TVRがついに復活! 新型スポーツカー「グリフィス」は、ポルシェ911のライバルだ!

他メーカーの新車情報,新車情報

イギリスのバックヤードビルダーであるTVRの新型スポーツカーグリフィスが、グッドウッド・リバイバルでのワールドプレミアに先駆けて公開されました。

今回はTVRグリフィスについてお伝えします。

更新情報

新型グリフィスのエクステリアと、新型グリフィスのインテリアの項目を追加し、それぞれに画像を貼付しました。(2017/09/08)


TVRとは?

トレバー・ウィルキンソン氏が、イギリス・ブラックプールで創業したスポーツカー・メーカーです。
トラクションコントロールなどのドライバーエイドを持たない超軽量スポーツカーに、大排気量のハイパワーエンジンを積むという手法で、マニアたちから高い評価を受けていました。

1993年に発表された「グリフィス500」。初代グランツーリスモで知った方も多いはず。

TVRにもっとも勢いがあったのは、90年代後半から00年代初頭だと思います。
このころTVRは自社製エンジンの開発に着手し、直6やV8、そしてV12までをも生産していました。

2004年登場の「サガリス」。このエグいデザインもTVRの魅力だった。

その後ロシア人実業家に買収されたものの、00年代後半に入ると経営状態が悪化。
その後は混乱状態に陥り、新車開発どころか、まともに車を生産することすらできていませんでした。

再建に向けて動き始めたのは、TVRの所有権がレス・エドガー氏に移ってからのことです。

なぜTVRは売れなくなったのか?

90年代後半にはコアなマニアに受けていたTVRですが、ドライバーエイドが無いために、その頃から安全性には疑問符が付けられていました
本国イギリスでもTVR車の高い事故率に対し、批判が高まっているという記事を、筆者も雑誌で読んだ記憶があります。

日本でも、刑事ドラマ・西部警察の撮影でTVR車が事故を起こし、西部警察の新シリーズ自体がお蔵入りになったという事件がありました。
タイヤが冷えている状態でスロットルを開けすぎたためにリアタイヤが滑り、コントロール不能にあった車両が観衆に突っ込んだという事故で、実際はドライバーの過失だったのですが、日本におけるTVR車のイメージは、この事件で地に落ちてしまったようです。

00年代に新通貨ユーロが導入されると、不景気から立ち直ったヨーロッパの自動車メーカーは、高性能なスポーツカーを次々とリリースし始めました。
これにより性能面におけるTVRの優位性はほぼ失われ、危険な車というイメージだけが残ったのです。

商品に競争力が無くてイメージも悪ければ、売れないのは当然です。
ロータスとは異なり、自社製エンジンに多額の投資をしていたことも災いし、TVRの経営状態は悪化の一途を辿ったものと考えられます。

目次に戻る

新型グリフィスのエクステリア

ハロー、グリフィス。
ちょっとAMG GTっぽさを感じなくもない。
ヘッドライトはシンプルそのもの。
ロングノーズ、ショートデッキなプロポーション。星型のホイールにも注目。
マフラーはサイド出しだ。
マフラーフィニッシャーもかっこいい
見事なツライチ具合だ。
ウイングやディフューザーなど、現代的な空力デバイスも付いている。
2段式ディフューザーの形が面白い。床下は完全なフラットボトムだという。

新型グリフィスのボディサイズ

全長4314mm、全幅1850mm、全高1239mmです。
最近のスポーツカーとしてはかなりコンパクトな部類に入りますが、2シーターなので、前席には十分な広さを確保できるでしょう。

目次に戻る

新型グリフィスのインテリア

ステアリングは風合いからしてアルカンターラ巻きっぽい。
昔のTVRよりも質感は高そうだ。
シフトレバー手前のスイッチ類は、航空機のコクピットを思わせる。

目次に戻る

TVRグリフィスの概要

2013年にTVRの所有権を引き継いだレス・エドガー氏は、自動車業界にかなり詳しく、よってTVRの経営も堅実路線です。

エンジン

新型グリフィスのエンジンは自社開発ではなく、コスワース製の5.0リッター・V8・自然吸気エンジンを搭載します。
最高出力は500psです。
ギアボックスは6速マニュアルとなります。

新型スポーツカーのシャシーとエンジンを表した図。

シャシー

シャシーもゴードン・マーレイ・デザインが開発したiStreamを使用することで、コストを削減しています。

F1のテクノロジーを利用したiStreamは、鋼管フレームにガラス繊維強化プラスチック(FRP)を接合したものです。
軽く、強靭で、安全性に優れるだけでなく、従来の組み立て工場と比べて、最大80%も少ない投資で済むという利点があります。

iStreamには、FRPではなくカーボンファイバー(CFRP)を利用した「iStream CARBON」というバリエーションもありますが、TVRの新型スポーツカーは、安価なFRP仕様の方を採用するようです。
コストを重視し、出来るだけリーズナブルなスポーツカーをリリースしようと考えているのでしょう。

カーボンではないとはいえ、iStream自体が軽量ですから、グリフィスの車重は1250kgに抑えられています。

前後サスペンションはダブルウイッシュボーン式で、調整可能なコイルオーバー・ダンパーとの組み合わせです。
ブレーキはフロントが370mmのベンチレーテッド・ディスクローターに6ポットアルミキャリパー、リアは350mmのベンチレーテッド・ディスクローターに4ピストンキャリパーが装備されています。

これらのエンジンとシャシーにより、パワーウエイトレシオは2.5、0-60mph(0-96km/h)は4秒以下、最高速は320km/hと、TVRの伝統に恥じないハイパフォーマンスカーとなりました。

ゴードン・マーレイ氏によれば、信頼性の観点から電子機器の数は少なくするそうですが、デジタル・インストゥルメント・クラスター(液晶ディスプレイ方式のメーター)や、タッチスクリーンなど、ある程度の電子機器を搭載することが決定しています。
パワステの搭載はすでに発表されていますが、おそらくトラクションコントロールやABSなども採用されるはずです。

目次に戻る

価格・発売時期

価格は90,000ポンドです。
1ポンド=145円換算だと、1305万円ですが、少量生産のスポーツカーとしてはかなり頑張った価格と言えるでしょう。

デリバリーは2019年第1四半期から開始されるそうですが、当初はイギリス国内を中心にディーラーを展開するとのことで、日本に入ってくるのがいつになるかはわかりません。

TVRはル・マン24時間レースへの参戦も考えているそうで、モータースポーツファンとしてはそちらも非常に楽しみです。

目次に戻る

最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。