ランボルギーニの電化戦略 カギはスーパーキャパシタ
新型コロナウイルスのパンデミックにより世界経済は低迷していますが、ランボルギーニの業績は好調です。
2020年は同社史上2番目の好業績でした。
ランボルギーニの次の課題は、CO2削減です。
大排気量エンジンが主力のスーパーカーメーカーにとってCO2削減は難題ですが、ランボルギーニは電化でこれに対応します。
今回はランボルギーニの今後の戦略について、新CEOステファン・ヴィンケルマン氏のコメントをまとめました。
ランボルギーニの今後の戦略
ヴィンケルマン氏は今後数年間のランボルギーニの課題について「顧客の期待を薄めることなく、いかに議員の要望にマッチさせるか」だとしています。
つまり政治的な要求=CO2削減を進めつつ、顧客の期待に答える必要があるということです。
次期アヴェンタドールはスーパーキャパシタ搭載!?
そのための切り札となるのが、スーパーキャパシタを用いたハイブリッド技術です。
スーパーキャパシタは同サイズのリチウムイオン電池と比べると、より多くの電力を蓄えることができますが、蓄電できる時間は短く、EV走行はできません。
そのためランボルギーニではスーパーキャパシタをターボチャージャーの替わりに使用する計画です。
ハイパーカー「シアン」に搭載されたスーパーキャパシタはギアボックスに組み込まれており、33psのアシストが可能であるにもかかわらず、重量はわずか34kgに抑えられていました。
2021年中にはV12+スーパーキャパシタという構成のモデルが2台デビューすると言われています。
1台は現行アヴェンタドールベースのスペシャルモデルで、もう1台はアヴェンタドールの後継モデルになる可能性が高いです。
ただしスーパーキャパシタのCO2削減効果は限定的と考えられているため、リチウムイオン電池と組み合わて使うかもしれません。
2030年以降はEVブランドになる?
2030年以降、イギリスではゼロ・エミッションでない車の販売が禁止されます。
フランスでも2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する予定です。
日本も2030年代に、新車販売の電動車比率を100%にすると宣言しています。
つまり2030年までに何らかの手を講じなければ、ランボルギーニはスーパーカーの販売ができなくなるわけです。
次期ウラカンは2024年か2025年に登場予定ですが、ランボルギーニにとってそれが最後の内燃機関車になる可能性も否定できません。
ヴィンケルマン氏は「2030年以降に何が起こるか。次の世代をフォローアップするための明確な戦略を持つことが最大の課題だ」と語っています。
2020年代はそのためのファーストステップだと位置づけています。
ランボルギーニの完全電動化についてヴィンケルマン氏は「計画の最終調整」に入っているとコメントしました。
単に目標として掲げるだけでなく、何ができるのかを確認するために、財務状況を調べているのだそうです。「夢を持つことはできるが、それは現実的なものでなければならない」
ランボルギーニが現在検討中と噂されている2+2のGTカーも、EVになる可能性があるそうです。
ランボルギーニが属するフォルクスワーゲングループにはポルシェも含まれていますから、タイカンのプラットフォームを流用することもできます。
十分現実的なプランだと言えるでしょう。
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