セダンの販売台数減少が止まらない……
世界中でセダンの販売台数減少が止まりません。
2019年は前年比で6.8%も減少しました。
2019年は世界の自動車販売台数が前年比で4%減少したとはいえ、セダンの販売台数はそれ以上の勢いで縮小しています。
それでもセダンは乗用車で2番めに売れているボディタイプです。
セダンが今後復権することはあるのでしょうか?
世界的なセダン低迷の理由
セダンの売れ行きが中国市場に偏りすぎたこと
セダンは世界販売台数の半分を中国に依存しています。
中国の自動車市場が右肩上がりに伸びているときは良かったのですが、最近は家計負債が高止まりし、消費も鈍化しているため、自動車販売も減速してしまいました。
セダンはその影響をもろに受けてしまったようです。
アメリカの消費者の嗜好の変化
セダンの人気が比較的高かったアメリカでも、セダンの需要は大きく減少しています。
2009年にはセダンが市場シェアの39%を占めていましたが、2019年には22%まで落ち込んでしまいました。
この減少は主に消費者の嗜好の変化によるものと考えられています。
これを受けてシボレー インパラなどの伝統的なセダンも数多く廃止されてしまいました。
中途半端なセダンのボディ形状
アメリカの消費者がセダンを選ばなくなったのは、そのボディ形状自体に原因があると考えられています。
SUVやミニバンほど使い勝手が良くなく、広くもありません。
かといってスポーツカーほど刺激的ではないので、これといったセールスポイントが無いわけです。
セダンの人気を取り戻すべく、自動車メーカーは電動化や4ドアクーペ化といったテコ入れを行っていますが、ハッチバックやSUVなどでも同様の施策を行うことができるので、他のボディタイプとの差別化には至っていません。
コンパクトなボディが求められていること
実はハッチバックも販売台数の大幅な減少に直面しています。
2019年のハッチバック世界販売台数は、前年比で12%も減少してしまいました。
セダンは販売台数の半分を中国に依存していましたが、ハッチバックはその販売台数の50%をヨーロッパに依存しています。
ハッチバックの人気が低下している理由は、ボディサイズの大型化です。
ボディが大きくなると取り回しや燃費が悪化しますから、購入をためらう消費者が増加します。
SUVもコンパクトなモデルの売れ行きの方が伸びているので、ハッチバックと同様の状況です。
しかしSUVは全高を伸ばして室内の広さを稼げるのに対し、ハッチバックでは全長やホイールベースを伸ばさなければ室内を広くできないので、取り回しに与える影響はハッチバックの方が大きくなります。
そうなると必然的にSUVの方が選ばれてしまうのです。
セダンとハッチバックの宿命
セダンもハッチバックと似たような状況にあるといえるでしょう。
ボディをコンパクトにすると室内が狭くなり、室内を広くするとボディが大きくなってしまう……。
セダンというボディタイプゆえの宿命です。
室内の広さとボディのコンパクトさを両立するには、背を高くするしかないのですが、そうなるとSUVが最適なボディタイプということになります。
軽自動車のスーパーハイトワゴンもSUVみたいなやり方で室内の広さを稼いでいますよね。
したがってセダンやハッチバックが復権するのはかなり難しいと言わざるを得ません。
ハイブリッドやPHEVが普及するほど、背が高く重いSUVでも燃費を稼げるようになるので、セダンやハッチバックの退潮は今後も続くでしょう。
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