SPオートモーティブ カオス 3,000馬力オーバーの「ウルトラカー」

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ギリシャのスタートアップ企業であるスパイロス・パノプロス オートモーティブ(以下、SPオートモーティブ)が、カオス(chaos)という車を発表しました。
同社はカオスが世界初の「ウルトラカー」であると主張しています。ハイパーカーを超える存在だと言いたいわけですね。カオスは3,000psを発生する車ですから、ウルトラカーだと主張する根拠は十分にあるといえます。

今回はSPオートモーティブ カオスの概要をご覧ください。

更新情報

新たに公開された画像と差し替え、スペック等を修正しました。(2021/11/02)


SPオートモーティブ カオスの最新情報

エクステリア

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SPオートモーティブ カオス

F1にインスピレーションを得たというデザインだが、どちらかというとル・マンプロトタイプ(LMP)のように見える。

直線的なラインで構成されたデザインだ。

フェンダーの張り出し具合がすごい。特にフロントフェンダーは完全に独立している。

T字型に配置されたテールライトが特徴的。

イソギンチャクのようなテールライト

センター出しのクアッドエキゾースト

リアエンドはほぼ真四角だ。

全長は5,053mm、全幅は2,068mm、全高は1,124mm、ホイールベースは2,854mmとなっています。車重は2,000ps仕様の「Earth」が1,388kg、3,000ps仕様の「ゼロ・グラビティ」が1,272kgとかなり軽量です。

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インテリア

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カオスのインテリア。意外にも開放感があって視界も広い。

ビルトインされたシート。

センターコンソールは幅が狭いデザイン。

ペダルも3Dプリンターで製造されている。

ルームミラーも3Dプリンターで出力されたものだ。

操縦桿のようなステアリングも3Dプリンター製。メーターだけでなく、AR(拡張現実)による表示もある。

ダッシュボードにはワイド液晶が2つ。左端は指紋認証式のエンジンスタートスイッチ。

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シャシー

モノコックはザイロンで製作されています。
ザイロンは、最高レベルの引張強度と弾性率を持つ繊維で、防弾チョッキなどに使われている素材です。

ボディーワークはカーボンファイバーやケブラーで構成されています。
一方、機械部品は3Dプリントされたチタンやマグネシウムです。

サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン。
ブレーキディスクはカーボンセラミック製で、フロントは482φ、リアは442φというサイズ。
ブレーキキャリパーはマグネシウムを3Dプリントして製作されています。

3Dプリントで製作されたマグネシウム製ブレーキキャリパー

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パワートレイン

エンジンは4.0リッター・V型10気筒ガソリンツインターボです。
2,077ps・1,389Nmの「Earth」と、3,107ps・1,984Nmの「ゼロ・グラビティ」という2つの仕様があります。
ピストンやコンロッド、カムシャフトなどは、チタンを3Dプリントして製作されています。
ギアボックスは8速デュアルクラッチトランスミッションです。

3Dプリントされたエンジン内部のチタンパーツ

パフォーマンスは、ゼロ・グラビティの0-100km/hが驚異の1.55秒! 0-300km/hでもわずか7.1秒しかかかりません。また、カオスはニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおけるプロダクションカーのラップレコード(6分43秒616)を更新しようとしています。
SSCトゥアタラが持つ世界最高速度記録(455.3km/h)や、1/4マイル加速の市販車記録(8.58秒)を破る計画もあるようです。
創業者のスパイロス・パノプロス氏は、カオスの最高速が500km/hオーバーだと主張しています。

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価格・発売日

価格は2,000ps仕様(Earth)が550万ユーロ(約7.1億円)、3,000ps仕様(ゼロ・グラビティ)が1,240万ユーロ(約16.1億円)という途方も無い金額です。

カオスは2021年11月1日に発表されました。
カオスは既に最初の注文が入っており、2022年初頭のデリバリーが予定されています。今後は各大陸ごとに20台ずつ生産する計画で、それらはサザビーズによって独占的に販売されます。

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