マツダRX-8が今になってニュルブルクリンクで開発テストをする理由とは?
RX-8が、ニュルブルクリンクに再び姿を現しました。
RX-8のテストカーがニュルに現れたのは、2017年12月にサーキット周辺に姿を見せて以来です。
なぜ今になってRX-8を走らせているのかはわかりません。
前回はRX-9を開発していると言われていましたが、マツダの小飼雅道社長(当時)はロードスターよりも大きなスポーツカーは作らないと宣言していたため、真相ははっきりしませんでした。
しかし再びRX-8を引っ張り出してきたのは事実なわけで、ロータリーエンジン絡みの計画が進行中なのは確かです。
今回はその辺を考察してみました。
更新情報
2019年7月に撮影された動画を追加し、RX-8のテストカーがニュルを走る理由を更新しました。(2019/07/25)
ニュルを走る謎のRX-8テストカー
スパイショット(2017年12月撮影)
ニュルブルクリンクを走行する様子(2019年7月撮影)
2台のRX-8テストカーが走行しており、1台はマイナーチェンジするわけでもないのに、フロントバンパーがカモフラージュされています。
RX-8のテストカーがニュルを走る理由
RX-9の開発テスト説
2017年12月にニュルブルクリンクに現れたテストカーは、ポルシェ・ケイマンをベンチマークにテストを行っていたそうです。
つまり次世代ロータリーエンジンのスポーツ性能を検証していたわけで、レンジエクステンダーのテストではなかった可能性も否定できません。
いくつかの情報によると、次世代ロータリーエンジンは2ローター・1.6リッターターボになるそうで、最高出力は400psになるのだとか。
また、ハイブリッド・パワートレインを搭載した450ps仕様になる可能性もあるそうです。
軽量・ハイパワーな次世代ロータリーエンジンを搭載することで、RX-9の車重はRX-Visionコンセプトと同等の1300kgになると言われています。
マツダはロードスターよりも大きなスポーツカーを作らないと宣言した過去があるので、にわかには信じがたいのですが、2019年になってまたもやRX-8を走らせているところを見ると、マツダが方針転換し、RX-9の開発を再開した可能性も出てきました。
Largeプラットフォーム用のレンジエクステンダーEV開発説
マツダはEVの航続距離を伸ばすレンジエクステンダー用ロータリーエンジンの特許を積極的に取得しています。
マツダは独自アーキテクチャのEVを投入すると宣言しているので、そこにレンジエクステンダー用のロータリーエンジンを搭載するのかもしれません。
マツダはトヨタと提携しており、そのトヨタはスバルと共に、CセグメントのEVを開発しています。
マツダが独自にEVを開発するとすれば、Dセグメント以上の中・大型車用のプラットフォームとなるでしょう。
マツダが開発中のLargeアーキテクチャは、まさにその中・大型車向けです。
直列6気筒エンジンを縦置きにする後輪駆動のプラットフォームによって、欧州のプレミアムブランドに真っ向勝負を挑むためのアーキテクチャとなります。
後輪駆動のプラットフォームを新開発するならば、EVにも対応できるようにするはずです。
実際、現在人気のEVには高級車が多いですし、大容量のバッテリーを搭載するとコストが増大しがちなので、高級車として販売するしかないという事情もあります。
プレミアムブランドに対抗するならば、EVの高級車は必要不可欠です。
これらを総合すると、ニュルブルクリンクを走っているRX-8は、レンジエクステンダー用のロータリーエンジンを、中・大型車の後輪駆動プラットフォームに搭載してテストしている可能性が高いです。
マツダ2とか3のようなコンパクトカーに搭載するならわざわざRX-8を用いる必要はありませんし、中・大型車であってもFFでよいのであれば、マツダ6を使えばいいだけです。
中・大型車に分類され(RX-8は全長4,470mmでCDセグメントに該当)、且つ後輪駆動なのはRX-8だけなので、テストカーとして丁度いいのでしょう。
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