削減目標を上回るペースで燃費が改善されているそうです。
BMWはプラグインハイブリッド(PHV)などの電動パワートレインの導入や、3気筒および4気筒エンジンの燃費改善が功を奏したとコメントしています。
来年はPHVやEVなどを年間100,000台売りたいと考えているようです。
トヨタとルノー、プジョー・シトロエンは、すでに2021年のCO2削減目標に限りなく近いレベルに達しており、今後6年間でさらに16g/kmの削減が見込まれています。
EVのCO2削減効果
ルノーは新車販売台数の2%弱をEVにするだけで、2g/kmのCO2を削減できると踏んでいます。
また、ディーゼル車はガソリン車よりも平均300kgも重いものの、CO2排出量の平均は119.2g/kmで、ガソリン車よりも3.3g/kmほど少ないです。
しかしこの差は2000年には17.1g/kmもあったので、ディーゼルのアドバンテージは失われつつあるということでしょう。
フォルクスワーゲンの排ガス不正の影響で、各国の環境基準が厳しくなったため、ディーゼルは排ガス浄化のためにさらなるコスト負担を強いられています。
それによって脱ディーゼルの動きが加速しているため、今後はさらにPHVやEVの販売に比重が置かれるはずです。
フェラーリとアストンマーチンに対する罰金
フェラーリには410,760ユーロ、アストンマーチンには36,670ユーロの罰金が課せられるようです。
両メーカーにとっては大した金額ではありませんが、CO2排出規制は今後厳しくなっていくわけですから、燃費を改善できなければ、罰金額もそれに比例して大きくなっていくでしょう。
しかしスポーツカーをビジネスにしている以上、いくら燃費を改善するためとは言っても、パフォーマンスを犠牲にするわけにはいきません。
なので両メーカーにとっては頭の痛い問題だと思います。
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