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マツダの小飼雅道社長がAutomotive Newsの質問に答え、ロードスターよりも大きなスポーツカーを作る計画はないと断言しました。
コンセプトカーRX-VISIONの発表、RX-9の開発にゴーサインが出たというホリデーオートの報道などにより、新型ロータリースポーツカーの登場は確実と思われていましたが、ここに来てRX-9の未来が閉ざされてしまいました。
しかしロータリーエンジン(RE)の開発は続けているとも語っています。小飼社長はREをレンジエクステンダーとして使うことを考えているようなのです。
画像の出典: netcarshow.com
ロータリーエンジンに関するマツダ・小飼社長のコメント
英語の記事なので、本文とともに拙訳も併載します。
太字は質問者、""内が小飼社長の返答、()内は筆者注となります。
ロータリーエンジンに関する部分は以上です。
他にもアメリカへのディーゼル導入に対する小飼社長の見解など、かなり興味深いインタビューなのですが、それは別の記事で取り上げることにします。
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レンジエクステンダー・ロータリーの可能性
小飼社長がロードスターよりも大きなスポーツカーを作らないと言っている以上、RX-9(RX-VISION)の登場はほぼ絶望的です。
REは軽量・コンパクト・ハイパワーと三拍子揃っていますが、排ガスが汚く燃費が悪いので、ファミリーカー向きではありません。
それはレンジエクステンダー用のエンジンとして使う場合でも同じです。
小排気量のレシプロの方が、排ガス浄化、燃費、そしてコストの面で有利でしょう。
しかしレンジエクステンダー・ロータリーが、マツダ唯一のスポーツカーであるロードスターに搭載される可能性は、まだ残されています。
ロードスター・ロータリー・ハイブリッド
インタビューの中で小飼社長は、既存の1.5Lや2.0Lとモーター&バッテリーを組み合わせることを例に上げていますが、ロードスターのボディサイズでは、それらを搭載するスペースがありません。
小飼社長が考えているのは、発電用ロータリーエンジンを搭載した「シリーズハイブリッド ※1」ではないでしょうか。
REはコンパクトですから、ロードスターの小さな車体でもモーター&バッテリーと併せて搭載できますし、ハイパワーなので発電機としての性能は十分です。
しかもシリーズハイブリッドならば、重いバッテリーをたくさん積む必要がありません。
ノートe-POWERの車重は、ガソリンエンジン仕様+170kg程度に収まっています。
ロードスターの車体とREは軽量ですから、モーターとバッテリーを搭載しても、1150kg前後で仕上がるのではないでしょうか。
かつてマツダは「デミオEV」ベースのレンジエクステンダーEV「デミオRE」という車を試作したことがあります。
デミオREはその名の通り、ロータリーエンジン(RE)を搭載したEVです。
小排気量のRE(330cc)でもって航続距離を伸ばしていたのですが、EVベースということもあって、車重は1280kg以上(元のデミオは970kg)と重めでした。
車重に関してはレンジエクステンダーEVよりも、やはりシリーズハイブリッドに軍配が上がります。
したがってREレンジエクステンダーを搭載したロードスターが出るとすれば、シリーズハイブリッドが優勢だと思います。
また、レンジエクステンダー用なら効率の良い回転数のみを使うことができますから、REの宿命である排ガスや燃費の問題も解決しやすいはずです。
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※1 シリーズハイブリッドとは、車体に搭載されたエンジンで発電した電力で走る車のことを指します。
一方、レンジエクステンダーEVは、カリフォルニア大気資源局(CARB)の定義によると、
と、なっています。
外部充電がメインで、エンジンからの電力はあくまで補助である車が、レンジエクステンダーEVです。
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