ランボルギーニ・ウルスはママに優しいファミリーカー?
ランボルギーニはSUVのウルスを投入することで、販売台数を2倍にする計画です。
無謀とも思える計画ですが、新CEOのステファノ・ドメニカリ氏は、女性顧客に勝機を見出しています。
画像の出典: netcarshow.com
ランボルギーニ・ウルスとは?
ランボルギーニ初のSUVです。
コンセプトカーのルックスはいわゆるクーペSUVで、ランボルギーニ特有のアグレッシブなスタイリングを受け継いでいます。
エンジン
エンジンはV12……ではなく、4.0L V8ツインターボが搭載されるとのことです。
パワーは600ps。このエンジンはアウディのもので、ベントレー・ベンテイガにも使われています。
ちなみにターボ車のランボルギーニが市販されるのは、同社史上初めてのことです。
V8エンジン搭載のランボルギーニも、1989年に生産終了したジャルパまで遡らなければなりません。
また、プラグインハイブリッド(PHV)仕様も遅れて投入されると言われています。
実現すれば、やはり同社初のPHVとなります。
ランボルギーニ・ウルスは世界最速のSUVを目指すそうで、0-60mph(0-96km/h)は4.0秒、最高速は328km/hになるとのことです。
シャシー
ウルス・コンセプトのボディサイズは、全長4900mm、全幅1990mm、全高1700mmでした。
プラットフォームはMLB-Evoで、アウディ・Q7やポルシェ・カイエン、そしてベントレー・ベンテイガと共通ですが、ウルス・コンセプトではカーボンファイバーが多用され、それらの車種(車重は約2000-2500kg)よりもかなり軽量に仕上がっていました。
市販バージョンがどうなるかは不明ですが、アヴェンタドールにカーボンボディを採用したランボルギーニですから、ウルスにも期待できると思います。
価格と発売時期
価格は20万ドルとの噂です。
$1=¥100換算だと、2000万円ですね。
2018年中には販売されるとされていますが、サンタアガタのファクトリーは生産能力がそれほど大きくありませんから、翌年以降にずれ込む可能性もあるでしょう。
年間の生産台数は3,000台を予定しています。
同社の2016年の年間生産台数が3,457台ですから、ウルスの投入で一気に倍増させようという野心的な計画です。
ウルスのターゲット層
ランボルギーニの顧客のほぼ全てが男性で、女性の顧客はわずか5%です。
にもかかわらずCEOのドメニカリ氏が女性をターゲットに選んだのは、女性がSUVを好んでいるからに他なりません。
女性はSUVが好き
全米の新車購入者に占める女性の割合は40%にすぎませんが、小型SUVのそれは48%となります。
プレミアムコンパクトSUVに至っては53%と、男性よりも女性ユーザーの方が多いのです。
女性がSUVを好む理由は、室内やラゲッジスペースの広さ、乗り降りのしやすさ、そして着座位置が高く運転しやすいことなどです。
近年ではSUVの燃費も改善が進み、経済的なデメリットが少なくなったこともあるでしょう。
SUVの持つこれらの特徴は、実は子供連れの女性にうってつけなのです。
また、保険料の安いコンパクトSUVは、独身女性に支持されています。
2010年からの5年間で、コンパクトSUVを購入する独身女性の数は1.77倍に膨れ上がりました。
女性は何かと荷物が多いですから、荷物の載るSUVの方がよいのでしょう。
免許を取得して間もない若い女性も、運転しやすいSUVを好むのだと思います。
女性顧客はフロンティア
男性ばかりを相手にしてきたランボルギーニですから、女性の顧客は未開拓のフロンティアです。
世界的に見ると、セルフメイド(相続などではなく自力で、という意味)でお金持ちになる女性(起業家など)も増えています。
そうした女性のラグジュアリーな嗜好を惹きつけることができれば、販売台数を倍の7000台とすることも可能なはずです。
ドメニカリ氏の目の付け所は悪くないと思います。
とはいえ女性に好まれているのはSUVというカテゴリーであって、「ランボルギーニのSUV」が求められているかはまた別の話です。
ジャガーのようなライバルの存在もありますし、何より「世界最速」の称号だけでは、女性に興味を持たれることはないでしょう。
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