8月の全米自動車販売 大幅ダウン!(でもスバルは2ケタ増)
8月の全米自動車販売は、前年同月比で大幅な減少となりました。FRBが利上げを先延ばしにする材料のひとつとなりそうですが、そんな中でも2ケタ成長を続ける、驚異のメーカーが3社あったのです。
トップ画像の出典: By Cesar Centeno, Jr. (Own work (Original text: self-made)) [Public domain], via Wikimedia Commons
2016年8月の全米自動車販売(メーカー別)
メーカー | 販売台数 | 前年同月比(%) |
---|---|---|
GM | 256,429 | -5.2 |
フォード | 213,411 | −8.8 |
トヨタ | 213,125 | −5.0 |
フィアット・クライスラー | 197,714 | +3.1 |
ホンダ | 149,571 | −3.8 |
ヒュンダイ・KIA | 126,263 | −3.5 |
日産 | 124,638 | −6.5 |
スバル | 60,418 | +14.7 |
VW・アウディ | 54,314 | −3.8 |
メルセデス・ベンツ | 31,909 | +2.1 |
BMW | 30,602 | −7.2 |
マツダ | 26,109 | −12.8 |
ジャガー・ランドローバー | 9,329 | +46.5 |
ボルボ | 7,682 | +30.9 |
三菱 | 7,336 | −11.5 |
テスラ | 2,250 | +7.1 |
その他 | 305 | +2.3 |
合計 | 1,511,405 | −3.5 |
月間10万台以上販売しているメーカーの中で前年同月比がプラスだったのは、フィアット・クライスラーだけでした。しかしそのプラス幅も、アナリストの事前予想よりは小幅でした。原油安を追い風にした全米自動車販売の好調も、ここに来て完全に終わったと見るべきでしょう。
ホンダはアナリストの事前予想ではプラスだったものの、結果は予想外のマイナスでした。新型シビックやピックアップのリッジラインなど、年初に投入した新型車の勢いが止まってしまった格好です。今年後半はシビックハッチバックくらいしか新型車の投入が無いはずなので、9 月以降はちょっと厳しいかもしれません。
日産は大幅減でしたが、フルサイズSUVのアルマーダがフルモデルチェンジされたため、今後は持ち直すと思います。
日独のプレミアムブランドも総じて不調でした。表には無いレクサスは−7.6%、アキュラは−7.0%、ここのところ好調だったインフィニティも−1.8%と減少に転じています。
逆に米系のプレミアムブランドは大きく伸び、キャデラックは+3.8%、リンカーンにいたっては+7.0でした。
逆風の中で2ケタ増を記録した3メーカー
こんな状況なのに元気いっぱいだったのが、スバル、ジャガー・ランドローバー、ボルボの3メーカーです。その中でも特に注目すべきはスバルでしょう。前年同月比で増加した比率ではなく台数で見ると、スバルが全自動車メーカー中トップだからです。
アメリカ市場で好調を維持するスバルの原動力
スバルは新型インプレッサの投入を控えた時期ながらも前年同月比で2ケタ増を記録しました。
とくに好調だった車種はフォレスターです。年次改良(レーンキープアシストやブラインドスポットモニタリングの追加)が好評だったようで、前年同月比で+11.9%、今年7月の販売台数と比べると+32.3%も増加しています。現行のSJフォレスターは2012年に投入されたモデルですが、人気はまだまだ健在なようです。
レガシィはセダン(B4)に「レガシィ・スポーツ」という新しいグレードを導入したことで、前年同月比で+35.5%という大幅な伸びを記録しました。
このレガシィ・スポーツは、18インチホイールやダークグレーのフロントグリル、カーボンファイバー風の内装パネルなどを追加し、見た目のスポーティーさを増したグレードです。現行のレガシィB4は大型化され、アッパーミドルサイズクラスのセダンとしてデビューしましたが、先祖代々スポーツセダンとしてやってきたモデルですから、やはりスポーティーなルックスの方がしっくりきます。人気があるのも当然でしょう。
スバルは新型インプレッサの発売を間近に控えていますから、今後もアメリカ市場での好調を持続できるはずです。心配なのは在庫不足だけですね。
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