アストンマーチンがSUV「DBX」のために新ファクトリー建設中

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イギリス・サウスウェールズで、アストンマーチンの新ファクトリー建設が始まりました。
新ファクトリーで生産されるのは、SUVのDBXと見られています。

アストンマーチンが新ファクトリーを建設してまでSUVを生産する狙いとは何か、調べてみました。

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セント・アサンのアストンマーチン新ファクトリー

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新ファクトリーの建設候補地は、当初20ヶ所もあったそうです。
そこから4ヶ所(アメリカ・アラバマ州、中東、イギリス・コヴェントリー、そしてイギリス・サウスウェールズ)にまで絞り込み、最終的にサウスウェールズのセント・アサンに決定しました。

セント・アサンに決まったのは、政府の助成金と、本社工場のあるゲイドンから近いということが決定打になったようです。

新ファクトリーへの投資額は、およそ2億ポンド(£1=¥145換算で、290億円)。
このプロジェクトにかけるアストンマーチンの意気込みのほどが伝わってきますね。

新ファクトリーに対する期待

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アストンマーチンは年間7000台の生産台数を目標として掲げており、その7000台のうち3000台を、SUVのDBXが占める予定です。

新ファクトリーはDBXの90%──つまり2700台──生産する予定です。
また、DB11を含む新しいスポーツカー(おそらく新型ヴァンテージなど)の生産も受け持ちます。

将来的には世に送り出されるアストンマーチンの半分が、セント・アサンで生を受けることになるでしょう。
新ファクトリーはアストンマーチン飛躍の切り札として期待されているのです。

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アストンマーチンのSUV、DBXの狙い

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2020年には3000台を生産すると強気な目標が立てられているDBX(発売は2019年を予定)ですが、そのターゲットは女性のようです。

高級スポーツカーメーカーの顧客層というのは基本的に、「中高年」の「男性顧客」がほとんどを占めています。
そもそも若者はお金を持っていませんし、大半の女性は速い車に興味がありません。

つまり女性の顧客層というのは、高級スポーツカーメーカーにとって有望な顧客が大勢眠っている、魅力的なフロンティアなのです。

そのフロンティアに目をつけたアストンマーチンは、DBXを「便利で」「子供を乗せやすい」「安全な車を求めている」「裕福な女性」に売りたいと考えているようです。
未開拓の顧客層ですから、上手く行けば販売台数の倍増も期待できますし、自社のラグジュアリーなイメージを利用できると踏んだわけですね。

DBXとは?

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子持ちの裕福な女性向けに開発されているはずのDBXですが、コンセプトカーの「DBXコンセプト」は、2ドアです。
これでは子供を乗せやすいとは言えません。

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DBXコンセプトは、リチウム硫黄電池を搭載するインホイールモーターのEVという触れ込みでした。
また、ドライブ・バイ・ワイヤのステアリングや、KERS(運動エネルギー回生システム)、サイドミラーレスなど、最新技術をこれでもかと盛り込んだコンセプトカーでもありました。

しかし2020には販売されることを考えると、上記の新技術が市販バージョンのDBXに搭載される可能性はかなり低いでしょう。
実装されるのはサイドミラーレスくらいでしょうか。

となると市販バージョンのDBXは、リアドアを備えた一般的なクーペSUVになる可能性が高いと思われます。

DBXコンセプトは一応4シーターだったが、便利な車ではなさそうだ。

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DBXのライバル

ちなみに女性の顧客層に目をつけたのは、アストンマーチンだけではありません。
ランボルギーニも同様に、女性向けに高級SUVを開発しています。

ランボルギーニ・ウルスは、「裕福なママに優しいファミリーカー」を目指しているそうで、商品のコンセプトまでアストンマーチンと同じです。
将来は高級SUV市場において、アストンマーチンと販売台数を競い合う相手となるでしょう。

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