デイリーF1ニュース(2017年8月11日号)F1は部品を標準化すべきか

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本日のヘッドラインは以下のとおりです。

  • F1は部品を標準化すべきか
  • F1、第2四半期は収益増、10億ドル分の負債を除去
  • プロスト「ハイブリッドを廃止すべきではない」

それではご覧ください。


F1は部品を標準化すべきか

F1のCEOであるチェイス・キャリー氏は、F1チームの支出を抑制しようと躍起です。

F1チームの支出で最大のものは、マシンの開発費であることは言うまでもありません。

開発費を抑制するには、①チーム予算に上限を設けるか、②開発を規制するか、③マシンもしくは部品を標準化(共通化)するかです。

①はこれまで度々導入が検討されてきましたが、実際に機能させるのが難しいので、結局やらずじまいでした。
モータースポーツは外部経済(自動車メーカーの影響)が大きいため、チームの予算に上限を設けても、自動車メーカーからもたらされる有形・無形の支援までは規制できません

②は度々実行に移されてきましたが、予算の膨張を食い止めることはできませんでした。
規制が厳しくなると、それをすり抜けるために予算が投じられ、結果的に規制導入以前よりも開発費が高騰するということの繰り返しの末、今に至っています。

③は共通ECU(マクラーレン製)などで部分的に導入されていますが、大々的に行われたことはありません。
しかし前述のキャリー氏は、エンジンに関係するような比較的大きなコンポーネントについて、チーム側に標準化の提案をしているようです。

マシンそのものを標準化することは無いとキャリー氏は断言していますが、部品単位での標準化は今後進んでいくかもしれません。

Source: F1 looking to standardise components | pitpass.com

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F1、第2四半期は収益増、10億ドル分の負債を除去

F1の第2四半期売上高は、6億1600万ドル(前年同期比+3%)でした。
営業利益は4500万ドル(前年同期比-50%)という結果に終わりましたが、これは「F1ライブ・イン・ロンドン」のようなプロモーションイベントを開催したためだそうです。

F1は債務の返済や借り換えを進め、負債総額を4億2200万ドルまで圧縮しました。
これを受けてチェイス・キャリーCEOは、「高額な10億ドル分の負債を無事除去した」と語っています。

F1の売上高が増えるのは結構なことですが、問題はここからどのように収益を増やしていくかです。
テレビ放映権料の世界的なバブルは終わってしまいましたし、サーキットから高額な開催権料を取ることももはや不可能でしょう。
新しい収入源を開拓しないと、F1の成長を維持するのは厳しそうです。

Source: Chase Carey says F1 has 'eliminated $1bn tier of debt’ | autosport.co.uk

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プロスト「ハイブリッドを廃止すべきではない」

昨日のデイリーF1ニュースでは、レッドブルF1を率いるクリスチャン・ホーナー氏の「F1ファンの圧倒的多数は、ハイブリッドではなくV10やV12を求めている」というコメントを紹介しました。

しかしルノーのアドバイザーであるアラン・プロスト氏は、「ハイブリッドを廃止すべきではない」と考えているようです。

「自然吸気エンジンに戻ってほしいというコンストラクターはいないだろう」とプロスト氏。「彼らは少なくとも、われわれが今有しているものほど複雑なエンジンは求めていないだろう。しかし別のやり方で電気と関与し続けることは、別のことにそれを使うためだろう」

プロスト氏はハイブリッドのF1と、電気自動車のフォーミュラEのどちらにもアプローチするのが正しいと考えているものの、電動化を止めるのだけは間違いだと感じているのでしょう。
まあ、雇用主のルノーがF1とフォーミュラEの両方に参戦していますから、そう言うしかないのかもしれませんが。

Source: Prost: 'F1 will never go back to V8 engines’ | en.f1i.com

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前日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年8月10日号)F1はフォーミュラEのアンチテーゼとなるべきか

翌日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年8月12日号)ホンダ「アップグレードできる要素は既にある」

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