新型レクサスGS? それとも新型トヨタクラウン?
新型レクサスGS、もしくは新型クラウンとみられる開発車両が、ニュルブルクリンクで目撃されました。
なぜ車種がどちらかわからないかというと、GSは現行型限りで廃止されるとの噂がある一方、クラウンはほぼ日本専用車両であるため、ニュルブルクリンクでわざわざ開発するとは思えないからです。
しかしどちらにしろこの車両は、フロントエンジン・フロントドライブ、すなわちFFになることが確定しています。
今回はこの中型セダンの概要と、レクサスGSを取り巻く事情、そしてこの開発車両が新型クラウンである可能性についてお伝えします。
エクステリア
レクサスGSを取り巻く事情
世界的なSUVブームの影で、セダンの時代が終わろうとしています。
トヨタ・カムリやホンダ・アコードといったDセグメントセダンが幅を利かせてきた北米市場においても、その傾向は同様です。
特にレクサスGSは販売不振に陥っており、北米における今年1-5月の販売実績は、前年同期比マイナス52.4%という大幅な減少となっています。
GSにフルモデルチェンジの時期が迫っていたため、トヨタは2つのプランを検討していたようです。
- レクサスESとGSを統合する
- 新型LSのV6ターボモデルでカバーする
1はもっとも有力とされている説です。
統合後の名前がESになるのかGSになるのかはわかりませんが、トヨタ・カムリのレクサス版であるESと統合すれば、安全性や運動性能に優れるTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・プラットフォーム)で統一でき、コストの面でもメリットが出てきます。
2はGSを廃止し、ラインナップの空白を新型LSのV6ターボ(415馬力)モデルで埋めるというものです。
1、2のどちらにせよ、GSが現行のようなFRスポーツセダンとして存続しないことは、ほぼ確実な情勢となっています。
新型クラウンである可能性
開発車両のスパイショットを見るかぎり、レクサスのファミリーフェイスである「スピンドルグリル」は確認できません。
一応新型LSのようなファストバックスタイルなものの、Aピラーは立ち気味ですし、サイドウィンドウの面積も広いなど、レクサスらしさは感じられません。
このようなオーソドックスなデザインは、むしろトヨタ車のそれです。
クラウンはアジア市場向けに少数が輸出されているものの、販売台数のほとんどは日本国内です。
そんなドメスティックな車がニュルブルクリンクでテストしているというのは、少し奇妙な感じがします。
しかし「GRMN」のマークXやヴィッツのように、日本国内専売でありながらも、ニュルブルクリンクでテストを重ねて販売された車もありますから、今回撮影された開発車両が、新型クラウンでないとは言い切れません。
実際、クラウンはフルモデルチェンジの時期を迎えており、これまでのモデルライフサイクルからすると、2018年には新型に切り替わるはずです。
タイミング的には、新型クラウンである可能性も十分にあると言えます。
また、クラウンにはかなり底堅い需要があるので、トヨタが力を入れて開発するのはある意味当然です。
しかも現在のトヨタは「もっといい車づくり」を掲げていますから、新型クラウンの開発拠点として、世界一の難コースであるニュルブルクリンクが選ばれたのかもしれません。
ちなみに新型クラウンは、現行型と変わらず後輪駆動が維持されるそうです。
で、結局どっちなの?
デザインなどからすると、トヨタ新型クラウンである可能性が高いと思います。
レクサスはアメリカが主戦場のブランドです。
北米市場はFFのカムリがあれほど売れているのですから、FRにこだわる必要は無いはず。
メルセデス・ベンツやBMWといったライバルたちと真っ向勝負するよりも、FFならではの室内の広さをアピールした方が効果的ですし、GSは廃止されるか、名前だけ残してFF化されるのではないでしょうか。
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