デイリーF1ニュース(2017年8月16日号)メルセデスがフォーミュラEに参戦する理由

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ジャガーのフォーミュラEマシン。

最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース
本日のヘッドラインは以下のとおりです。

  • メルセデスがフォーミュラEに参戦する理由
  • 中堅チーム間の移籍はウィリアムズの動向次第!?
  • アルゼンチンでF1開催か?

それではご覧ください。


メルセデスがフォーミュラEに参戦する理由

DSヴァージン・レーシングのフォーミュラEマシン。

ドイツツーリングカー選手権(DTM)から撤退し、フォーミュラE(FE)への参戦を決めたメルセデス
その決断の背景には、何があるのでしょうか?

「われわれが話している最中にも、電動化は起こっている」そう語るのは、メルセデスF1を率いるトト・ウォルフ氏です。

「フォーミュラEの技術は非常に未熟であり、レースシリーズもまだまだ成熟していない。だが彼らには、非常にカリスマ性のある起業家がいる。彼はすべての予想に反し、ドイツの有名なプレミアムカー・マニュファクチャラーの全てを惹きつけることができた」

「3、4、5年後のフォーミュラEがまったく異なるものになっていたとしても、私は驚かない。われわれの全員がこのような部屋に座って、フォーミュラEについて話していたとしてもね」

「物事が変化しているというマインドセットを持つことが重要だ。物事がどのように変わっていくかなんて見当がつかない」

「私もまた10気筒のガソリンエンジンが好きだ。だが私は5年後に他の誰かもまたそれを気に入るとは思っていない」

電気自動車(EV)へのシフトが加速する中で、メルセデスもそのトレンドをフォローするしかなかったということなのでしょう。

フォーミュラEが発展するのは、モータースポーツ界全体にとって良いことですが、スポンサーにとっての福音となるかはわかりません。
というのも、EVシフトが進んでいるのは先進国と中国くらいで、経済成長が著しい新興国では、内燃機関自動車が主力だからです。

スポンサーが求めているのは、新たな市場における効果的なマーケティング・ツールです。
F1がヨーロッパに回帰(ドイツやフランスでのGP復活)し、FE人気も先進国ばかりとなると、モータースポーツ界には新興国向けのシリーズが無くなってしまいます。

新興国の若者が夢中になれるようなレースシリーズが必要なのですが、そのようなものは現状ではありません。
なので結局サッカーに、若年層のスポーツファンを取られてしまうわけです。
もったいないですね。

Source: Why Mercedes couldn’t resist Formula E | espn.co.uk

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中堅チーム間の移籍はウィリアムズの動向次第!?

メルセデスフェラーリレッドブルの3チームに関しては、今冬のドライバーの移籍は無さそうです。
よってストーブリーグの注目は、必然的に中堅チームへと移ってきます。

中堅チームの移籍で鍵を握るのは、フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)の動向です。
引退を撤回し現役復帰した彼が今年かぎりで引退するなら、連鎖的に移籍が起こる可能性があります。

もしマッサが引退した場合には、空いたウィリアムズのシートに座るのは、パスカル・ウェーレイン(ザウバー)エステバン・オコン(フォース・インディア)となるはずです。
どちらもメルセデスの若手ドライバーですから、ウィリアムズは彼らを乗せることで、エンジン使用料を減額してもらえます。

ランス・ストロール(ウィリアムズ)の父親が、フォース・インディアに出資するという噂もあるようです。
この場合もウィリアムズの空いたシートに、メルセデスの若手が座ることになるでしょう。

ハンガリーGPでマッサの代役を務めたポール・ディ・レスタが、F1に復帰するかもしれません。
彼もメルセデスのドライバーだからです。
とはいえ彼の復帰は、オコンやウェーレインのシートがウィリアムズ以外にある場合に限定されるでしょう。

ルノーも、不振のジョリオン・パーマーのシートが空きそうですが、こちらはロバート・クビサを筆頭に、ルノー子飼いのドライバーが数多く控えているため、中堅チーム間の移籍を誘発する「引き金」とはならないでしょう。

マクラーレンにも同じことが言えます。
上位チームのシートが空きそうにないので、フェルナンド・アロンソが移籍する可能性は低いと思われますが、もし彼が移籍したとしても、ランド・ノリスを始めとする優秀な若手ドライバーがいるため、他所から連れてくるというのは、ちょっと考えられません。

兎にも角にも、今年のストーブリーグはウィリアムズの動向次第となりそうです。

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アルゼンチンでF1開催か?

1998年のアルゼンチンGP。優勝はミハエル・シューマッハーだった。

画像の出典: skysports.com

F1でアルゼンチンといえば、何と言ってもファン・マヌエル・ファンジオです。
5度のワールドチャンピオンという記録は、ミハエル・シューマッハーが破るまでの間、最多タイトル記録として燦然と輝いていました。

アルゼンチンでもグランプリが開催されていたことがあります。
1953〜58年、60年、72〜75年、77〜81年、その後フォークランド紛争で休止を挟んだ後の95〜98年と、計20回、ブエノス・アイレスのオスカル・ガルベス・サーキットでレースが行われました。

そのアルゼンチンで、F1を再び開催しようという動きがあります。
F1のレースディレクターであるチャーリー・ホワイティング氏は、非公式にオスカル・ガルベス・サーキットを訪問し、施設の状態を確認したようです。

アルゼンチン国内でもF1再開への機運が高まっているようで、ホワイティング氏の視察には、ブエノス・アイレス市役所のメンバーも同行していたといいます。
意外と早く、アルゼンチンGPが復活するかもしれません。

Source: Formula 1 race director Whiting evaluates Buenos Aires circuit | autosport.com

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