メルセデスAMG ONEがニュルブルクリンクのコースレコードを更新

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Mercedes-AMG ONE Nurburgring

ハイパーカー「メルセデスAMG ONE」が、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェの市販車ラップタイムレコードを更新しました。
メルセデスAMG ONEは、20.832kmのコースで6分35秒183を記録。これまでポルシェ911 GT2 MRが持っていたレコードタイムを約8秒も更新したのです。

今回はメルセデスAMG ONEのレコードラップに関する概要をご覧ください。


メルセデスAMG ONEのニュルレコードラップ


オンボード映像を見ると、マシンの挙動が非常に安定していることがわかります。これはアクティブエアロが生み出す巨大なダウンフォースによるものでしょう。
一方、空力の効かない低速コーナーでもアンダーステアやオーバーステアが出ていません。これはトルクベクタリングやAWD(全輪駆動)によるものであると考えられます。
縁石に乗ってもマシンが跳ねることが無いのは、適切なサスペンションセッティングとカーボンモノコックによる高剛性なシャシーのおかげでしょう。

Mercedes-AMG ONE Nurburgring

最高速は338km/hを記録しました。この最高速の伸びはDRS(ドラッグ・リダクション・システム)の恩恵だけでなく、ドライバーを務めたマロ・エンゲルの貢献も大きいようです。
彼はブレーキングポイントに差し掛かる前に早めにアクセルを戻す「リフトアンドコースト」を行い、回生ブレーキによってバッテリーにエネルギーを貯めておき、最終セクションのロングストレートでそれを一気に開放したのです。
また、オンボード映像を見ると、加速できそうな地点でもアクセル一定のままで抜けている場所があります。バッテリーを節約して走行する区間と、バッテリーを使用して一気に加速する区間を分けていたのだと思います。

Mercedes-AMG ONE Nurburgring
ドライバーを務めたマロ・エンゲル

タイムアタックに使用されたメルセデスAMG ONEには、ミシュラン パイロットスポーツ カップ2R MOタイヤが装着されていました。このタイヤは標準装着されているものです。
ブレーキも標準装備のAMGセラミック・ハイパフォーマンス・コンポジットブレーキを使用したそうです。
アタック時に使用されたドライブモードは「Race Plus」です。このモードは車高がフロント37mmダウン、リア30mmダウンに設定され、4つのモーターがフルパワーとなり、アクティブエアロが最大限機能します。DRSはドライバーがステアリングホイールのボタンを押すことで作動するようになります。システムが減速や横Gを検知すると、DRSがキャンセルされます。

マロ・エンゲルによると、コースコンディションは理想的な状態からは程遠いものだったようです。天候こそ晴れていましたが、路面の一部は湿っていました。気温と路面温度は20℃をわずかに下回る程度だったそうです。
しかも走ったのはたった4周でした。ニュルブルクリンクは17時15分にコースを閉鎖するのですが、レコードラップを記録した時刻は17時14分31秒。だから4周しか走れなかったのです。
気温と路面温度がもっと低く、コースが完全ドライコンディションならば、もっと良いタイムを出せると思います。

Mercedes-AMG ONE Nurburgring

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