WRC モータースポーツ

WRC 2017 第6戦 ラリー・ポルトガル 伝統のグラベルロードで、マシンの真価が試される!【5/22更新】

2017/05/24

2017年のWRC(世界ラリー選手権)第6戦はラリー・ポルトガルです。
ポルトガルは、世界ラリー選手権が始まった1973年から選手権に組み込まれていた伝統のグラベル(未舗装)ラリーです。
軟らかい路面ではソフトタイヤが、岩盤むき出しの硬い路面では摩耗を抑えるためハードタイヤを履きたいのですが、2つの路面が入り組んでいるためタイヤ選択の難しいラリーとなっています。

また、路面は「ルーズグラベル」と呼ばれるダストに覆われており、先頭走者のグリップを奪うだけでなく、舞い上がったダストが、ときに後続の視界を奪うこともあります。

このページではラリー・ポルトガルの模様を、ダイジェストでお送りします。

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第6戦ラリー・ポルトガルのダイジェスト

初日

木曜日はスーパー・スペシャル・ステージのみとなります。ロウサダの街に設定されたわずか3.36kmのステージなので、本格的な戦いは金曜日からです。

第51回ラリー・ポルトガル 初日結果
順位ドライバー/No./メーカー総合タイム/トップとの差
1ティエリー・ヌービル2:36.6
#5 ヒュンダイ──
1マッズ・オストベルグ2:36.6
#14 フォード+0.0
3ヘイデン・パッドン2:36.7
#4 ヒュンダイ+0.1
4エルフィン・エバンス2:37.0
#3 フォード+0.4
5ダニ・ソルド2:37.1
#6 ヒュンダイ+0.5
6セバスチャン・オジェ2:37.3
#1 フォード+0.7
7ステファン・ルフェーブル2:38.1
#9 シトロエン+1.5
7ヤリ-マティ・ラトバラ2:38.1
#10 トヨタ+1.5
9ユホ・ハンニネン2:38.4
#11 トヨタ+1.8
10クリス・ミーク2:38.6
#7 シトロエン+2.0

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2日目

SS2 26.70km

速度域が速く、それでいて表面にルーズグラベルが浮いているステージ。砂っぽい石畳の路面から始まり、後半は狭くツイスティなセクションに変化します。

このステージでトップをとったのはヘイデン・パッドン(ヒュンダイ)でした。
「整ったキレイな走りを心がけました。グリップは多くありませんでしたね。高速セクションの路面は良かったですが、狭いところでは路面が砂っぽくて柔らかく、いまいち攻めきれませんでした」

1.0秒遅れの2番手タイムは、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ)が獲得。総合でも2位にジャンプアップしています。
「全体的にとても良かったよ。でも最初のコーナーでは驚いた、とてもダスティで滑りやすかったんだ。その後はグリップが改善して、良くなっていったよ」

トップから1.2秒遅れの3番手タイムは、クリス・ミーク(シトロエン)でした。
「ハッピーだ。いいスタートだな。リズムも良かった。車はよく機能しているみたいだ。ハッピーな車は、ハッピーなドライバーを意味するもんさ」

SS3 18.10km

大西洋に面したステージ。森林は火災で消失してしまいましたが、その分視認性は高くなっています。タイト&ツイスティなセクションと、いくつかの小さなクレスト(丘)を含む高速セクションの組み合わせです。

ここでのステージベストはトヨタのラトバラ! シェイクダウンで背中の負傷が悪化したというラトバラですが、見事ステージウィンを獲得しました。総合でも首位に浮上しています。
「昨日の夜は、今日運転できるかどうかわからなかったんだ。幸い私は素晴らしいチームに恵まれて、一晩で復帰できたよ。100%ではないけれど、97%くらいかな」

トヨタ・ヤリスWRC(#10 ヤリ-マティ・ラトバラ)

1.3秒遅れの2番手タイムは、前戦アルゼンチンで惜しくも優勝を逃した、フォードのエルフィン・エバンス
「完璧ではなかった。十分なグリップが得られなかったよ。そこらじゅうでスライドした。あるときはオーバーステア、あるときはアンダーステアという具合にね」

トップから1.9秒遅れの3番手は、同じくフォードのオットー・タナクでした。
「ターンインするのに苦労している」

SS4 27.46km

昨年はパッドンのヒュンダイが炎上、タナクのフォードが崖から落下した、いわくつきのステージです。道幅は広くスムーズ(=スピードが出る)なのにツイスティで、砂利、コンクリート、アスファルト、石畳と、路面も変化に富んでいるなど、とても難しいステージとなっています。

ステージベストはタナクが獲得しました。
「前のステージよりもハッピー。車に小さな変更を施したら、バランスが改善した」

シトロエンのミークも、タナクと同タイムでした。
「いい走りだった。みんな路面の掃除について話してるが、ここではそんなことなかった。轍には苦労したぜ。出走順がかなり後ろだと、運転はトリッキーだな」

シトロエンC4 WRC(#7 クリス・ミーク)

そしてクレイグ・ブリーン(シトロエン)もなんと同タイムでトップ! ステージ勝者が3人という、珍しいことが起こりました。
「毎ステージ楽しんでるよ。車はペダルを踏めば思い通りに動いてくれているよ」

このステージでラトバラは7番手タイムでしたが、総合では首位をキープ。総合2位はミーク、3位はタナクと続いています。

SS5 26.70km

SS2のリピートステージ。ここでのトップは1度目と同じくパッドンでした。ディファレンシャルとサスペンションのセッティング変更が、功を奏したようです。
「(この後のステージは)難しいですが、午後は良いタイヤチョイスができたと思います」

4.2秒遅れの2番手タイムは、ダニ・ソルド(ヒュンダイ)でした。
「4本ともソフトタイヤを履いてここに来たので、少し注意する必要があった。われわれはいくつかセットアップを変更し、車のフィーリングが良くなった」

トップから5.1秒遅れの3番手は、シトロエンのミークでした。
「2本のスペアタイヤを持ってきた。どうなるか見てみよう」
彼はソフトとハードを3本ずつ持ってきたそうですが、ステージの最後でスローパンクチャーに見舞われてしまったようです。

トヨタのラトバラはこのステージで5番手タイムだったため、総合首位の座をミークに明け渡してしまいました。総合2位はラトバラ、3位はタナクとなっています。

SS6 18.10km

フォード・フィエスタWRC'17(#1 セバスチャン・オジェ)

SS3のリピートステージ。ここでステージウィンを獲得したのは、ティエリー・ヌービル(シトロエン)でした。
「ソフトタイヤをリアに履いたのですが、(タイヤの)動きが多すぎました。ベストを尽くすべくトライしましたよ。タイヤ選択は何が正しかったんだろう? 次のステージで様子を見てみます」

ヒュンダイ・i20クーペWRC(#5 ティエリー・ヌービル)

0.4秒遅れで続いたのは、フォードのエバンスです。
「全体としてかなり良かった。けど次のタイヤをどうすればよいかはわからないな」

トップから2.0秒遅れの3番手は、フォードのタナクでした。彼はこれで総合首位に浮上しています。

一方、首位だったミークは、前のステージでスペアタイヤを失ったため、このステージではタイヤを温存する作戦を取らざるを得ず、トップから9.5秒遅れの11番手タイムに終わり、総合でも5位に後退してしまいました。

このステージを終えた時点での総合トップ3は、タナク-ラトバラ-パッドンとなっています。

SS7 27.46km

SS4のリピートステージ。ベストタイムはヒュンダイのソルドでした。彼は総合でも、首位タナクに3.6秒遅れの2位に浮上しています。

ヒュンダイ・i20クーペWRC(#6 ダニ・ソルド)

トップから2.6秒遅れのステージ2番手は、セバスチャン・オジェ(フォード)となりました。
「今日の出来には満足している。ほとんどミスしなかったし、出来る限りハードにプッシュした。難しかったね。さて、明日は別の物語になるだろう。その後、われわれの前に何台の車があるか見てみよう」
金曜日は先頭走者として路面の掃除役を強いられたオジェですが、明日以降は走行順が逆になります。総合順位でも、首位タナクから6.2秒遅れの3位につけているので、1日目としては最高の結果といえるのではないでしょうか。

このステージの3番手タイム(ソルドから4.6秒遅れ)は、タナクでした。
「前のステージで車にダメージを受けてしまい、運転するのが本当に難しかった。とにかく、われわれは走り終えたよ」

このSS7で大きく順位を落としてしまったのは、トヨタのラトバラでした。彼は一気に総合13位まで後退してしまったのです。
「スタートした後2回目のブレーキングで、車が止まらなかったんだ。なぜかはわからない、奇妙だった。バンクにヒットして、2つのホイールが乗り上げて、横転した。エキゾーストにダメージを受けたので、一般道を走るときのモードにするしかなかったよ」

横転後のヤリスWRC。痛々しい姿になってしまっている。

また、シトロエンのミークはサスペンションを破損。総合17位に後退しています。

SS8・9 1.9km×2

トヨタ・ヤリスWRC(#12 エサペッカ・ラッピ)

ブラガの街中に設けられたスーパー・スペシャル・ステージ。SS8ではオジェが、SS9ではマッズ・オストベルグ(フォード)が、それぞれステージウィンを獲得しています。

総合タイムは20秒差以内に6台がひしめき合う激戦です。3位のオジェや4位のヌービルは、走行順がリバース・オーダーとなる明日からが本領発揮となります。首位のタナクは果たして逃げ切れるでしょうか。

第51回ラリー・ポルトガル 2日目結果
順位ドライバー/No./メーカー総合タイム/トップとの差
1オットー・タナク1:35:31.2
#2 フォード──
2ダニ・ソルド1:35:35.5
#6 ヒュンダイ+4.3
3セバスチャン・オジェ1:35:36.4
#1 フォード+5.2
4ティエリー・ヌービル1:35:42.2
#5 ヒュンダイ+11.0
5クレイグ・ブリーン1:35:43.3
#8 シトロエン+12.1
6エルフィン・エバンス1:35:49.7
#3 フォード+18.5
7ユホ・ハンニネン1:36.22.4
#11 トヨタ+51.2
8エサペッカ・ラッピ1:36:40.3
#12 トヨタ+1:09.1
9アンドレアス・ミケルセン1:38:47.9
#31 シュコダ(WRC2)+3:16.7
10マッズ・オストベルグ1:39.22.0
#14 フォード+3:50.8

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3日目

SS10 17.43km

粘土質の路面が露出し、砂っぽい路面とコントラストを織り成すステージ。序盤の道幅は広いものの、後半は狭いセクションが続きます。

ここでステージベストを獲得したのはフォードのセバスチャン・オジェでした。
「こんな風に1日を始めるのはいつだって素晴らしい。気持ちよく走れて、車には満足している。これを続けられるよう望んでいるよ。この出走順だと、昨日とはまったく異なる世界だ」

路面の掃除役から解放され、真の実力を見せ始めたオジェ。

0.2秒遅れの2番手タイムは、唯一DMACKタイヤを履く、フォードのエルフィン・エバンスでした。
「全体的に良い走りだったよ。ちょっと滑りすぎてたけど、悪くはないかな」

ヒュンダイのティエリー・ヌービルは、トップから1.8秒遅れの3番手タイムでした。
「このステージではトラクションがかかりませんでした。道がとても滑らかだったので、グリップを失ってしまいました。次のステージはおそらくもっとラフですから、私は車を守るために硬いスプリングで走ります」

総合首位のオットー・タナク(フォード)はこのステージで4番手タイムを記録しましたが、総合2位に浮上したオジェとの差は、わずか1.1秒。早くも首位陥落目前にまで追い詰められてしまいました。

SS11 22.30km

序盤は砂地で、道幅が広く高速。中盤は泥地になることもある場所を通り、終盤は砂利のダウンヒルと砂地という、変化に富んだサーフェースのステージ。

ここでトップタイムを叩き出したのはタナク! 総合2位のオジェとの差を、6.3秒まで押し返しました。
「セブ(オジェ)は前のステージでプッシュした。それで僕はいい走りをしようと決意した。ほぼパーフェクトだったよ。このループ(3日目午前中の3ステージのこと)でのタイヤのフィーリングは良い。首位で居たいなら、これを続ける以外に無いだろうね」

5.2秒遅れの2番手タイムはオジェ。フォード勢による熾烈なトップ争いが繰り広げられています。
「グッド。満足だよ。今日は違うラリーみたいだ」

トップから9.9秒差の3番手タイムはヌービル。総合でも3位に浮上しましたが、首位タナクからは18.9秒差と、やや離されています。
「ここではグリップが良くなりましたが、ダウンヒルセクションで攻めきれなかったように感じています」

SS12 37.55km

このラリーで最長となるステージの1回目。道幅が広く高速だが、路面は滑らかで砂利が浮いており、コースのすぐ横まで木々が生い茂るリスキーなステージ。

ここで総合首位のタナクが、フィニッシュまで20kmという所でバンクに接触。左リアサスペンションを壊し、このステージを17番手タイムで終えることとなり、総合5位に後退してしまいました。

バンクにヒットしたタナクの左リアタイヤ。極端なポジティブキャンバーがついてしまっている。

トップタイムはオジェが獲得。タナクのトラブルにより、労せずして総合首位に浮上しました。

6.9秒遅れの2番手タイムはヌービル、8.6秒遅れの3番手タイムはダニ・ソルドと、ヒュンダイ勢が続きます。

昨日横転したトヨタのヤリ-マティ・ラトバラは、トップから14.6秒遅れの4番手タイムでした。
「いくつかの鎮痛剤の助けを借りている。何か食べようと思っているんだけど……昨夜は何も食べれなかったからね。薬が効いていて、朝よりも50%くらい良くなったと感じているよ」

負傷した背中の痛みに耐えながらラリーを続けているラトバラ。こういうときこそチームメイトが活躍しなければならないのですが、ユホ・ハンニネンは総合6位、このラリーから投入された3台目のヤリスWRCを駆るエサペッカ・ラッピは総合8位と、成績はいまいち冴えません。

SS13 17.43km

SS10のリピートステージ。ここではヌービルがステージベストを奪いました。
「車は良く機能していて、少しグリップ力が増しています。良いステージにしようと心がけましたよ。もちろんミスター・オジェを倒すには不十分です。勝てるかどうか? 難しいかも……」

オジェは2番手タイムでしたが、ヌービルとはたったの1.0秒差でステージをフィニッシュし、被害を最小限に抑えました。
「もちろん可能な限りギャップを維持したいけど、簡単じゃないよ。このループを上手くやらないと。タイヤを痛めつけないように注意した、このループは厳しいものになりそうだからね」

トップから3.5秒遅れの3番手タイムはタナクでしたが、失ったものはあまりにも大きすぎました。
「フラストレーションはそれほど。これがラリーさ。どうしようもない」
優勝を目前にしながらも、結局勝てない展開が多いタナク。もう慣れっこになってしまってるようです。

SS14 22.30km

SS11のリピートステージ。トップタイムはまたしてもオジェでした。
「楽しかった。ここではさらにプッシュしたよ。すべては(次の)ロングステージにかかってる。もしこのステージみたいにギャップを維持できたり、もしくはギャップを失ったりしても、(これだけタイム差があれば)完璧だ。今のところわれわれは同じ仕事続けている」

オジェに追いつきたいヌービルでしたが、このステージでは4.5秒遅れの2番手タイムでした。
「大丈夫。ここには3本のソフトタイヤと1本のハードタイヤを持ってきました。いくつかのセクションでは勝ち、他では負けたようですね」

5.0秒遅れの3番手タイムは、痛みをこらえながら走るラトバラでした。
「車のフィーリングは良いよ! でも、僕と同じ感覚は誰にも味わってほしくないなあ……」

総合首位のオジェと2位ヌービルとの差は、23.0秒まで開いています。

SS15 37.55km

SS12のリピートで、3日目最後のステージとなります。ここで渾身のベストタイムを叩き出したのは、ヒュンダイのヌービルでした。
「私にとって良いステージでした。フロントにハード、リアにソフトを履いたんです。路面はフィニッシュに近づくほど滑りやすかったですね。セブが彼のタイヤでどのくらいやれるのか見なければなりませんが、彼は私たちよりも上手くやるでしょうね」

そのオジェは、6.2秒差の2番手タイムでした。SS14で稼いだマージンを吐き出した格好です。
「悪くない、これはこれでハッピーだよ。最後の方の路面が少しラフだったので、プッシュしなかった。ティエリーは上手く走った。僕はタイヤマネジメントしすぎた……ちょっと慎重すぎたね。さて、明日は仕上げだ」

優勝争いはオジェとヌービルに絞られました。2人の差は16.8秒と接近していますが、4日目の競技区間は、わずか42.93kmしかありません。ヌービルはオジェを捉えられるでしょうか。

順当に行けばオジェの勝ちだが、何が起こるかわからないのがラリーだ。
第51回ラリー・ポルトガル 3日目結果
順位ドライバー/No./メーカー総合タイム/トップとの差
1セバスチャン・オジェ3:15:24.6
#1 フォード──
2ティエリー・ヌービル3:15:41.4
#5 ヒュンダイ+16.8
3ダニ・ソルド3:16:15.9
#6 ヒュンダイ+51.3
4オットー・タナク3:16:54.2
#2 フォード+1:29.6
5クレイグ・ブリーン3:16:57.0
#8 シトロエン+1:32.4
6エルフィン・エバンス3:18:26.4
#3 フォード+3:01.8
7ユホ・ハンニネン3:18.54.4
#11 トヨタ+3:29.8
8マッズ・オストベルグ3:20.41.2
#14 フォード+5:16.6
9ヤリ-マティ・ラトバラ3:20:57.3
#10 トヨタ+5:32.7
10アンドレアス・ミケルセン3:22:31.2
#31 シュコダ(WRC2)+7:06.6

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4日目(最終日)

SS16 11.18km

「ファフェ」と呼ばれるこのステージは、ラリー・ポルトガルを象徴するステージの1つ。とくに一旦アスファルト舗装に入り、直角コーナーを抜けたあとグラベルに戻る場所には、数多くのファンが詰めかけることで有名です。

アスファルトの部分。この先の山の斜面に大観衆が陣取る。

ここでのトップタイムは、ヒュンダイのヘイデン・パッドン、2番手タイムはフォードのオットー・タナクでした。

総合首位を争う2人は、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)が3番手タイム、セバスチャン・オジェ(フォード)が4番手タイムだったので、総合タイム差はわずか0.8秒しか縮まりませんでした。

これにはヌービルも「誰も最終日に16秒もリードしているオジェを追えません!」と敗北宣言。チャンピオンシップを考えれば、あとはパワーステージでどれだけポイントを取れるかだけです。

SS17 17.91km

スタート直後は片側にバンクのある狭いセクションが続きますが、いくつかの長いストレートがあるため高速です。2.3km地点からはツイスティなテクニカルセクションとなり、その後は巨石の間を抜けていきます。連続ヘアピンを抜けた後の9.5km地点からはダウンヒルです。

ここでのベストはオジェ! 勝利を決定づけるステージウィンを獲得しました。
しかしオジェは「これはラリーだ。きっちりフィニッシュしなければならない。これまでの展開には満足しているけどね」、気を引き締めています。

SS18 8.66km

またもやパッドンがステージベストを記録しました。本来グラベルではヌービル以上の速さを持つパッドンが、ようやく復調してきたのでしょうか。

ヘイデン・パッドンのヒュンダイi20クーペWRC。観客の数がすごい。

総合首位のオジェと2位ヌービルの差は17.5秒。残すはパワーステージのみです。

SS19 11.18km

パワーステージ(PS)は、SS16のリピートステージとなります。ステージベストを奪ったのはタナクでした。これで彼は貴重な5ポイントを獲得しています。
「最初は完璧じゃなかった」とタナク。「その後は上手く走れた。ここでポイントを取れたのは良いね」

オットー・タナクのフォード・フィエスタWRC'17

タナクから0.4秒遅れの2番手タイムはヌービル。惜しくもステージウィンを逃しましたが、総合2位の18ポイント+PS2位の4ポイントを獲得できたのは、チャンピオンシップを考えれば上出来でしょう。

逆にオジェは5番手タイムだったため、総合首位の25ポイント+PS5位の1ポイントで、26ポイントしか獲得できませんでした。
優勝した割にヌービルとのポイント差を広げられなかったことが、後々影響してくるかもしれません。

第51回ラリー・ポルトガル 最終結果
順位ドライバー/No./メーカー総合タイム/トップとの差
1セバスチャン・オジェ3:42:55.7
#1 フォード──
2ティエリー・ヌービル3:43:11.3
#5 ヒュンダイ+15.6
3ダニ・ソルド3:43:57.4
#6 ヒュンダイ+1:01.7
4オットー・タナク3:44:25.9
#2 フォード+1:30.2
5クレイグ・ブリーン3:44:53.1
#8 シトロエン+1:57.4
6エルフィン・エバンス3:46:06.3
#3 フォード+3:10.6
7ユホ・ハンニネン3:46.44.6
#11 トヨタ+3:48.9
8マッズ・オストベルグ3:48.25.4
#14 フォード+5:29.7
9ヤリ-マティ・ラトバラ3:48:39.3
#10 トヨタ+5:43.6
10エサペッカ・ラッピ3:51:09.0
#12 トヨタ+8:13.3

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トヨタ勢の課題

有名なファフェのジャンピングスポットを飛ぶヤリスWRC。

ラリー・ポルトガルでは、トヨタ勢は全車がポイントを獲得しました。
とくに今回から投入された3台目のヤリスWRCを駆るエサペッカ・ラッピが入賞できたことは評価すべきだと思います。彼はパワーステージでも4位に入り2ポイントを獲得していますし、デビュー戦としては最高の結果を残したと言えるのではないでしょうか。

しかしヤリスWRCは、本格的なヨーロッパラウンドの初戦で、ポテンシャル不足を露呈してしまいました
セットアップの問題なのか、根本的にスピードが足りていないのかはわかりませんが、全体としてフォードやヒュンダイに押され気味だったことは否めません。

慣れ親しんだヨーロッパのラリーに戻ってきたことで、蓄積されたデータ量の差が出てしまったのでしょう。
トヨタとしては経験を積んでいくしかないのですが、ここらでヤリスWRCをもうワンランク速くしないと、シーズン後半戦はポイント獲得すら厳しい状況に陥ってしまうと思います。TMGの開発力に期待しましょう。

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Category: WRC, モータースポーツ
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