レヴォーグSTIスポーツには価格に見合うだけの価値があるか?
7月21日の発売開始から1ヶ月が経過したレヴォーグ STI Sport。そろそろ納車された人も出てくる頃ですね。どうやら売れ行きも好調なようですが、ネット上では「Damp Matic Ⅱをつけただけ」「格好だけ」「STIの名にふさわしくない」などと、手厳しい批判に晒されています。
目次
- 1.“STI"と"STI Sport"の違いとは
- 1-1.“STI Sport"は"BMW M Sport"のパクリ?
- 1-2.STIはNISMOを目指す?
- 2.レヴォーグSTI Sportの専用装着パーツ
- 2-1.レヴォーグSTI Sportはお得なのか?
“STI"と"STI Sport"の違いとは?
これまでのSTIはスポーツ性能を突き詰めたモデルばかりでしたから、レヴォーグSTI SportがSTIの名にふさわしくないとの批判も無理からぬところです。
“STI Sport"は"BMW M Sport"のパクリ?
でもレヴォーグは"STI"ではなく"STI Sport"ですから、上記の批判はいささか的外れです。BMWに"M"と"M Sport"があるように、スバルにも"STI"と"STI Sport"ができた、と考えるべきでしょう。
“M Sport"と"STI Sport"は、ベースグレードからの主な改良が、専用シート、専用エアロ、そしてチューンドサスペンションという点で共通しています。"M Sport"は、"M2″や"M3″のような本格的なスポーツモデルではありませんが、スポーティーなルックスとフィーリングを気軽に楽しめるモデルとして人気です。
車やモータースポーツが好きな人でも、サーキットを頻繁に走行する人は必ずしも多くありませんから、雰囲気を手軽に味わえるライトチューン車にもニーズがあります。"M Sport"や"STI Sport"は、そんなニーズに応える車なのです。
STIはNISMOを目指す?
STI Sportのようなライトチューン車を出したために、STIが軟派になったと感じている人も多いようです。しかし販売台数が稼げるライトチューン車の販売は、STIのブランド力を高めることにつながります。
日産の場合、マーチやノート、ジュークのような車にまで"NISMO"グレードを設定しています。やはり足回り・エアロ・内装の3点が交換されており、販売価格はベースグレード比で20〜30%高いです。マーチの販売台数のうち10%はNISMOだと言われています。
自動車メーカーのモータースポーツ参戦は、そのときの景気に左右されます。しかしNISMOブランドで大きな利益が出ているとなれば、おいそれと撤退できません。
ヨーロッパの自動車メーカーが熱心にモータースポーツを支援するのは、モータースポーツを起源とするブランドが大きな利益を生み出しているからです。彼らが少量生産のハイパフォーマンスモデルを販売できるのも、強力なブランドがあればこそでしょう。
STI Sportが販売台数の一定数を占めるようになれば、スバルのモータースポーツ活動も活発化するに違いありません。Sシリーズのような限定車も販売しやすくなるはずです。
ちなみにSTI Sportは発売開始からの1ヶ月間で、3052台を受注しました。これは販売比率にしてレヴォーグ全体の40.2%を占めるもので、「追加グレードとしては異例の好調なスタート」だそうです。
レヴォーグSTI Sportの専用装着パーツ
装備の構成がSTI Sportにもっとも近いグレードは、1.6 / 2.0GT-Sです。そしてSTI SportとGT-Sでは、以下の点で装備が異なっています。
装備内容 | GT-S | STI Sport |
---|---|---|
18インチアルミホイール | ガンメタ | ダークグレー専用デザイン |
ダンパー | ビルシュタイン | ビルシュタインDampMaticⅡ |
スプリング | ノーマル | 専用チューニング |
パワーステアリング | ノーマル | 専用クランプスティフナー付 |
フロントフォグランプ | ハロゲン | LED |
ウェルカムライティング | オプション装備 | 標準装備 |
ドアミラー | カラード | サテンメッキ |
内装のステッチ色 | ブルー | レッド |
メーター色 | ||
センタートレイ照明 | ||
標準シートの材質 | ファブリック/トリコット | 専用本革 |
シートカラー | ブラック | ボルドー/ブラック |
フロントコンソール | ノーマル | |
インパネ加飾 | シルバーカーボン/クローム | ピアノブラック/クローム |
インパネセンターバイザー | ノーマル | レザー調素材 |
コンソールリッド | ブラック | ボルドー |
ドアトリム | ||
ドアアームレスト | ||
ドアポケット | ノーマル | 専用素材巻 |
サイドシルプレート | SUBARUロゴ | STIロゴ |
フロントグリル | ダークメッキ+ブラック | 専用デザイン |
フォグランプカバー | ノーマル | |
フロントバンパー | ||
マフラーカッター | 大型 | |
STIエンブレム | 無し | あり |
A.セイフティPKG※1 | オプション | 標準装備 |
※1 アドバンスド・セイフティ・パッケージの略。スバル・リアビークル・ディテクション(後側方警戒支援)、ハイビームアシスト(自動防眩ルームミラー付)、サイドビューモニター、アイサイトアシストモニターのセット。
レヴォーグSTI Sportはお得なのか?
1.6GT-S EyeSightと1.6STI Sport EyeSightの価格差は432,000円。2.0GT-S EyeSightと2.0STI Sport EyeSightの価格差は378,000円です。
上の表にある装備の違いと価格差とを見比べれば、STI Sportのバリュー・フォー・マネーが自ずとわかるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の記事もぜひご覧ください。
Posted by dangoliath