日産ノートがヨーロッパで販売終了 ノート消滅へのカウントダウンか?

テクノロジー・業界分析,批評

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日産ノートがヨーロッパでの販売を終了するそうです。ノートといえば日産の主力モデルのはずですが、一体何があったのでしょうか? 今回は販売終了に至った経緯や、その理由についての考察、そして日本における日産ノートの未来について書いてみたいと思います。

画像の出典: netcarshow.com


日産ノートが欧州で販売終了に至った経緯

ノートはその価格帯からいって日産の最量販モデルのひとつでなければおかしいのですが、ヨーロッパでは販売不振に陥っています

販売台数の大幅減

今年1〜8月にヨーロッパで販売されたノートは、24,800台にすぎません。月間平均3100台というのは、日産の屋台骨を支えるモデルとしては物足りない数字です。

ちなみに昨年の同時期には、33,038台を売り上げていました。つまり今年は−25%の大幅減に見舞われているわけです。これでは販売終了の決断もやむなしといったところでしょう。

新型マイクラ(マーチ)の登場

ノートの販売終了には、新型マイクラ(日本名:マーチ)の登場も影響しています。日産によると、空いたノートのポジションを埋めるのは新型マーチだというのです。新型マーチと現行ノートのサイズを比較してみましょう。

諸元 新型マーチ ノート(E12)
全長(mm) 3995 4100
全幅(mm) 1742 1695
全高(mm) 1452 1525
ホイールベース(mm) 2525 2600

全幅以外は新型マーチの方が一回り小さいですね。にも関わらず、なぜ新型マーチがノートの穴埋めとなるのでしょうか?

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なぜ新型マーチがノートの代わりになるのか?

この決定の裏には、ノートが属する「サブコンパクト・ミニバン※1」セグメントの販売台数が減少し続けているという事情があります。ピーク時には110万台/年も売れていたサブコンパクト・ミニバンは、今や60万台/年程度と、ほぼ半減してしまっているのです。

※1 日本では3列シートの車をミニバンと呼ぶが、ヨーロッパではボディ形状で分類しているようで、日産ノートもミニバンに分類されている。

SUVの台頭

代わりに台頭してきたのが、サブコンパクトSUVです。2010年に登場した日産・ジュークが火をつけたこのセグメントは、今や世界中のメーカーが割拠する激戦区と化しています。

ドライバーの視点が高いので運転しやすく、室内の広くて使い勝手が良いSUVは、運転初心者から小さな子どもを持つファミリー層まで対応可能な、優れたパッケージングを持っています。

また、SUVはミニバンスタイルの車よりもスタイリングやハンドリングが良いため、スポーティーな車を好む若者にも好評です。

SUV唯一の弱点は燃費でしたが、ダウンサイジングターボやハイブリッド技術によって克服されました。現在のSUVは、非常に商品力の高いパッケージとなっているのです。

メルセデスが示した第3の道

2代目Aクラスもノートと同様に、全長4000mm程度のミニバンスタイルでした。しかし2012年のフルモデルチェンジを機に、ワイド&ローでスポーティーなルックスのハッチバック車に路線変更、人気を博しています。新型マーチも二匹目のドジョウを狙っているのかもしれません。ミニバンでもSUVでもなく、スポーティーなハッチバックという第3の道です。

ただし3代目Aクラスは全長が一気に450〜500mmも拡大されたので、室内は狭くなっていません。ノートよりも一回り小さい新型マーチが、ノートの受け皿になれるかは疑問です

サブコンパクトミニバンは、いまや絶滅危惧種になりつつあります。ノートに魅力がなかったというよりも、時代が変わったというべきでしょう。

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日産ノートは日本でも販売終了?

日本では今年の1〜8月に66,912台も売れてますし、ノートe-POWERの投入も控えているので、さしあたって販売終了となることはないはずです。

しかしヨーロッパで販売終了となったため、3代目ノート(つまりE13型)が出るかどうかは微妙な情勢になってきました。日本国内の販売台数も徐々に減少しており、今年9月にはついに販売台数ランキングトップ10から陥落。日本でもSUV人気がうなぎ登りなので、やがてはヨーロッパのような状況になっていくのかもしれません。

唯一の希望はノートe-POWERですが、日産はリーフよりも小型のEVを計画しているので、それが発売されればノートe-POWERとの競合は必至です。よってノートe-POWERも、比較的短命なモデルになると思われます。

残された時間はあと僅かか?

日産ノートは今後2〜3年の間に消滅する可能性が高いでしょう。もしかしたら3列シートミニバンやリーフより小型のEVに「ノート」の名前が使われるかもしれませんが、今のようなパッケージングのノートは、先述の理由で無くなるはずです。

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